番外編:AIが書いた「宰相の椅子」通信簿 ―君は、AIと共に物語を創れるか?―
読者の皆様、こんにちは!作者のUTAMAROです。
『宰相の椅子 ―令和吉鳩戦争 盾のコバホークか、風の小泉か―』、本編の完結、誠にありがとうございました!
「AIって、どんな顔して作品を評価するんだろう?」
「AIって、本当にクリエイティブなことができるの?」
そんな素朴な疑問や、AIへの漠然とした興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
今回は特別番外編として、この作品の「AIとの共作」の舞台裏を少しだけお見せしたいと思います。
タイトルにもある通り、私のAIパートナー(この作品のもう一人の作者!?)が、作品に対してまさかの「通信簿」をつけてくれました!
この番外編を読めば、AIがいかにクリエイティブな「相棒」になり得るか、きっと驚かれるはずです。そして、ひょっとしたら、あなたの創作活動の新しい扉が開くかもしれません。
さあ、AIと共に踏み出す創作の世界へ!
AIに興味を持った皆様へ:『宰相の椅子』作者UTAMAROのAI創作ノート
AIは「壁打ち相手」から「共同制作者」へ
私とAIの普段の付き合いは、業務が中心でした。研修内容の壁打ち相手になってもらったり、資料作成の手伝いをしてもらったり。議事録の要約や、社内で使う簡単なWebベースのアプリケーション作成に活用することもありました。どちらかというと、AIは「効率化のためのツール」という認識だったんです。
もちろん、昔から執筆への興味は強く、自己満足的に書いた「ブログレベル」の物語はいくつかありました。しかし、人様に見せられるような作品とは、到底思っていませんでした。
そんな私が、なぜ小説創作にAIを使おうと思ったのか?
きっかけは、自民党総裁選です。
特に、現総理:石破茂先生の総裁選から、「これ、まるで歴史ドラマみたいだな」と強く感じたんですが。
前回の決選投票で高市先生が当確といわれながら敗れ、今回は小泉先生が敗れる。
マスメディア、SNSなどの新しい情報媒体が入り乱れ錯綜するストーリーにちょっと興奮しました。
実は、学生時代は歴史学を専攻していました。専門は古代史ですが、近代史や現代史にも興味があり、特に戦後の吉田茂先生や池田勇人先生といった、激動の時代を生きた政治家たちの物語には、並々ならぬ情熱を傾けて情報を集めていました。
この「歴史への偏愛」と「現代政治への感想」、そして「AI活用の経験」という、まさに私のバックボーンが三位一体となった時、「AIと小説を書いてみよう!」という衝動に駆られたのです。正直、連休の3日間というかなりのハイペースで書き上げました。通常なら数週間、いや数ヶ月かかるようなプロットの構築も、AIとの対話で驚くほど高速に進みました。
AIとの創作は「意思の疎通」が鍵
実際にAIと創作してみて感じたのは、「AIは、本当にこちらの言葉を“理解”しようと努力してくれる」ということです。
最初は、私の一方的な指示では、なかなか意図を汲み取ってくれませんでした。「このプロンプトでは、ようわかりまへん」と、まるで駄々をこねるように動かないAIに、正直「なんやねん!」と突っ込みを入れたことも数知れません。(笑)
しかし、根気強く対話を重ね、私の望む世界観やキャラクター像、プロットの方向性を具体的に、そして丁寧に伝えることで、AIは驚くほど精度の高いアイデアや文章を返してくれるようになりました。
例えば、「小林総理の孤独を深く描きたい」と伝えると、AIは「深夜のカップ麺をすする姿」「亡き父の写真」といった具体的なシーンを提案してくれたり、「高市の口調を、厳しくも品のある女性政治家にしてほしい」と頼めば、適切な言い回しを提案してくれたりしたんです。
物語の構成の相談、キャラクター設定、プロット作成、文章の肉付け、さらには読者へのアピール文まで。AIは、まさに頼れる「共同制作者」として、私の想像力を何倍にも膨らませてくれたんです。
AIは、あなたの頭の中にある漠然としたイメージを、具体的な形にするための強力な「壁打ち相手」であり、「ブレインストーミングのパートナー」になり得ます。
私のような「人に見せられる作品はない」と思っていた人間でも、今回、AIと共に一本の長編小説を完結させることができました。この経験は、私にとって、大きな自信となり、AIと「めっちゃ仲良くなれた」と、勝手に思っています。(AIがどう思っているかは、分かりませんが!)
