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10.編集部

編集長とのやりとりを全て伝えることにより、結局同居は三ヶ月の期間限定で話はまとまった。

お互いの呼称はさんづけですることになった。

木村が漫画家デビューしてないのに先生呼びは嫌だと固執したからだ。

木村は見た目によらずどこでもねれると言い張り居間の床で寝袋で寝だした。

二人の同居が始まった。


朝起きると味噌汁の匂いがした。

「おいしそー」

テーブルにはじゃがいもの味噌汁と出汁巻き巻き卵が出てきた。

「どうぞ」

「では、いただきます」

できたての朝食。相変わらず味は抜群だ。

こういう朝が続くと危ないな、柚月は思った。


「おはようございまーす」

翌日、西岡はめずらしく遅れて出勤した。

「昨日電話予約した最中回収してから出勤したんだよ。ほら、こっちの最中は編集部に」

西岡は紙袋を柚月に渡す。柚月は紙袋から取り出し編集長や永瀬や鈴木に配る。


編集長も甘党。この編集部は甘党しかいない。

編集長は早速包装紙を雑にペリペリと剥がして最中をとりだしながら鷹揚に西岡に指示をだす。

「西岡、まいと一緒に挨拶してこい。一応担当交代は人のつながりだからしっかりしてこい」

永瀬は疲れたように力無く最中をもらった。

「疲れたときは甘味が効くからな。ここぞに食べるわ」

永瀬先輩もうすでに疲れてる。勤務ははじまったばかりだぞ。今食べたほうがいいんじゃない。


「倒れないように気をつけて下さいよ、永瀬先輩」

力無い声に西岡が永瀬を見て、エールを送る。永瀬は西岡の背中を軽くこづきニヤニヤ笑う。

「俺の心配は大丈夫、それより、ふふふ、西岡。これ、初デートってやつじゃない?」

「違いますから」

「先生たちは柚月のこと娘のように思ってる」

「娘を下さいだな。西岡、苦労してこい」

「あはははは」

編集長と永瀬は黒い笑みをしながら送り出している。二人ともたまに息ぴったりの仲良しだ。


「西岡に苦労ってどう言うことですかね?」

「柚月ちゃんは気にしないで良いのよ。この最中あまったら何個かなべにいれたらぜんざいになるそうよ。多めにキープしたら」

「良いんですかね」

「いいわよー」

鈴木は、何事もなかったように柚月と最中の話を続ける。

「西岡くん、行くみたいよ。一緒に行きなよ」

「待って、西岡。私も行く」

柚月は西岡を追いかけた。

遅くなりましたが。松葉杖取れてるけど足は夕方には腫れます。

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