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第73話 カエサルによるローマ帝国の誕生

第二次ポエニ戦争と名付けられたこの戦いを契機にローマ軍は数十年かけて領土を広げた。

カルタゴから西へ進み、イベリア半島に出るとカルタゴノウァを滅ぼし、そこから東へ進み「ガリア」を落とし、さらに東へ進み「シリア」を落とし、そして「エジプト」を陥落させた。

ローマを起点にひらがなの「の」の字をなぞるように、広大な領土を広げた。

しかし、取得した領土のほとんどは貴族の間で分配され、何も持たない平民との間に、大きな格差が生まれてしまった。

平民たちの不満は爆発し、あちこちで暴動が起きるようになってしまった。

見るに見かねた()民官(みんかん)(平民を保護するローマの公職)の「グラックス兄弟」は、平民に土地を分け与えるよう元老院(げんろういん)に請願したが、元老院の執拗ないじめにあい、自殺に追い込まれてしまった。

この事件を機に平民は益々暴動を起こすようになってしまったため、元老院も見過ごせない状況になってしまった。

彼ら平民を鎮圧するために傭兵を雇い始め、さらにパン等の食料の無償提供、さらに剣闘士による決闘などを平民に見せることで、平民のご機嫌取りに躍起になった。

いわゆる「パンとサーカス」である。

元老院たちの傭兵も数を増し、統率する者が必要になり「ポンペイウス」が任命された。

平民たちも黙っていたわけではない。

平民たちも同じように傭兵を集め、元老院の軍に対抗できるまでになった。

そして、その統率者に「カエサル」が選ばれた。

だが、この平民が集めた傭兵は法律上、元老院の指揮下にあることから、平民を擁護するといっても、制限が多かった。

そんなある日、ポンペイウスはカエサルに近づき、

「平民の実情は理解している。これからは君に協力していきたい」

しかし、それは元老院たちの巧妙な罠だった。

さらにポンペイウスは、

「このローマのために領土広げないか? 私はシリアを取りに行く。君はガリアを取りに行ってくれ。元老院には、私から伝える」

元老院の直接の命令ではなく、ポンペイウスからの間接的な命令だったが、カエサルは20万の大軍を引き連れてガリアに向かった。

カエサルはとんでもなく強かった。

瞬く間にガリアを征服して元老院に報告した。

だが、元老院から、

「反逆者カエサルよ。お前は元老院の許しもなく、勝手に我が軍を動かした。よってローマにおいてせん議いたすゆえ、直ちに軍を解散し、ひとりでルビコン川(国境)を渡って来るように……」

カエサルはポンペイウスの策略に激怒したが、ルビコン川を目前にして思い悩んだ。

当然、ローマにひとりで赴けば、間違いなく殺される。

だが、兵を連れて行けば、ポンペイウスと戦争になり、多くのローマ市民を巻き込むことになる。

どうする…… 明け方まで悩んだカエサルは、

「賽は投げられた。我々は後戻りできない。ポンペイウスを全力で倒すのだ」

読みが外れたポンペイウスは弱かった。

圧倒するカエサル軍の前にエジプトまで逃げるありさまだ。

その後、カエサルは「終身独裁官」を名乗り、元老院から執政権を奪った。

そんな元老院たちが黙っているわけがなかった。

カエサルが信頼していた腹心の「ブルータス」を手なずけローマのためにカエサルを暗殺するよう仕向けた。

そんなことになっているとは知らないカエサルは、丸腰で元老院の会議に赴いた。

その入口でブルータスに刺された。

それを合図に数人の元老院が刺した。

青息吐息のカエサルはブルータスへ、

「ブルータス、お前もか? お前だけは信じていたのに……」

の言葉を残してこと切れた。

この事件によって元老院は、再び執政権を奪えると思った。

しかし、平民を中心にあちこちで反乱が起こり、その度に軍は出動したが、カエサルがいた時のように統率はとれなかった。

やがて、人々はカエサルに代わる統率者を求めるようになり、カエサルの姪の息子である「オクタヴィアヌス」が初代ローマ皇帝になり、これ以降ローマは帝政になった。


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