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知らぬところで始まっていたラブロマンス

オールキャラ(子供達)揃いました。

皆が仕事に出掛けてからどれくらい時間がたっただろうか?

お昼も近くなった頃に孤児院教会の敷地内から車のエンジン音とクラクションの音が聞た。廊下から除けばジャンが大きく手を降っているのが見える。

フィーはトラックに向かって走り出した。

「たっだいまぁ~!!」

「お帰り、皆。迷惑かけなかった?」

「迷惑どころじゃねぇよ!!!何だよ!!??あのサイボーグ!!??聞いてねぇよ!!」

ジャンとルイスはトラックの荷台から降りるや否やフィーに強い剣幕で捲し立てる。

それは興奮から起こる現象ではあるが、感動や歓喜などではなく恐怖や驚愕によるものだろう。

「サイボーグ??」

「ジャンとルイス、二人でサボってたら農場主のじぃちゃんと牧羊犬に追いかけ回されたんだって」

意味がわからず聞き返せば、遅れて荷台から降りてきたケリーがフィーの為に説明を捕捉してくれる。

それでようやく、話の内容が繋がった。

「あれはジジィの体力じゃねぇって!!」

「どこに隠れても探し当てんだよ!!あの犬!!!マジ怖ぇよ!!!」

「…………二人とも」

朝、皆で話して居たことが当たるとは。

予想はしていたが、まさか相手様に探して貰う程の迷惑をかけるとは思わなかった。

農場主さんになんて謝れば良いのか…。

フィーはトラックの運転席に視線を送ればお爺さんが運転席に座っている。

「フィー姉!!あれは堅気の動きじゃねぇよ!!」

「俺らも途中から本気だして逃げたの全く歯が立たなかったんだって!!!絶対にスパイかなんかだって!!」

「夕食抜き。」

二人に有罪判決を下しトラックに駆け寄り運転手のお爺さんに声をかける。

「済みませんでした。孤児院の子供達をあづかって貰ったと云うのに迷惑をお掛けしてしまって…なんてお詫びをしたらいいのか」

「落ち着きなさい、お嬢さん。儂はちっとも迷惑とは思っとらんよ。愛犬も久々に全力で走り回れて嬉がっとたしな」

好好爺として答える運転手は始終笑顔で話してくれた。

「けれど、農園のお手伝いもしなかったと…」

「確かにあのワンパク坊主どもは走り回っておったがその分、残りの二人が頑張ってくれていたからの。助かったことには変わりはない」

「本当に済みませんでした。」

「そうかしこまりなさるな。儂とて不意打ちでテストした身じゃしな。おあいこじゃよ」

「テスト?」

「ああ。ニコラスから話を聞いておらんか?儂の土地であの坊主は養豚をやっておってな。後継者がおらんので養子が欲しいと溢したら、この話を薦めて来たのが、あの坊主じゃよ」

「そう、だったのですか…」

そんな話は聞いては居なかったが、ニコラスとういう身元保証が有る。

有り難い話にはかわりなかった。

「そうゆう訳だ。うちの養子か婿養子になるか?ダニエル。」

フィーの後ろに声をかければ、いつのまにか男の子四人が整列しており、ルイスとジャンはダニエルの脇腹を小突いたり『良かったじゃねぇか』と冷やかしている。

ケリーに関してはダニエルに抱きつき“幸せになれと”言わんばかりに背中を叩いていた。

皆の歓びように展開が読めないフィーは固まってしまった。

―――普通は突然の別れに寂しがったりしない?

婿養子と云う単語も気になる。

祝われている当のダニエルはフィーと目が合うと軽く頷き、抱きついていたケリーの背中を軽く叩く。

“離れて”と云う合図だと理解したケリーは涙が組ながらもダニエルから離れればダニエルはゆっくりトラックに近寄って来る。

やがてフィーの隣に並べば深くお辞儀をした。

ダニエルの精一杯の『よろしくお願いします』と云う意思表示にお爺さんは口許を緩めればトラックから降りてダニエルの頭を撫でた。

ここまで感動ムードに浸っているのかフィーには話が分からないがら、皆が笑顔で居るならそれで良いと思った。

―――取りあえずはハッピーエンドかしら。

フィーの口からも自然と映見が溢れる。

「積もる話もあるじゃろう。そうさなぁ~明日の夕方に迎えに来よう。友達とも会いにくくなる。お別れをしてきなさい。お嬢さんもそれで大丈夫かね?」

「はい。問題有りません」

「うむ、神父殿によろしく頼むよ」

フィーの返答にお爺さんは満足そうに頷く。

「ダニエル、家族は何より大切にすべきものだ。家族は離れたとしても絆は離れる事はない。それはコレまでもコレからも変わらないだろう。お前はお前のファミリーを大切にしなさい。」

