第65話 神武東征
やがて二人が成人するころウガヤフキアエズは九州を統一していた。
そして、二人の兄弟を呼んで、
「イツセ、そしてイワレビコ。お前たちに話がある。お前たちの曾祖父ニニギは、元々、はるか東の国、日高見国の鹿島で長をしていた。そして、兄君のニギハヤヒは香取で長をしていた。ある時、秦国から徐福というものが来て、ニニギとニギハヤヒに対して倭国統一を提案した。二人は提案に乗り、ニニギは九州を平定すべくこの地へ来た。そして、ニギハヤヒは出雲攻略へ向かった。その後、どちらも成功して倭国を統治したが、出雲を統治したニギハヤヒの子孫の『ナガスネヒコ』は、自分たちが倭国の統治者であると公言し、内外に言い広めている。これは由々しき問題だ。元々、日高見国の長は鹿島を治める我々ニニギの子孫であるはずだ。お前たち、これからナガスネヒコのいるヤマトへ攻め込み、この倭国の統治者となるのだ。ワシはいまだ従わぬ熊襲(鹿児島)の民に備えねばならん」
数ヶ月後、イツセとイワレビコは豊前(大分)の宇佐に向かった。
兵を整え、訓練をするためだ。
一年の時が過ぎ、二人の一行は筑紫(福岡)に立ち寄った。
九州の西側の兵と合流するためである。
さらに一年が経過して、兵は一万に増えた。
二百艘の船で瀬戸内海を東へ向かった。
そして、最初に抵抗してきたのは安芸(広島)の宮島を拠点とする海賊集団だった。
彼らは瀬戸内海を行き来する船を襲いかなりの富を得ていた。
イツセは戦いを避けたかった。
彼らに兵糧の一部を提供することで、通してもらうように頼んだが、彼らは、兵糧のすべてを要求した。
交渉が決裂したイツセとイワレビコは、仕方なく戦うことにした。
彼らは強かった。
船上での戦いになったため、戦いなれている彼らに分があった。
戦闘は7年に及んだ。
最初は劣勢だったが、だんだん慣れてきて最後は、彼らを従わせることができた。




