表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/58

新/022/怪物VS吸血鬼

まだまだ夜月君のターン!!

 

《ヒートスタンプボア・亜種level31撃破!!

 exp:243

 bonus:【大物撃破(ジャイアントキリング)(無傷・単独)+200%】【特殊個体撃破(無傷・単独)+200%】【観察+10%】

 exp:1239》


《level-UP!!

 level9→level10

 BP10を獲得。振り分けますか?yes/no》


《ボーナス週間内のlevel10到達を確認。

 title:【先駆者(パイオニア)】が贈られます。

 それを祝し、以下のプレゼントが贈られます。

 BP20

 1G

【不思議な宝箱・上】》


 真っ赤な光の粒子となって、夜の街に溶けて消える巨猪。

 その光を最期まで見届け、視線をスマホに移す。

 そこに表示された文章を読んで、苦労したかいがあったと、内心ぼやく。


 正直に言って、達成感は特に無い。

 厳しい戦いだったのは確かだが、出来る事をやっただけなので、達成感は感じられ無い。

 まあ、バトルジャンキーでは無いからな。


 それよりもtitle:【先駆者(パイオニア)】だ。

 これによって増加したBPは総合30。まあ、いつも通りに振り分ける。


 そんな事よりも重要なのは1Gだ。1G。重要なので二回言った。

 これはマジでありがとう。猪君を倒したかいが本当にあったというものだ。

 君の命は無駄にしない。


 ちょっと小躍りしそうになるのを止めて、今度はstorage内に直接送られてきたアイテム【不思議な宝箱・上】何が入っているかは謎のようだ。


 ふむ。開けてみ──


「──お、おい!猪が居ねえぞ!!」


「え!?ほんとに!!」


「俺は見てたぞ!ビルに突っ込んでいくの!!」


 ちっ。

 のんびりはしていられないらしい。


 スマホを内ポケットにしまって、車のボンネットから飛び降りる。

 そして二百メートルほど離れた巨猪が死んだ場所まで、気配を消して、足音を消して、走る。

 ドロップアイテムと金を放置したままなのだ。


 幸い、巨猪が死んだ事で光源が無くなり、道は月明かりと星明かりのみ。常人でも視界は効くだろうが、ダークスーツで気配を消している俺を捉えるには、少し光源が足りない。


 増量されたBPでphysical値を大幅に上げたため、AGIが100を越えた。そのため、身体が思ったよりも軽くて、少しバランスを崩しかけた。


 ………あれ?12も上げたけど、少し身体能力上がりすぎじゃね?

