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良太が怒鳴りつけたあと、

優は、ぶつぶつと何かを言っていた。


「こんなはずはじゃない

こんなはずはない…

…」


良太は、そんな優の姿に、

言い知れぬ恐怖感じ始めた。

やばい奴を

彼女にしてしまったんじゃないかと

後悔していたが

もう遅かった。


「良太は、私が好きなんだよ!

良太は、寝取られが好きなんだよ!

良太のために寝取られたんだよ!

だから良太は嬉しいでしょ?

興奮したんだよね?

本に書いてあったから間違い無いよ!

良太は恥ずかしがってるんだ!

可愛いなぁ良太!」


と、笑い始めたのだ。


ヤバすぎる。


良太はその姿を見て

後退りをした。


優は、徐々に近いて来る。

良太は耐えきれず


「おおおお前とは、わわ別れるかなぁ〜!」


と、叫びながら逃げ出した。


しかし、優は何かを言いながら

追いかけてきた。


良太にとっては、

最早ホラーである


必死に逃げた。

全力で逃げた。


その甲斐あって

なんとか撒いたのだが

安心出来ない。


良太は、

警戒しながら家に帰って行った。


家に着いてすぐに

優の携帯をブロックし

バイトも辞める連絡を入れた。


バイトの方は、

辞める事を渋られたが

受験することになったと言って

なんとか辞めることが出来た。


次の日、学校に行き

友達にその事を話したら

大爆笑されたが

良太の方が悪いと言われた。

確かに思いかえすと

今度は慎重になり過ぎて

優を不安にさせ、勘違いさせてしまった。

だが、みんなは笑い続けていたので

笑い事ではないと

言ったのだが。

ずっとクスクス笑っていた。



その日の学校が終わり、

帰ろうと校門まで行くと、

優が待っていたのだ。


「ヤバい!!!」


逃げようとして見つかってしまった。


だがそんな事は関係ない。

ダッシュで逃げた。


次の日も来ていた。


「ストーカー化してるじゃん!」


友達の一人がそう言った。


「話くらい聞いてやれよ!?」


と、言われ

話だけでも聞こうとしたのだが

優は、笑いながら近づいてきた。

なんとか話を聞いたが

何を言っているかも

よくわからない事ばかり言っていて

良太からすれば恐怖しか無かった。


良太が悪いことは

友達にも言われたので

理解はしていたが

高校生の良太にはまだ

恐怖に打ち勝てなかったのだ。


「地元から逃げなければ!」


そう思って今すぐ一人暮らしができないか

両親に相談したが


「今すぐになんて無理だろ?」


と、言われてしまった。


「大学だって今の高校の場所と同じだろう?」


とも言われ、

良太は、


「大学を地元から違う所に行けばいいのだ!」


すぐ両親に相談すると、

偏差値が高い所なら

許してやると言われた。


その日から良太は、

死ぬ気で勉強した。

それこそ命懸けだ。


友達みんなは、


「今更無理だよ」


と、言っていたが

良太には関係ない。


これからの人生が掛かっているのだから。


優のストーカー行為もずっと続いていた。

どこに行っても表れる。


友達も協力してくれて

なんとか逃げ回った。


それからは、

家で勉強して、

学校で勉強して、

図書室に篭って勉強して、

一切外には出ず、

全て勉強にかけた。


試験の日がやってきた。


この日のために

死ぬ気で勉強してきた。



なんとか試験が終わり

良太は

結果が発表されるまで

生きた心地がしなかった。


合格だった。


結果をみた良太は、

鼻血を出しながら倒れた。


救急車で運ばれて

入院する事になった。


過労だった。


良太はそれでも満足だった。

友達もみんな驚いていた。

良太は、


「これで地元から離れられる!」


と、号泣しながら喜んだのだ。



良太は、

卒業と同時に

引っ越しを済ませ

早々と地元を去った。


優のその後は、

何も聞かない事にして

逃げるように

新生活をスタートさせたのだ。


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