第40話 八十神たちの逆恨み
面白くないのは八十神たちである。八十神たちは帰り道、大国主に向かって、
「この坂はよく大猪が出るのだ。ここを通る人たちのために退治しようじゃないか。俺たちは坂の上から猪を追い込むから、ここで受け止めてくれ」
真面目な大国主は指示に従った。
だが、八十神たちは、大きな石を赤くなるまで焼き、坂の上から大国主めがけて転がした。
坂の下から見ると、焼けた大石は猪が突進してくるように見えた。
大国主は止めようと前に立ったが、当然のことながら石の下敷きになって死んでしまった。
知らせを聞いた大国主の母は、遺体を天上界の「カムムスヒ」のところまで運び、生き返らせてもらうよう懇願した。
カムムスヒは二人の女神に命じ、大国主を生き返らせた。
出雲へ戻った大国主を見た八十神たちは驚いた。
不死身である大国主を殺しても仕方ないと諦めればよいものを…… こりもせず狩りに誘って、
「大国主。あの倒木の下にウサギが倒れている。取ってきてくれ」
大国主は、倒木の下にもぐりこむと、八十神たちは仕掛けてあった楔を引き抜いた。
大国主は大木の下敷きになり息絶えた。
知らせを聞いた大国主の母は、繰り返される八十神たちの嫌がらせに絶句した。
再びカムムスヒの下へ連れてゆき、蘇生させたが、このまま帰れば同じことが繰り返されると思い、須佐之男が住む、地の底、「根之堅洲国」へ行くように提案した。