 DEXは実感が難しいけど、確かに巨猪戦ではかなり繊細な動きができたような………。


 ともかく不味い。急激な上昇で、肉体能力を把握出来てない。

 この状態での戦闘は重大な失敗をしそうだ。

 慣れねば力に振るわれる。

 それは避けなくてはならない。力は正確に把握し、完全に掌握して初めて意味がある。

 少し訓練しないとな。


 二百メートルを速度を落とす事無く時速七十キロ以上で走破し、目的の場所に辿り着く。

 十数人の視線がこの近辺に集まっているが、俺に気づいた奴は居ない。


 袋、というよりも、結構大きな筒状の物が一つと、お金が入っていると思わしき袋が一つ。それからなんともう一つ、


「宝箱?」


 そう、猪の紋が刻まれた宝箱と思わしき箱。

 大きさはそんなでも無い。縦二十センチ、横五十センチで、開閉部が半円柱型になっている。


 考えるのは後回し。

 とにかく、抱えて走るには大きいので、付近から注がれる視線にバレるのは面倒だが、storageにしまう。

 storageの収納機能は便利だが、収納のさいに対象物が発光するため、隠密性が無いのだ。

 案の定──


「お、おい!あそこ!」


「光ってる!?人だわ!!」


「どうする?呼んでみるか?」


 気づかれた。

 サクサクとstorage内に筒と宝箱をしまい、moneyにお金を収納する。

 幾らだろう?気になるが離脱が先。


 俺は闇に潜む様に走り出す。

 すでにビルから覗く視線は俺を見失った。


 なお、48Sだった。やったね。



 ◆◆◆



 実戦において、一対一などほとんど無く、例えあったとしても、一人倒せば終わりなど有り得ない。

 追撃が来る。傷を負って体力を消耗してれば勝率は上がるし、勝利した瞬間は気が緩みがちになるので、奇襲をかけやすい。

 それが普通。だから常に、連戦に備えなければならないのだ。


 ただ、文句ぐらいは言っていい筈だ。


「………ふざけんな」


 現在、住宅街の一方通行の道路にて、夜月は敵と対峙している。

 オークやゾンビでは無い。


「そう言うな」


 この通り、理性的な声で言葉を返してくる。

 オークやゾンビにはこんな芸当は出来ず、レッサーヴァンパイアの女は壊れて狂って会話にならない。

 目の前の敵には理性がある。会話も成り立つし、感情も感じられる。


 だが夜月は目の前の存在を敵と判断していた。


 目の前に居るのは、人型。というか、ほぼ人間。

 百八十四センチの夜月と同等の身長を持ち、着流しの帯に太刀と小太刀を挿した、今時珍しいというより、痛いと言った方がいい様な、侍スタイル。

 顔立ちは当然日本人的で、イケメンというほどでは無いものの、渋くて格好いい顔だ。

 体格は痩身なのだが、密度の高い強靭な筋肉を持っていると、夜月は見抜いている。


 格好以外は素敵なおじ様で通る普通の人間っぽいのだが、明確に違うところが二点。

 耳と尻尾だ。


 本来側頭部についている耳が、上についている。ただし、人間の耳では無くて、犬系の耳が。

 それだけでは無くて、後ろには尻尾が生えている。

 作り物?と思ったのだが、生々しく動いているので否定された。


 獣人。

 夜月自身、あまり詳しくないが、七海に付き合ってゲームをしていただけあり、見覚えはある。

 もはやゲームの様な世界なので、居るのは驚かないが、今は出会いたく無かった。


 夜月は人種とかは別に気にしたりしない。

 そもそも夜月の判断基準は、敵か味方かどうでもいい奴の三つなのだから、人種等など大した問題では無い。というか、意識した事すら無い。


 そんな夜月が目の前の獣人を敵と判断している。

 その訳は、


『君と戦えと言われた。申し訳ないが付き合ってもらおう』


 だ、そうだ。

 率直で良いのだが、迷惑極まりない。


 連戦はしっかり想定していたし、SPの方も特に問題は無い。

 巨猪の戦いにて、肉体への負荷が激しくSPをそこそこ消費したが、そこは【超回復】と気功・Ⅷが活躍したので、既に全快に近くなっている。


 問題なのは、強化された肉体能力を完全に把握できていない事だ。

 100を越えたAGIとDEXが、自身の掌握する力から超え始めている。

 仮説だが、100と99の間には、壁が有るのでは無いだろうか?三桁と二桁では力に明確な差が有るので、概ね正しいと思っている。

 ともかく、早急に力の感覚を確かめる必要があった。


 だから今は、正直戦いたく無い。

 それも、強い相手とは。


 目の前の獣人は、間違いなく強い。

 それもあの巨猪クラス──いや、上かもしれない。


「なあ、戦わないって選択肢は?」


「すまないが無い。我が主が君との戦闘を所望していてな」


 主。心当たりは当然、有る。

 レッサーヴァンパイアが「ご主人様」と言っていた。

 つまり、


「お前もレッサーヴァンパイア?」


「……違う。ヴァンパイアだ。レッサーヴァンパイアでは無い」


 若干不満そうに目の前の獣人ヴァンパイアは言った。

 獣人でヴァンパイア。

 獣人がヴァンパイアに血を吸われてヴァンパイアとなったのだろうか?それとも、元からヴァンパイアなのだろうか?


