第四十六話 VS北之木高校⑥
IH決勝…新たなら王者が誕生した
星栄工業が見事に黒禅高校を下し優勝した
前半こそ黒禅がリードしていたものの
後半についにベルが爆発し得点を重ね逆転勝利
そんな衝撃的な試合があった中
死神バスケ部も激戦を繰り広げているはずだが…
第3Q…65VS71
光飛高校が6点差を追っている展開だ
一度第2Qの途中でベンチに下げた小幡氷が
第2Q後半で大暴れをし開いてあった点差は何時の間にか逆転に
そして第3Q終了のブザーが鳴った
各チームベンチに戻り作戦を練り直す
「くそっ!!俺達勝ってたんだぞ!」
興奮状態を抑えることができず怒声を上げる扇田
全てはあの小幡氷のオフェンス力により点を取られる
「次のQからは真一が抜ける…門松準備はいいな?」
「うっす」
「けど、こっちが点取ったとしても差は中々縮められへんやろ…」
「俺とあいつで1on1やらせてくださいっす」
門松の目線の先には小幡氷がいた
この試合を支配しているのは小幡と言っても過言ではない
「せやけど小幡の突破力は」
「いえ僕は門松で賛成です…」
景峰が門松の肩に手を置き話を進める
「僕と門松で必ず逆転してみせます!…(言いすぎたかも)」
当然メンバー全員が驚いた表情になり、けど仲間だからこそ信頼もできる
やれやれと言った表情を浮かべた長西がにやりと笑みを浮かべ
「よっしゃ、それやったらお前等のサポートは俺と扇田に任せろ」
「お・・おう!リバウンドは任せろ!」
「僕も全力でアシストします…」
この試合の大事さはチームの全員が分かっていた
だからこそ死にもの狂いで勝たなければならない
どれだけ点差をつけられようが諦める事なく死神のように
そして最終Q開始のブザーが鳴る
ベンチでは川島と真一が
「どうだ試合の方は?」
「まぁちょっとブランクもあって動けなかったけど…悪くはないな」
「真一さん怪我は大丈夫なんですか?」
マネージャーの優華ちゃんがタオルを真一に手渡し
「あぁ怪我の方は今は全く問題ない…」
(…このQで全てが決まるが何か起こりそうな気がするんだがな)
川島の心に中に違和感が未だ残っていた
光飛高校のエンドラインからのスローで始まる第4Q
「よっしゃこのQもよろしく頼みますよ先輩方!!」
小幡が元気よく声をかける
「相変わらず元気だな氷くん…気だけは抜くなよ」
「抜く訳ないじゃないですかーまたアイツも出てきたみたいですし」
にやにやと笑みを浮かべた小幡の視線の先には門松が
光飛高校からの攻撃で始まる
PG夏川がボールを運びハーフラインを越えた辺りで門松にパス
「おっ…アイソレーションか?」
中心には門松と小幡だけが陣を取っている
他のメンバーはコートの端側に寄っている
正真正銘の一年生対決だ
ゆらゆらと受け取ったボールを動かす門松
(右か?左?)
が、全く抜く動作すらせずにシュートモーションに入った門松
ほんの僅かに油断をした小幡は遅れながらも必死にシュートコースに飛びつくが
3点ラインよりほんの少し離れた場所からボールを放した
綺麗な放物線を描きボールはネットに収まる
「うおおおおお!!ナイスだぜ門松オラァ!!」
扇田と門松がハイタッチを交わし
この試合を見ていたもの全員が今のプレーを見て感じた…
動きが滑らか過ぎる
「氷くんぼーっとするな!」
「は・・はい!」
小幡が受けたダメージは大きかった
いかに油断をしていたとは言え半歩分は詰めていたはずなのに決められた
(今のプレーで分かった…あいつも天才だ…!)
点を取られた北之木ボールから始まる
ボールを小幡中に集めるが・・・
パシッ!
「なにっ!?」
小幡にボールが手渡された瞬間門松がスティールしそのままフリーでレイアップを決める
あの小幡がターンオーバーをされたのだ
仲間と手荒いハイタッチを交わしている門松を凝視したまま
「あいつ…何で…」
「氷くんぼーっとするなと言ったはずだぞ?」
「すいません…」
今小幡は動揺状態に陥っている
北之木は小幡がいなければほぼオフェンス力は皆無に等しい
それに一早く感づいた長西が景峰の傍に寄り
「どうしました長西さん?」
「残りの時間で差をつけるにはお前の力が絶対に必要や」
今日の景峰は決して調子は悪くない3P6本を決めて
FTも全て成功している
「俺がお前をアシストしたる…頼むで」
「は…はい!!」
あーすいませんまだ続きそうです…