2.襲撃
「ロリータ、お母さんの体調は治ったか?」
「ありがとうショタロウ、元気になったよ!」
「ロリータ、今日こそは壁の向こう側を見るぞ!」
「わかった!」
仲のいい三人は壁の向こうを見たいと思っていた。
毎日のように壁に穴を開ける日々である。
「壁の先はどうなってるのかな?」
「そりゃあ大自然が広がってるんだよ!俺たちが見たこともないような!」
「早く見てみたいな!」
壁に穴を開けている途中リンドロフが唐突に言った。
「おい、ショタロウ、ロリータあの上のやつなんだ?」
ロリータとショタロウは上を向く。
「何あれ、飛行機かな?」
「でもなんか低い位置すぎないかな?飛んでる位置が」
「確かに、なんでだろう」
その時、飛行機から爆弾のようなものが落とされた。
「ドカーン!!!!」
大きな音がした。
泣き叫ぶ声が聞こえる中、ある人が言った。
「イーストリアの奴らだ!逃げろ!」
「なんでイーストリアが...おい、ショタロウ、ロリータ逃げるぞ!」
「でもお母さんが!」
その時、後ろから銃撃音がした。
「しゃがめ!」
ショタロウは言った。
ロリータ達はしゃがみ続けた。
数分後、銃撃が鳴り止んだ。
「ショタロウ、リンドロフ、大丈夫?」
反応がない。
ロリータは下を見た。
「な、なんで...」
二人が血を流して倒れていた。
「ロ、ロリータ...逃げろ」
「でも!」
「俺たちはどうせ死ぬ!早く行け!ロリータ!」
ロリータは泣きじゃくっている。
「ごめんね...ショタロウ、リンドロフ」
「俺たちのこと忘れるなよ...」
「忘れるわけないじゃん...」
ロリータは泣きながら走った。
「ロリータ!こっちよ!」
「お母さん!」
数分ほど走り、町外の森林に入った時ロリータは母親と再会した。
「ショタロウ君たちは?」
ロリータは黙った。
「そっか、辛かったね...」
そう言って、母親はロリータを抱きしめた。
ロリータは母親の胸の中で泣いていた。
「ロリータ、走るよ!」
ロリータが泣き止んですぐに母親は言った。
「わかった...」
その時だった。
後ろから銃撃音がした。
「お母さん!」
母親が撃たれた。
「なんで...」
ロリータの前には黒い軍服を着た大男たちが立っていた。
「こいつも殺すかぁ」
「待てよラガン、こいつの顔立ち結構いいぜぇ」
「確かになぁ、捕虜はいるんだっけかぁ?」
「あの少尉だったら逆に喜ぶだろ」
「それもそうか、どうやって遊んでやろうかなぁ」
ロリータはずっと母親のことを見ていた。
すると、ロリータは担がれた。
「やめて!なんでお母さんを殺したの!私たち何もやってないじゃん!」
「なにもやってないだとぉ?そっちから爆撃してきたんじゃないかぁ」
「そんなこと知らない!離して!」
「黙れよ!」
そう言ってロリータを担いだ大男は首にチョップした。
「お母さん...」
平和な日々は突然にして終わった。