デジタル式紙芝居という名案
小野井は、山井曹長と寺田1曹という信頼のおける部下にも話を聞いた。
「すまんな。皆疲れてるだろうから時間はとらないつもりだ。」
「良いですよ。ねぇ、山さん?だって俺達帰って飯食って、風呂入って寝るだけすから。」
「寺田1曹の言う通りだ。独身貴族に気なんか使うな。それより大事な事があるだろ?」
「相談て言っても簡単な事なんだ。特攻についてどうすれば簡潔かつしっかり伝わるのか?って事なんだ。」
「なるほど。そいつは中々簡単そうで難しい課題ですね‼」
「あんまり簡単過ぎても難し過ぎても良くないと思います。つまりは、普通が1番て事です。」
「そう…なんだよな。細かすぎても大雑把過ぎてもいけない。分かってはいるんだが…。」
「小野井3尉ならきっと出来ますって。そんなに悩まなくても。」
「天下の防衛大学校を出てるエリートなんですから。」
「いや、それは関係無いだろ?」
「小野井3尉が何を伝えたいかという事が大事な事だと思います。」
「それにきっと小野井3尉にしか出来ない何かオリジナリティのあるモノがあるはずです。」
「持つべきモノは友。じゃなくて良い部下か。」
「具体的な発信媒体や方向づけが重要ですよ。」
「そういう所から組み立てていけば何らかの形にはなりますよ。」
「時間も金もかけてるからな。失敗する訳には行かないんだよ。」
「そういう邪な考えは捨てないと。英霊に失礼ですよ。」
「気持ちは分かるが、テーマがテーマですからね。」
「ヘビー級だぜ。自衛官の俺らですら吐き気するもんな。そういう意味では、小野井3尉はタフだと思うぞ。」
「これは痛い所を責めて来たなって身構えるよな。」
「特攻について知ってもらえれば良いんだろ?だったらSNSを使うとか今時のデジタル化時代に乗っかっても、良いのかもよ?」
「そういう事全く考えて無かったわ。」
「そうですよね。戦略は大切ですよ。」
「でも、世の中に知ってもらいたいという気持ちは大切ですよ。」
「しかし、やはり万人受けするもので、戦略的なものとなると"アレ"しかないな。」
「"アレ"って何ですか?」
「最新式デジタル仕様の紙芝居だよ。」
「デジタル化の波は紙芝居まで来たか…。」
「そのためには、かなり時間がかかりそうだな。」
「絵コンテとストーリー。まぁ、絵コンテは最悪写真でカバー出来るが、ストーリーは1から作るからな。ハァ。」
「俺も手伝いますよ。何だか滅茶苦茶面白そうだし。」
「寺田1曹。」
「俺もやります。小野井3尉意外とアナログだし。ずるいっすよ。それに暇潰しになるし。」
「山さん。」
「分かった。きちんと手伝ってもらえるように日浦3佐には、俺の方から伝えとく。一応責任者は、上官の日浦3佐だからな。」
「というよりも、こんな膨大な仕事、余暇でやろうとしてたんすか?」
「ああ。まぁ、手伝ってくれるのを待っていた。」
「防衛大学校出でも同じ人間なんですね。」
「それはほめてるのか?けなしてるのか?まぁ、どっちでも良いや。早くこの課題終わらせないと、次に進めないからさ。」




