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第67話 イツセの戦死
目の前に煌々と輝く天照大御神に向かい、船を走らせるイツセとイワレビコは感慨に浸っていた。
17年である。
3百艘に増えた軍団は、ようやくナガスネヒコが待ち構える浪速までたどり着いた。
総員戦闘準備に取り掛かろうとしたそのとき、雨のような矢が飛んできた。
戸板で矢を防ぎ、反撃に出ようとして、陸地を見たら、背丈が6尺(182センチ)もある大男が、弓の弦を目いっぱいに引いている姿が目に入ってきた。
ナガスネヒコである。
やがて、彼の矢はイツセの肩に命中した。
このままでは、全滅の危機に瀕してしまうと悟ったイワレビコは一旦、淡路まで退去した。
矢を抜いても血が止まらないイツセは重症だった。
イツセはイワレビコを呼び、
「俺は大変な間違いを犯した。天照大御神に仕える我々が、天照大御神に向けて矢を放とうとしたのだ。俺がこうなるのは当然だ。イワレビコ。お前にこれをやる。曾祖父のニニギ様から伝わる、八尺瓊勾玉だ。これは天照大御神をお祀りする神主の証拠だ。いいか、これをもってヤマトの東へ回るのだ。よいかけっして焦るな。きっと天照大御神のご加護があるはずだ」
イツセは息を引き取った。
大泣きに泣き崩れたイワレビコは、まだ温かいイツセの胸にヤマト攻略を誓った。