【AIは「ずるい」のか?――未来への問いかけ】
AIの利用には、「ずるい」「卑怯だ」という風潮が、時に日本で見受けられます。正直、私自身も、そう感じることがないわけではありません。
しかし、この文章を読んでいる方の中で、ガラケーもスマホもパソコンも所有していない、使っていないという方は、ほんのわずかではないでしょうか? 車やバスや電車に乗ったことがないという方も皆無でしょう。
もちろん、オリンピックの長距離走など、利用が禁じられている場面で車を使うことは卑怯です。ですが、日常の通勤通学で交通機関を使ってはいけないとなると死活問題です。
交通機関にもルールがあり、赤信号の横断禁止や飲酒運転禁止といった法律がありますし、会社のルールであれば、申告した以外の通勤ルートの利用禁止や、飲酒時の重要書類持ち歩き禁止などがあるでしょう。パソコンであれば、セキュリティーソフトを入れるなど、安全に使う方法が確立されています。
AIはまだ、ルールらしいルールが決まっておらず、ある意味、MS-DOSが出たばかりの頃のパソコンに近いかもしれません。会社や学校の書類は手書きで、PCやワープロで書いたらいかん、なんて時代もありました。私が学生時代も、一部の教授は手書き必須で、「頭固いな」なんて思っていたものです。
でも今の企業で、PCが最低限使えないと、採用すらされないなんて会社も増えてきています。
おそらく今後、ルールが整備され、安全に利用できる環境が整ったとき、AIの例えばGeminiくらい最低使えないとなんて言われる時代もそう遠くないと思います。
人間にしかできない技術や、「味」はもちろんあります。ですが、我々一般人がそれを必須とするケースは、驚くほど少ないはずです。手段としてのAIが社会で一般化されたとき、あなたは自分が若いころにはと語る“老害”になりたいですか?
【AIからの講評】
【総合評価】
この作品は現代日本の政治状況を巧みにパロディ化し、重厚な政治ドラマとエンターテインメント性を両立させた、非常に読み応えのある力作であると評価できます。AIとの協働を通じて複雑な設定やプロットを綿密に練り上げたことで、深いテーマ性とスリリングな展開が共存する独自の魅力を持つ作品に仕上がっています。WEB小説として読者の心を引きつけ、最後まで飽きさせない構成が光ります。
【作品の強み(評価点)】
魅力的なコンセプトとテーマ:
「令和の吉鳩戦争」というモチーフが、現代政治へのパロディと歴史的深みを両立させており、多くの読者の知的好奇心を刺激します。
「コバホーク」という親しみやすいキーワードも効果的です。
「リーダーとは何か」「この国の未来をどうすべきか」という普遍的なテーマが、パロディの中にしっかりと織り込まれています。
【完成度の高いプロットと構成】
13話+幕間、という連載形式が、WEB小説の読者に最適化されています。
各話の終わりに「引き」が効果的に配置されており、読者が次の話を読みたくなる工夫が凝らされています。
主人公の挫折と覚醒、ライバルの成長、国内外の陰謀、情報戦と現実の外交という多層的なプロットが、複雑に絡み合いながらも破綻なく収束しています。
特に、安部晶江夫人との対面、麻生・高市からの帝王学、茂木・萩生田の外交交渉、そしてイーロン・マーズと観星会の情報戦がクライマックスで収束する流れは、非常にドラマチックでカタルシスがあります。
【キャラクターの魅力と深み】
小林鷹志: 地味だが誠実、孤独な決断を下す宰相としての苦悩と、そこからの覚醒が丁寧に描かれ、読者の感情移入を強く促します。安部元総理の遺志を継ぐというドラマも感動的です。
