第13話 サウル・ダビデ・ソロモン
40年が過ぎていた。
モーセの一行はカナンの地へたどり着いた。
そして、ヤコブの息子12人から続く12支族で開拓に励み、カナンの地はイスラエルと名付けられ、大いに栄えた。
だが、栄えれば栄えるほど、侵略してくる他国に悩まされることになった。
部族長たちは話し合い、王を立て、軍隊を作って国を守ろうと決め、サウルが初代王となった。
サウルは侵略してくるペリシテ人に対し連戦連勝を極めた。
しかし、サウルは傲慢になり、神の戒めを破り、祭司しか捧げることができない生贄を捧げてしまった。
サウルは神の怒りをかい、ペリシテ人との戦いに敗れてしまう。
ペリシテ人は大男ゴリアトを従え、総攻撃を仕掛けてきた。
イスラエル存亡の危機である。
これを救ったのは、なんと少年ダビデだった。
ダビデはゴリアトと対峙すると、細長い布に石を包み振り回してゴリアトの目に当てた。
予期せぬ攻撃に慌てたゴリアトは体勢を崩し、後ろ向きに倒れた。
すかさずダビデはゴリアトの首を切った。
大将級のゴリアトを失ったペリシテ人は戦意を消失し敗走した。
ダビデはサウルに代わって王になり、イスラエルはさらに栄えた。
ダビデ王の子ソロモンが王になって4年が過ぎたころ、エルサレムに神殿を作り始めた。
レバノン杉をふんだんに使い、金銀をあしらった巨大な神殿にモーセのころより伝わりし、アロンの杖、マナの壺それに十戒の記された石板の3種の神器を納めたアークを安置した。
ソロモン王は賢かった。
その噂は周辺の国々へ広まり、国の運営を相談する国家元首の訪問が相次いだ。
イスラエルの南、シバ(イエメン)の女王もその一人だった。
女王は、国の運営を相談するというより、ソロモン王の賢さを試すために訪問したという方が正しい。
女王は船に金200キカル(6.84トン)の他、宝石や香料をたくさん持って、紅海を北上した。
ソロモンに謁見したシバは、立て続けに難しい質問を投げかけた。
しかし、ソロモンは、次々に的確な答えを出した。
噂は本当だった。
賢いばかりか凛々しくて優しい。
しかも、みてくれが抜群に良かった。
シバはソロモン王に対して尊敬を超えた恋心が生まれた。
それは、ソロモン王も一緒だった。
ソロモン王は完全にシバの女王を信頼し、
「万が一、イスラエルが滅びるようなことがあれば、アークを預かってほしい」
と頼んだ。
そのような頼みが杞憂に思えるくらいイスラエルは栄えたが、ソロモンが迎えし他国の妻に偶像崇拝を許してしまったため、神の怒りをかい、ソロモンの死後イスラエルは南北に分かれてしまった。
南にユダ一族とベニヤミン一族。
そして、残り10支族は北にイスラエル王国を建国した。
だが、今から約1300年前(紀元前722年)、隣国のアッシリアに攻め込まれ、イスラエル王国は崩壊してしまった。
残った南の2支族のほとんどがユダ族であったことと、ダビデ王とソロモン王がユダ族であったため、これ以降、イスラエル王国の一族も含めてユダヤ人と呼ばれるようになった。
イスラエル王国の10支族は国を追われ、世界各国へ離散した。
しかし定住できる土地はなくともユダヤ人の我々には信じる神がいる。
子々孫々この信仰だけは伝えねばならない。
秦一族もこの10支族のうち、レビ族と聞いている。
レビ一族は商人になり東を目指した。




