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特攻花~TOKKOKA~ 英霊の祈りを込めて  作者: 佐久間五十六


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立派な防人

 靖国神社に行くと、保守的で右翼っぽいと思われがちだが、決して参拝してみるとそのような政治的な匂いは全くしない。

 靖国神社の創設は幕末の戊辰戦争で戦死した官軍(明治政府軍)の兵士達の御霊を供養するのが始まりと言われている。それ以来日本が対外戦争を戦う度にその犠牲者を犠牲者を靖国神社にまつって来た。

 言わば日本の国立墓地的な扱いの場所となる。ここは、日本的な神々しい場所であり、やかましい議論の対象であってはならないのである。国家は国家の為に殉じた人間に最大級の賛辞と敬意を持って応えなければならない。

 これは世界的な常識であり、アメリカもイギリスもロシアもフランスも中国もそれ以外の国も同じスタンダードである。

 現在の靖国神社を取り巻く環境があまりにも特異なものであり、中国や韓国から内政干渉を受け、同盟国のアメリカからも特別視されてしまう。それらの外圧に対して強い態度や言葉でそれを牽制する事が出来ない日本政府。

 小野井は、自衛隊員という立場上公の人間であり、日本政府側の人間であるが故に表立って、日本政府の対応を批判する事が出来ない。

 今回特攻花を出版するのは、何も政府や諸外国を批判するのが目的ではない。特攻について、オオキンケイギクについて、知ってほしい。ただ、それだけである。消え行く、風化していく記憶を心に留めておくことで、防げる衝突もあるはずだ。ただ、それを主張しがたいがためのものであった。靖国神社には2度目の訪問参拝であるが、この場所には無言で手を合わせさせる無言の圧力がある。

 明治の開国以来国家の為に殉じた名のある戦士達が、無数に眠るこの場所はもしかしたら、自分の墓になるかも分からない。そう考えると不思議な気持ちになった。

 ただ、自衛官が事故などで殉職したとしても靖国神社にまつられる事はない。戦争が起きれば分からないが。答えは曖昧なままだが、自分のやるべき事は勿論変わらない。「靖国が待っている。」そのような掛け声は聞かれなくなってしまったが、自分が命をかけて守るのは日本人である。その想いがあるだけで立派な防人(さきもり)になれるのだ。

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