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第五十八話 始

12月…ウィンターカップもいよいよ本選が開幕した


優勝筆頭候補として四神強を率いる4校が挙げられている


星栄工業高校(秋田)


桜泉高校(東京)


新凌大高校(福岡)


白秋東高校(広島)



各4チーム県は別々であるが

その県では何年もIHに出場している


元々強豪であったが四神強の誕生により新たな強さを増した

中でも星栄工業は去年のWC決勝で黒禅高校に敗れたが

今年は優勝奪還を目指し奮闘している


会場に黒禅高校の佐々木と鈴木がきていた

2人とも既に引退をしており受験勉強に勤しんでいたが

今日は息抜きも兼ねての試合観戦だ


「あの4チームの中じゃ、星栄が一つ飛びぬけてる感じだな」


鈴木は星栄のアレックス・ベルの身体能力の高さに今もまだ驚愕しているままだ

跳躍時間が常人を超えている


「どうだろうな…俺だったら白秋東が飛びぬけてる思うぜ?」


白秋東高校…4チームの中では唯一IH優勝経験が無いチームだ

      最大の武器としては機動力であり

      速攻を得意とするチームだ



「それに白秋東にはあいつがいるだろ…俺達も危ないぐらいだったぜ」


「そうだな、この4チームならどこが優勝しようがおかしくないということだ」



四神強同士の衝突は最早誰もが予想できない

今年のWCも四神強率いるチームが主体となるだろう…



「しかし…こうしてみると。俺達はもう一緒に試合はできないんだな…。」


IH決勝で敗れ悔しさを滲ませながら話す鈴木

佐々木は視線をコートに向けたまま

低いトーンで話した


「なぁ鈴木、俺のキャプテンとしての最後の頼み聞いてくれねぇか?」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーー



WC本選から少し前に時間を戻します



「おいおいおい!」


体育館で怒声を上げる扇田

今日もいつも通り練習を始めようとしていたが


「扇田さんって前世ライオンとかですかね?」


夏川が辛辣なツッコミを入れる


「どういう意味だオラァ!!!」


夏川を追いかけ回す扇田

必死に逃げる夏川、丁度アップ程度になっていいのかもしれない


「扇田さん、どうしたんですか?」


景峰が長西に質問をした

扇田のことなら長西さんがよく知っているのは

メンバー全員が知っていた



「あれやな…新監督のことでアイツは心配なんやろう」


「そういえば、まだ新監督きませんよね…」


川島が退職してから1ヶ月が経ちいつの間にか11月に

今は優華ちゃんがマネージャーをしながら監督の役割をしてくれている

さすがに、それじゃあ負担が掛かる


「噂によると、もう学校には来てるらしいっすけどね」


門松の情報屋も裸足で逃げ出すぐらいの情報の広さだ

一体何時もどこからこの情報を仕入れてくるのか

未だ誰もわからないままだ…


「そろそろ来てくれへんと、練習試合もできひんからなぁ」


「それか、まだ新しい監督が見つかってないとかですかね?」


一番最悪の事態とも言えるのが監督の見つからないまま

この人数であれば廃部ということもあり得る


「ええ…それじゃ早く見つけないとねー」


大宮さんが思わず声を漏らした

あの強豪と呼ばれる京都帝常高校から転校してきてくれたのからである


「神崎ー何も聞いてへんかぁ?」


長西さんが現在監督でもある優華ちゃんに声をかけた

未だ景峰とは話したりはしていない

あの事件以来目線を合わす事すらしていなかった


早くあのことを謝らなければと考えていた景峰だが

気まずくて立ち止まったままであった



ボトルに水を入れに行っていた優華ちゃんが首を傾げ


「えー?今日来るはずですよー?」


『!!!!?!?』



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーー



「待て待て夏川ァァァァァ!!!」


学校の廊下を練習着で全力疾走する夏川と扇田

他の生徒からは痛い目で見られているが

今はそんなことを気にしている場合ではない


(はぁっ…はぁっ…あの人…何時の間にあんなにスタミナが…!?)


以前の扇田とは見違えるほどの持久力が着いていた

本人は誰にも行っていないが練習が終われば毎日のように

河川敷を走りこんでいた


2人は20分ほどグルグルと廊下を走り回っていると

廊下の角を曲がろうとした時夏川が誰かとぶつかった


「いっ…!」


夏川が吹っ飛ばされその場で尻餅をついた

目の前に立っていた男は坊主で黒いレンズのサングラスをしており

何よりも身体つきがボディビルダー並みであった


「おっと悪いな…けど廊下は走るもんじゃねぇぜ?」


尻餅をついている夏川に手を差し伸べた

素直に手を掴み立ち上がった


「ありがとうございます…」


遅れて扇田がその場に着いた


「見つけたぞなつか…あん?」


扇田と同じぐらいの背丈だ

190cm程の高さで扇田よりがっちりとしたガタイであった


「あんちゃんもこの子と走り回ってたのか?」


「あ、あんちゃん!!?」


ど、どこの田舎モンだと思いつつ黙って頷く扇田

男は顎に手を当て何かを考えているかのようだ



「そうだな、ぶつかった謝礼として…」



(扇田さん…これ俗に言う当り屋ですよ…)


ヒソヒソと扇田に声をかけた夏川


(だ、大丈夫だ俺が何とかしてやるよ)


口では言いつつも男のガタイを見て

あっさりと自信をなくしている扇田



「死神バスケ部の部室を教えてくれねぇか?」



『え・・・・?』



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