第10話 ヤコブ
イサクは成人し、妻をめとりヤコブが産まれた。
ヤコブが青年のとき、天使と相撲を取ったことがある。
天使に勝ったヤコブは天使から、
「お前は今日からヤコブではなく、イスラエル(神と闘う人)と呼ばれる」
と天使から賞賛された。
そして、妻をめとり12人の息子が産まれた。
ヤコブは、12人の息子を連れてカナン(イスラエル)の地へ移り住んだ。
ヤコブは、12人の兄弟の中で下から2番目のヨセフを可愛がった。
ヨセフは、心優しく純真であり、12人の兄弟の中でただひとり、夢によって神の声を聞くことができた。
それゆえ兄たちからは疎まれた。
ある時、シケムの町まで出かけると言って、ひと月も帰らない10人の兄たちをヨセフは探しに行った。
兄たちはすぐに見つかった。
家で羊飼いをするより、町で働いた方が金になるので中々帰れないということだった。
一応、ヨセフを歓待してくれたが、ヨセフが夢の話をしたとき、兄たちの態度は一変した。
「昨日、不思議な夢を見たんだ。大空が真っ暗になり、やがて11の星が輝き、次に月が出て、最後に太陽が出て、それらすべてが僕にひれ伏すんだ」
太陽は父であり、月は母だ。11の星とは、我々のことだと解釈した兄たちは激怒した。
「なぜヤコブ一家すべてが、お前を王としてひれ伏さなきゃいけないんだ。ふざけるな!」
「違うよ。僕はただ昨日見た夢を正直に話しただけだよ。僕が王になる訳ないじゃないか」
それでも怒りが収まらない兄たちは、こともあろうに、通りかかったエジプトの商隊へヨセフを売ってしまった。
数日してヨセフが、エジプトの商隊へ売られてしまったと知ったヤコブは嘆き悲しんだ。