「お前、ヴァンパイアになった獣人?それとも元からヴァンパイア?」


「前者だ。我が主、ヴァンパイアロードにより生ける屍の鬼となった、元人狼族だ」


「ふーん」


 ヴァンパイアロード。重要な単語を頭にメモしつつも、夜月は少し不満だった。

 あの馬鹿げたレッサーヴァンパイアと違って、格好いいからヴァンパイアと言っても許せるのだが、おっさんで獣人で侍スタイルは、夜月のイメージをぶち壊している。

 そんな不満を頭を振って払う。今は気にしている場合では無い。


「んで、昨日のレッサーヴァンパイアを送り込んで来た事といい、お前のご主人、俺になんの用?」


「知らん。我は主の命によって来た。それだけだ」


 夜月には理由が思い付かない。

 しかし、ヴァンパイアとかいう未知の存在だ。映画とかで知っていても、違う部分は当然あるだろう。

 だから、狙われる理由を考えるのを止める。

 考えても分からないし、何より目の前の相手は、余計な思考をしていて良い相手では無い。


「それでは行こうか、少年。無駄話は好きじゃ無い」


「奇遇だな、俺もだ。もっとも、戦いはもっと好きじゃないが」


「それは残念。私は大好きだ」


 月光を背景に、ニヤリと獰猛な笑みを浮かべた獣人ヴァンパイアは、刀を抜いた。



◆◆◆



 夜月にとっての最悪は、目の前のヴァンパイアが囮だという事だ。

 戦闘を行い引き付けている間に、七海の所に別のヴァンパイアが襲撃。それが夜月にとっての最悪だ。


 巨猪の縄張りから、七海と雛が隠れている場所まで、実はそこまで離れていない。直線距離で五十メートルも離れていないのだ。

 当然だ。もしもの事があれば直ぐに戻れる距離でなければ、夜月が七海の側を離れる事は無い。


 そして今この場所は、建物の影で七海達の隠れ家は見えないものの、目の前のヴァンパイアを越えた先に、七海達の居る建物がある。

 目と鼻の先。襲撃があれば、問題なく気づける距離。通常ならば。


 目の前に居るのは、間違いなく先に戦った巨猪よりも手強いだろう相手。

 しかも現在、自分の身体能力の変化を完全に把握出来ていない。

 七海達に気をかける余裕は、最悪だがそれほど無い。


 雛という実力者は居るが、レッサーならともかく、目の前のヴァンパイアクラスは分が悪すぎる。

 刀を持っていれば俺が行くまで時間を稼ぐ事くらいは出来るだろうが、あいにく得物は金属バット。


 逃げるという選択肢は無い。

 ヴァンパイアロードとかいう奴か、それともその部下かは分からないが、夜月達のいた旧世界の法則では無い何かで、監視されている可能性が非常に高いからだ。


 つまりは、不調な状態で、敵を正面から速攻で、尚且つ大怪我を負わずに、勝利しなくてはならない。

 気が滅入る。

 それでも七海という存在の為には、やらねばならない。


 夜月は腹を括る──



 ◆◆◆



 ──刹那、溶けた。


(っ!!!)


 夜月に対して最大の警戒をしていたヴァンパイアは、加速する思考の中で、そう感じ取った。


 視覚から入ってくる情報は、しっかりと目の前の夜月の外郭を捉えて離さない。

 しかし、夜月の気の流れを感じ取っていたヴァンパイアには、大気中に溶けていくかの様な異常な気の流れがイメージとして、視覚に映しだされたのだ。


(──不味い!)


 咄嗟に意識を集中させる。

 生前ならば臭いでかぎ分ける事ができた。しかし、死んでヴァンパイアとなった以上、獣人として驚異的な嗅覚は死に、並みの人間クラスに落ちている。それは聴覚にも言える事。


 故に、溶けたという明確で鮮明なイメージが視覚に出力され、更には気配が自然と同化し、「個」を感じとる事が出来ない以上、ヴァンパイアに夜月を捉える術は──無い。


「ぐっ!!」


 気づけば夜月の拳が鳩尾にクリーンヒットしていた。

 衝撃が、ヴァンパイアの身体を剛槍の如く貫く。

 拳の延長線の背中では、大気が爆発した。


 痛みを感じる神経など、既に忘れ去られた肉体である筈。

 しかし、インパクトの瞬間だけ研ぎ澄まされ秘められた殺気が、否応無く過去の記憶から痛みを呼び起こす。


 バキメキッ!

