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良太が外に出てすぐ、

優は、支度を終えて外に出てきた。


隠れながらその様子を見ていると

良太が見ている事には

気がついていないようだった。


後を付けながら連絡してみたが

やはり出る様子はないかった。


バイト中は、普通なのにと思いながら

いつものようにメッセージを入れると

またいつもと同じように


「先に帰る」


と、だけ送られてくる。


しかし、

今は、優の様子を見ながらなので

分かったのだが、

メッセージを見ながら嬉しそうに

笑っていたのだ。


なぜ、嬉しそうなのかも

なぜ、笑っているのかも

わからなかった。


そのまま尾行を続けると、

誰かと待ち合わせていたようで

優が公園の入り口についてから

電話を掛けてから

すぐに男が現れた。


良太は、

ようやく花蓮の時の事を思い出した。


「また浮気じゃねぇか!」


怒りのボルテージが一気に上がったが

今の良太は慎重だ。

慎重になり過ぎて

そのまま尾行を続ける事にしたのだ。


仲は良さそうだが、

手を繋いだりはしていなかった。

なので良太は、

只の友達から何かなのかと思い始めていた。


優とその男は、

そのまま本屋に行き

本を買って普通に出てきた。


安心し始めていた良太は、

油断していた。


「なんだ、只の友達だな!

小説が好きだからその仲間か?」


なんて思いながら

その後も少しだけ尾行をしたら

帰ろうと思っていた。


しかし、

だんだんと優とその男の様子が

おかしくなっていった。


距離が近いのだ。


いつの間にか、

優はその男の腕に

自分の腕を絡ませながら歩いていた。


良太は、唖然としながら尾行を続けると

やはりラブホ街。


花蓮の時とは違い慣れた様子で

ラブホに入って行った。


良太は、慎重になり過ぎて

隠れ続けてしまった。

気付いた時には、

ラブホに入ってしまったので

止めることが出来なかった。


前回とは違い、

良太は、我にかえり

怒りのが湧き上がってきた。


「くそぉ!

また浮気じゃねぇか!!!」


今回は、

優と男が出て来るまで待つ事にした。


だが、なかなか出てこない。

苛立ちが募っていく。


「ようやく出て来やがった!」


良太は優とその男に

向かって走っていった。


二人も良太に気付いた。


良太は勢いよく止まり

転びそうになったが

なんとか耐えた。


二人の前に立ち

いざ文句を言おうと思った瞬間

優が抱き付いてきた。


「やっと良太は

私に興味を持ってくれたんだね!!!」


と、意味のわからない事を言っていた。


「ずっと待ってたんだから!!!」


優が抱き付きながらそんな事を言っているので

良太は、困惑してしまった。


一緒にいた男も


「優!良かったね!」


と、悪びれる様子もなく

そんな事を言ってきた。


「翔くんのお陰だよ!

ありがとう!!!」


と、お礼を言っていて

ますますわからなくなっていった良太だった。


優は、抱きつきながら

勝手に話し始めたのだ。



「良太が、

私に興味が無いんじゃ無いかと思って

悩んでいたの。

付き合ってもデートにも誘ってくれないし

連絡も少ない。

バイト帰りに少し話すだけ。

だから、翔くんに相談したの!

あっ、翔くんは学校の友達で

いつも図書室で小説を読んでいるんだ。

だから二人で相談して

最初は冷たくしてみたの!

でも変わらなかった。

だから、

ちょうど読んでいた小説の主人公が

良太にそっくりな性格だったの!

その主人公が寝取られ性癖だったから

良太もそうなんじゃないかって話になって

試してみる事にしたの!」


と、二人でうんうん言いながら

話は続いた。


「最初は冷たくしながら

男の影をちらつかせた。

でも全然気付いてくれなくて…

それからは、バイト帰りは、

必ず翔くんと会うようにしていたの、

だんだん良太が

気にしてくれるようになったの!

だけど、まだ足りないのかと思って、

腕を組んだりキスをしたりしてみたの。

それでも

興味を持ってもらえてる自信がなくて

セックスまでしてみたの。

初めてだったから、

本当は良太としたかった。

でも、私に興味を持ってくれていなかったから…

それから毎回する様になって

今日、ようやく良太が

私のあとを

つけてくれているのがわかったの!

だから良太の大好きな寝取られを

見せることが出来たの!!!

これで私の事を好きになったでしょ?」


と、あり得ないことばかり言っていた。


「俺は、寝取られ性壁があったのか!」


なんて思うわけがない。

優は、やばい奴だったのだ。


良太は、この話をされて

引いた。

本気で引いた。

とんでもなく引いたのだ。


「そんな事で俺が喜ぶわけねぇだろぉー!」


思わず叫びながら

優を突き放した。


優は、

何を言われてるかわからない

といった顔をしていたが


良太は、ドン引きだったので


「マジで有り得ないし

お前らの頭どうなってんだよ!!!」


と、怒鳴ってしまった。


翔は、

怒鳴られた事で震え出していたのだ。


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― 新着の感想 ―
[一言] こ、これって 約束の地へ集結するのでは... ...ワクワク ....ワクワク .....ワクワクウフフ(コワッ!我が!)
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