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香織の話を陽平から聞いた日から

モヤモヤとする気持ちは残ったが

香織がちゃんと前を向いて歩いていると

わかっただけでもよかったと思うようにした。

陽平も幸せになっているようで安心もした。


良太自身も幸せになりたい気持ちもあったが

まだ自分に自信がなかったし

また裏切られたらと思うと

後ろ向きな気持ちになってしまう。

だが、前に進まなければならない。

気持ちを切り替えて仕事に集中する事にしたのだ。


優香とは、連絡は取っているが

なかなか忙しくて会えない日々が続いていた。

なんとか時間を合わせて

一緒に帰れる事になり

ご飯を食べて帰る事になったのだが

あまり遅くなってしまうのも良くないと

ラーメンを食べて帰る事になった。


二人でこってり系ラーメンを美味しく頂いた。

その帰り道に少し話ながら歩いていると

優香が


「良太さんは気を使わなくて良いですね!

なんか落ち着きます!よく言われますか?」


と、伝えてきたのだ。

良太は、


「そう言ってもらえるとありがたいね!

よく言われるかはわからないけど

気を使われるよりはその方が嬉しいね!」


と、答えた。

すると優香は、


「良太さんは前の彼女に

浮気されたって言ってましたよね?」


と、聞いてきたので

頷くと優香は、


「実は、私も前の彼氏に浮気されて別れたんです。

その時は、何もかもが嫌になってしまって、

何もする気になれなくて、

でも、友達みんなに励まして貰ったりして

当分彼氏は作らないって思ってましたが

少し前を向くことが出来たんです。

一番親身になってくれた友達が、

良太さんと初めて会った時に一緒にいた

亜由だったんです。

だから正樹君と一緒にいる良太さんも

そういう人なんだって思ってました。

亜由がまた

変な男に引っかからないようにと思って、

あの時はすいません。

良太さんと話してみて

良太さんがそんな事する人じゃないって

よくわかりました!

突然すいません!

急に意味わかんないですよね!?

何が言いたいかというと

えぇっとなんというか

良太さんは良い人って事です!!!

それが言いたかったんです!!!」


と、最後はしどろもどろになりながら

そう伝えてくれた。

いつのまにか

下の名前で呼んでくれるようになっていて

それも良太は嬉しかった。


「ありがとう!なんか照れるな!

優香もすごく良い子だと思うよ!

最初は敵対心剥き出しだったから

なんだこの子って思ったけど

今は友達想いだし、

ちゃんとしているんだってすごく思うよ!!!」


良太も下の名前を初めて呼んで

思っていた事を伝えた。

優香も恥ずかしそうにしていたが

喜んでくれていた。


そのあとはお互いに恥ずかしくなり

あまり話せなかったが

いつもより二人でゆっくりと駅まで歩いたのだ。



あれから良太と優香の距離は

一気に近づいていったのだが

なかなかお互いに踏み切れずにいたのだ。


連絡も会う頻度も前より多くなり

もう付き合っても良いように思えるが

いざそんな雰囲気になると

お互いに話を逸らして

違う話になってしまう。


良太も優香も気付いてはいるが

勇気が出ない。

先のことばかり考えてしまうのだ。


良太も優香もお互いに怖いのかもしれない。

だが、前に進む為には告白しなければならない。

良太は、

覚悟を決めて告白をしようと悩んでいたのだ。





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