 肋骨、背骨、内蔵共に、身体の内部でミックスされる音を聴きながら、ヴァンパイアは足に力を込めて何とか後方へ逃げる。


「っ!!」


 とはいえ隙だらけの現状で、追撃が無い訳が無い。

 あらかじめ抜かれていたダガーが、飛来する。


 幸いな事に、気配は戻っているので、敵は捉えられる。

 死体である身体の関係上、内部をメチャクチャに破壊されても何とか行動は出来る。

 飛来する二本のダガーを身を捻り、刀で弾き、ギリギリで凌ぐ。


 アスファルトが仰向けに倒れた背中を擦る中、体勢を建て直そうする。が、背骨が折れていて四肢に力は入っても、起き上がる事は出来ない。


 そして目の前、つまりは真上には──溶けて削られた黒い靴底が迫っていた。


 降り下ろされる靴。

 体重を完全に集中させたその踏みつけは、大鎚の一撃よりも遥かに威力がある。


 反射で刀を持ち上げ、棟に手を添えガード。

 激突。

 思った通り、いやそれ以上の凄まじい重圧が、両腕に強烈な負荷をかける。

 吸血鬼化していない状態、人間よりも遥かに優れた身体能力を保有する獣人でも、防ぐのは難しい。

 しかし今は大幅に筋力が上がった吸血鬼。背骨が砕け腕力しか使え無くとも、なんとか防いだ。


(??)


 夜月としては、防いだ事に驚きは余り無い。

 それ以上に、何で刀が折れないのか、それが疑問だった。


 名家に使えている以上、鑑定眼はそこそこある。

 目の前の刀は確かに名刀と言って良い一品。

 しかし、強烈な自分の踏みつけを防げる程の強度は感じられない。


(ちっ)


 またしても意味不明な事に、内心舌打ちしながら、一度足を持ち上げる。

 拮抗していた力を空かされ、ヴァンパイアの方は腕が流れる。


 その隙を狙って再度足を降り下ろす。

 ヴァンパイアは驚異的な反射と、流れた力を強引に引き寄せる腕力で、再び刀を戻すが、


「ぬっ!」


 今度降り下ろされた場所は、腕。

 反射的に急所に刀を持っていってしまった為に、防御が遅れる。


 ボキボキボキッ!

 腕が踏み潰される。

 折れた骨の破片が内側から肉を破り、ドロドロの赤黒い血が吹き出す。


 夜月は再び足を上げる。

 ヴァンパイアは折れた左腕に構わず力任せに刀を振った。

 技でもなんでも無いが、ヴァンパイアの筋力と名刀の切れ味が、普通の人間程度を軽く両断する威力を発揮する。


 もっとも、目の前にいるのは普通の人間などでは無いが。

 力任せの一撃に対し、視線を向ける事も、上げた足を地に付く事も無く、グローブのガードを棟に添えて、意図も容易く受け流す。


 流された刀を限界以上の力で引き戻すが──すでに足が踏み降ろされていた。


 踏み下ろされた足は、頭蓋と脳をぺしゃんこに破壊して、その先のアスファルトから硬い感触を返される。

 振られた刀が最後の悪あがきの様に、力に従って夜月に向かう。が、夜月は一瞥しただけで、片手で受け止める。衝撃は、無い。力はとっくに消えている。


 死んだ。いや、すでに死んでいたのだが、LPは全損した筈だ。

 少なくともレッサーヴァンパイアは、頭を破壊されれば光となって消えた。


 しかし敵はヴァンパイア。

 夜月は受け止めた刀を捨てて、すぐさま距離を取る。

 光の粒子になるまで敵への集中は解かない。もちろんだが、周囲への警戒も怠らない。勝利直後は一番狙われやすいし、元々敵が一人なんて思ってもいない。


 ヴァンパイアで最初に想像するのは血を吸う事だが、それと同じくらい再生能力が頭に浮かぶ。

 頭も内蔵も背骨も完璧に破壊したが、敵が未知である以上、ここからの再生もしっかりと考慮しておくべきだ。


 ただし、今回は問題ない様だったが。



 ◆◆◆



 ヴァンパイアが幻想的な光の粒子となって、宙に溶けていくのを確認し終える。最後に三つのドロップを終えたのを確認した。


 俺は周囲の敵と、すぐ近くに居るナナ達に気を配る。

 どうやら敵はいない様だ。


 俺は、薄汚れた煉瓦タイルのマンションの壁に少し体重を預けて、最後にもう一度周囲を確認する。

 ゾンビもオークも人間も、誰も居ない事を確認して、一瞬だけ気を抜く。


 ──ふうぅぅぅ。


 ピンと張った緊張の糸が緩んでいく。

 肺が新鮮な空気受け入れて、気力が戻ってきた。


 ハッキリ言おう──ヤバかった。


 端から見たら俺の完勝に見えるかもしれないが、間違いなく辛勝だ。

 最初の一撃で仕留める筈が、動き出して気配が通常に戻った刹那に反応されて、急所(あたま)への攻撃を断念させられた。


 気配を周囲の自然と同調させる秘奥【(から)

