表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

4.ユースケ

 よくオヤジに言われるんだ。


 昔はよかった。街は明るかったし、人の流れも多かった。

 毎日、最新の商品がスーパーやコンビニに陳列されて、色とりどりの服がショッピングモールに飾られていた。

 夜だって明かりがてかてかと輝いていて、よく遊び歩いたって。


 それで酒飲んで、ひととおり酔っ払うと必ず、お前たちはかわいそうだ。って言って泣き出すんだよ。

 まぁ友達の中には同じように酔っぱらうと必ずぶん殴られる奴もいるから、それに較べると百倍マシだけどな。


 正直、よくわからないんだ。俺たちが幸せかどうかなんて。

 俺が生まれた頃にはすでに街は閉鎖されてて、外の世界がどうなってるかなんて知らないんだから。

 そりゃ、違法ネットに繋げば、ある程度のことはわかるよ。

 20年前にどれだけ酷いことがこの街で起こったのかは、学校でも習ったし、よく知っている。


 あのときのことを、ネットにあがってたハリウッド映画で見たけど、CGがすげーなぁっていう感想しか浮かばなかった。まぁ、あれって元々、3D映画として公開されたみたいだから、それ見ないとわかんねーんだろうなぁ。

 でも津田沼には映画館ないからな。まぁあっても配給会社がここに来るわけねーけど。


 あっ話がそれちゃったな。

 とにかく、俺が何を言いたいかというと、昔と比べるのはやめてくれって話なんだ。


 確かに今の時代は大変だぜ。俺の友達もクラッカーに何人も殺された。

 俺だって明日どうなるかなんてわかんねぇ。でも、だからこそ今を一生懸命リアルに楽しみたいんだ。


 今、楽しい事? 週末に仲間と外でキャンプすることかな。

 実は闇ルートとパイプがあって、うまい肉が定期的にもらえるようになったんだ。


 オーストラリア産のステーキ肉なんだけど、やっぱうまいんだ。

 それと引き換えに俺たちは津田沼産の金属とか、薬草を取引の材料にしてるんだ。


 調べてみたら、20年前は生えてなかった草とかレアメタルが結構、生えてるらしんだ。

 それを仲間といっしょに発掘してネットで情報を流してたら、ほしいってやつが結構いて、いい小遣い稼ぎになるよ。

 

 もちろんそういうものはイリーガルな物件だから、表向きは存在しちゃいけないらしいけど欲しい奴は欲しいみたいなんだ。あと、よくわかんないけど体によくない放射線みたいのも出てるんじゃないかって心配されるぜ。

 別に俺たちは平気だし、そんなことよりも、明日クラッカーに食われることの方がはるかにヤバい問題だと思うけどな。


 つまり、まぁ、あれだよ。

 俺が何を言いたいかというと、諦めるな! ってことなんだよ。

 どんな時だって、うまくやる方法なんていくらでもあるんだから。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