ダニエルと視線を合わせるとお爺さんはとても優しい笑顔でダニエルに話しかける。ダニエルも一度だけ、しかし大きく深く頷く。

お爺さんなりにダニエルを励ましているのだろう。

ダニエルと意思疏通も出来ている。

短い時間ではあるが“この人なら大丈夫だ”と強く思えた。

お爺さんは孤児院の子供にも軽く挨拶するとトラックに乗り込み帰って行った。

ダニエルはトラックを見送ったあと、ゆっくりと今の家族がいる孤児院に歩き出した。


急遽、ダニエルが荷物をまとめた後、仕事を貰っていた運送業社に挨拶に行く事になったがフィーにも娼館に行く用事がある。

一辺に済ませた方が時間の都合が良い。

だが、女の子達とダニエルは娼館内では別行動になってしまう。

考えた末にハンスも養親探しや仕事の情報収集の為に娼館に行くので一緒にいってもらうことにした。

ダニエルひとりで娼館は肩身狭が男二人なら大丈夫だろう。

時間は少し早いがアリッサとノーナが帰ってくれば二人をつれて娼館へ行くことをダニエルに伝える。

午前中には事務所に向かっていたハンスにも午後過ぎには帰って来るだろうからダニエルの荷物をまとめるのに丁度良いはずだ。

そうと決まればフィーはハンスを探す。

朝食を食べた後、仕事の伝達をする為に出ていったはずだから、昼頃には帰ってくるはずた。

狭い孤児院だ、ハンスはすぐに見付かるだろうと踏んで廊下を歩いて居ると誰かに声をかけられた。

「シルフィーナ」

誰、と言ってもこの孤児院でフィーを愛称で呼ばない人物は一人しかいない。

「デヴィッドさん」

「やぁ、急に騒がしくなったね。お客さまかな?」

「いえ、元からいた孤児院の子達が帰ってきたんだです」

「そうなのか。社会化見学っと言ったかな?子供の内から色々と体験するのはとても良いことだよ」

笑顔で話しかけながらデヴィッドがフィーとの距離を一歩詰める。

「…そうですね。所でデヴィッドさん、安静にとお願いしたはずですよね?」

また、一歩。

「ははは、レディは手厳しいな。散歩だよ、幾らなんでもずっと読書では体に悪いからね。彼処に有るのは教会だろう?覗いて来ても良いかな?」

「すみません、デヴィッドさんがここに来た晩にギャングに襲われて…中は酷い有り様なんです。危ないので今は止めて下さい」

文字通り、二人の距離が段々詰まっていくが此処で逃げては失礼に当たる。フィーは気付かないない振りをしてにこやかに返す。

「分かったよ。…もう少し体力が回復したら僕も片付けを手伝おう。あ、そうだ。昨日、夕食を持ってきてくれた彼。ニコラス君。彼は何の仕事をしているんだい?」

「一般街での仕事ですよ。本人は恥ずかしがって教えてくれないんです」

「何も?花屋とか新聞社に勤めてるとか?全く?」

真剣な眼差しを演出するかのようにフィーの右手をデヴィッドは両手でしっかり握りしめて、優しく語りかける。

確かに孤児院に済んでいる人物の素性を知らないのはおかしいが、それはデヴィッドにも言えたことで有る。

どこか責められている気がしないではないが、フィーはソレすら笑顔で交わした。

「ソレにしてもニコと打ち解けたんですね。コレからも仲良くして下さい」

フィーは頭を下げて、そそくさとその場を去る。

幾らなんでも、数日前に来た人間に教会の内情を教えるはずもない。

探りを入れてようとする相手にはあえて的外れな感想を述べ逃げるにかぎる。

フィーの歩幅は自然と早まっていた。

ソレにデヴィッドに変に絡まれるのも今日までだろう。

何せ男の子達も帰ってきたのだ。

久々の救済者ならジャンとルイスがスパイごっこやイタズラをする相手として格好の餌食になる。

デヴィッドはそのうち嫌でも孤児院で一番、イタズラ好きな二人組によって走り回るはめになる目に見えていた。

ソレにしても何故、今朝からこんな態度を取っているのか?