 遮断した訳では無いので、探っても無駄。

 この業は、カメレオンが周囲の色と同化する様に、自然の気の流れに自信の気を合わせる。

 視界に映っていても、決して認識出来ない。


 だがしかし、俺はこの業を完璧に使える訳じゃ無い。

 使えるのは一瞬、一秒にも満たないし、更に言えば動けば簡単に乱れて終わる。

 この業を持続させて動ける師匠は、もはや仙人の類いだろう。


 その未完成のせいで一撃で仕留められなかった。

 まあ、ほとんど決まったも同然だったけど。


 実力が伯仲すれば戦いが長引く──なんて事はほとんど無く、同程度ならば一瞬の隙で戦いは決まる。

 隙を見せた一瞬の内に、叩き込まれ、追い込まれる。ゲームじゃ無いんだ、ターンなど無いのだから当然だ。


 故に勝ったが、あの業で隙を作れなかったらかなり面倒な事になっただろう。

 剣士としての力量は、間違いなく雛よりあったし。

 実際勝率は50%だったと思う。崩れた一瞬を逃さなかっただけで、辛勝なのだ。


 抜けた気を引き締め直し、アイテムを回収しにいく。

 今回も、あの巨猪同様に三つだ。


 コウモリの紋章が刻まれた宝箱。巨猪の物より少し小さいサイズ。

 アイテムの入っている袋には長細い箱が入っている。一メートルは越えている箱だ。

 お金は61S。うはうはだ。


 ここで空けるのもなんだし、何より早いところ戻らなくては。

 storageにしまっていく。


 その後、飛ばしていた文章の確認に移る。


《ヴァンパイア・ワービーストlevel31撃破!!

 exp:291

 bonus:【大物撃破(ジャイアント・キリング)(無傷・単独)+200%】【先駆者+10%】

 total-exp:901》


《level-UP!!

 level10→level11

 BP10を獲得。振り分けますか?yes/no》


 わお。

 しかしこれくらい手に入らないと、割りに合わない相手だからな。ぶっちゃけ、二度と戦いたくない。

 というか、たった一夜でlevelが二つ上がるとは。

 とりあえず、振り分けよう。


《name:神崎夜月/人間

level:11

exp:3487

title:【先駆者(パイオニア)


energy:[LP・216][MP・116][SP・214]

physical:[STR・80][VIT・60][AGI・110][DEX・110]

magic:[M-STR・62][M-PUR・56][M-RES・99][M-CON・51]


skill:[格闘・Ⅸ][短刀・Ⅸ][暗器・Ⅷ][投擲・Ⅷ][杖・Ⅵ][拳銃・Ⅶ][狙撃銃・Ⅴ][気功・Ⅷ][軽業・Ⅸ][気配察知・Ⅷ][気配遮断・Ⅷ][罠察知・Ⅶ][調合・Ⅴ]


tolerance:[苦痛・Ⅹ][恐怖・Ⅸ][混乱・Ⅸ][支配・Ⅸ][魅了・Ⅷ][毒・Ⅴ][病気・Ⅴ][雷・Ⅲ][炎・Ⅰ]


ability:【思考加速】【冷徹】【超回復】【超抗体】【武の力】【頑強】【柔の力】【剛の力】【羽の力】【潜む者】


party:【NO NAME/3】

guild:》



なんか、まともとは言えない戦闘シーンだった。まともと言える戦闘シーンは今後……あるのだろうか?夜月君の性格上、少し難しいかも。


【大物撃破】:levelが20以上離れた敵に勝利する。チームの場合は、一番高い者のlevel。

【特殊個体撃破】:ユニークモンスターを討伐する事。


ちなみにヒートスタンプボアのphysical値↓


[STR:192][VIT:202][AGI:166][DEX:88]


ヴァンパイア・ワービースト↓


[STR:162][VIT:102][AGI:167][DEX:122]


こんな感じ。

夜月が同等に渡り合えたのは、skillが高いからです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