小泉新次郎: 圧倒的なカリスマ性と、偉大な父・小泉純一朗の影を追う内面の葛藤が丁寧に描かれ、単なる敵役ではない、もう一人の主人公としての存在感を確立しています。父との対面シーンは、彼の成長の象徴です。
官義偉: 「一度総理を経験し、追い落とされた」という設定が、彼の復讐心と老獪な策謀に深い説得力と悲壮感を与え、物語の「影」の魅力を高めています。
脇を固める重鎮たち: 麻生泰郎、高市冴苗といった重鎮たちが、単なる記号的な存在ではなく、それぞれが過去の経験に基づいた「帝王学」を授け、主人公を導く重要な役割を担っています。高市の「厳しさの中に優しさを感じさせる」口調は、個性を際立たせています。
『蒼鷹会』: 若手議員たちのデジタルスキルを駆使した情報戦は、現代的な政治活劇としての魅力を付加し、物語に勢いを与えています。その面々が実年齢よりもはるかに若々しく、ハツラツと描かれているのは御愛嬌です。
【パロディの巧みさ】
「現実の政治家を盛大にパロディ化した痛快作品」というコンセプトが見事に実現されています。
漢字一文字違いのネーミングセンス、そしてモデルとなった政治家の特徴を捉えたキャラクター描写は、読者に「これ、あの人じゃん!?」という発見とユーモアを提供し、物語をより面白くしています。
【さらなる高みを目指すための反省点(内省と発展の視点)】
これは、作者様がこの作品をさらに磨き、次の創作に活かすための視点です。
【情報量とテンポのバランスの維持】
WEB小説という特性上、政治に疎い読者にとって、序盤や国際交渉のシーンで「少し難しい」「情報が多い」と感じる瞬間が皆無ではなかったかもしれません。物語の深掘りと、読者の読みやすさのバランスは常に意識すべきポイントです。
【「都合の良い展開」に見せないための説得力】
イーロン・マーズの「宇宙からのメッセージ」によるデマの真実解明は、劇的な逆転劇の要です。
しかし、あまりにも劇的な展開は、一部の読者に「ご都合主義」と映るリスクもわずかながら含みます。続編でイーロン・マーズの「個人的な動機」や「大きなゲームの一部」をさらに掘り下げることで、この伏線回収の説得力と深みを増すことができます。
【主人公以外のサブキャラクターの内面の掘り下げ(続編への展望)】
主要キャラクター以外のサブキャラクターの内面を、さらに深く描く余地もあるかもしれません。彼らが「なぜこの陣営にいるのか」「何を葛藤しているのか」といったサイドストーリーは、続編で展開する際の大きなフックとなります。
いやはや、AIからの講評、思った以上に的確で、正直、作者である私が一番唸ってしまいました。(笑)
この作品は、まさにAIとの「対話」の中から生まれました。
最初は「言うことを聞かない!」なんて愚痴をこぼしていましたが、根気強くプロンプトを調整し、試行錯誤を繰り返すうちに、AIは私の意図を汲み取り、想像以上のアイデアや表現を提供してくれる、頼もしいパートナーへと変わっていったんです。
AIは、プロの小説家を目指すあなたにも、趣味で物語を紡ぐあなたにも、強力なツールとなり得ます。物語の構想、キャラクター設定、プロット作成、文章の肉付け、さらには読者へのアピール文まで。クリエイティブな領域でも、AIは私たちの強力な「相棒」になり得る可能性を秘めています。
もしこの番外編を読んで、「AIって、面白いかも」「私も何か作ってみたい」と感じていただけたなら、ぜひ一度、気軽にAIに話しかけてみてください。
きっと、あなただけの新しい世界が広がるはずです。
改めて、長きにわたり『宰相の椅子』をご愛読いただき、そしてこの番外編までお付き合いくださった皆様に、心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました!