―――値切りなら、とっくに話が出るはずだし…。

いくら考えてもフィーには全く検討もつかなかった。


ソレから少し探したがハンスはまだ帰ってきていないらしく、姿が見当たらない。

なら、先にエルダのお土産と夕飯の買い出しをしてしまおうと思いたり、フィーは男の子達全員に声をかようとする。

子供部屋にいけば黙々とダニエルが使っていた布団や私物を入れるロッカーの中を片付けている。

普段ならやんちゃ盛りの男の子達だ、途中でチャンバラやら鬼ごっこに発展する筈なのに黙々と作業を続けていた。

―――やっぱり養子に出るのは喜ばしい事だけれど、幼馴染みが居なくなるのは寂しいわよね。

昔に養子に行った友人達との別れ際も同じだった事を思い出してフィーは二の足を踏んでしまう。

『手の空いてる子がいたら買い出しに行ってくれない?』

その一言が出ない。

考えてみればダニエルの養子なんです話は突然で、今日は別の用事もあって盛大にお祝いなんて出来る状態ではない。

だが、このままサヨナラなんて事もしたくない。

何より今はいつ襲撃を受けるかわからない状況だ。

孤児院を救済者一人にしては万が一の時に対応が出来ない。

かといって子供達に『ダニエルの送別会に必要なもの』なんてあやふやな指示の買い物をお願いするのも気が引ける。

そして何より、ますば先立つもの探すべきだ。

他にやることが出来たフィーはハンスかニコラスの帰りを待つべきだと判断し先立つものがある場所へ向かった。


“先立つもの”ぶっちゃけヘソクリである。

心当たりのある場所に到着すればフィーは扉の前で左右を確認し、ポケットから鍵を取り出しだす。

扉に鍵を差し込み中に入る。そこは神父の書斎だ。

後ろ手で鍵を閉める事も忘れない。

普段は神父は此処で仕事をしている。

その中にローレンスファミリーの決算処理の一部も有ると父から聞かされており、フィーも用事がなければ極力、書斎に入らないように言われていた。

だが、今回はそんなことを言ってる暇はない。フィーは神父の本棚から一冊の本を取り出すとページを飛ばし中に挟まれた封筒を見付ける。

父のヘソクリだ。いざというときの為にフィーは掃除の合間を利用して父のヘソクリの場所を探し当てていた。

封筒の中には10$札が4枚入っている。

―――これなら何とかなる。

つい、しめたとばかりに笑みを浮かべてしまう。

本を元に戻そうとすると、何故かヘソクリの隠してある隣の本が気になった。

本事態はたいした事はない。『赤毛のアン』だ。

神父は本棚にはこだわりの有る人で、仕事内容に応じて置いてある本の場所が違う。

フィーには訳がわからない配置でも神父には必要性のある配置だったりする。

それが今まで別の場所に置いてある筈の本がここにある。それには違和感があった。

『赤毛のアン』を手に取り、ページをめくる。

丁度、アンと親友のダイアナが誓いを立てる場面にそれは挟まっていた。

「手紙?」

茶封筒に入ったそれに差出人も宛先も書いていない。

だが、よりにもよってローレンスファミリーの合言葉に使われているシーンでこれが挟まれて要ることは出来すぎている。

フィーは手紙を開けようかと一瞬悩む。

「フィー姉!!どこぉ~??」

「ハンス兄ぃが呼んでるよぉ~!!」

封筒を開けようとしたときに部屋の外からジャンとルイスの声が聞こえてきた。

―――ハンスが帰ってきたなら買い物に行ける。

手紙は今夜にでも読めばいい。

そう結論付ければフィーは手紙を本のページに戻し書斎から出ていった。

―――そういえばお昼を食べていない。

最近はお昼でも皆が集合してる事が多い。

食堂に向かいながら昨日の余り物で簡単に作れるものを思案しながらフィーは声のする方へと向かった。

―――そうだ、ケリーにも養子の話をしなくちゃ。

食堂につく頃には手紙の事など気にする暇もなくなっていた。

有難うございます。

そろそろイチャコラかきたいです。

なので主人公ではなく子供代表、ダニエル君ラブロマンスを頑張ってもらいます!

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