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特攻花~TOKKOKA~ 英霊の祈りを込めて  作者: 佐久間五十六


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等身大の戦争論

 「そうか。それは良かったのか悪かったのか分からんが、良かったな。」

 「自分の中で生きる目標が出来ました。ありがとうございます。」

 「それは良かったな。流されて生きる人間は多いからな。」

 「これは、きっと自分に与えられた試練なんだと思います。」

 「そうかも知れんな。まぁ、無理はするなよ。」

 「名誉も富も、そんなもの無くても頑張れるってスゴイです。」

 「そういう気持ちでやってくれるのは嬉しいな。」

 「よこしまな気持ちでは、亡くなった先人に対する非礼かと。」

 「そうたな。あの戦争で必死に戦ってくれた先人がいたから、今の日本がある。」

 「それって大事な事なんですよね。今の世の中にはその気持ちが足りない。」

 「少ないというよりは無理矢理押し込められている感じだな。」

 「あの戦争は、良いか悪いかは別にして、果たして回避出来たのか…。」

 「きっと無理だっただろうな。日本はあの当時軍事大国だった。」

 「そこなんですよね。後世の人間が避けられたなんて言っても空論だった。」

 「その部分は俺も賛成だな。betterな方法はとれたが、bestな方法はなかった。」

 「その中でやれるだけの事をやった先人の事に無関心なんですよね。」

 「負けても日本の国体は護持出来た。どでかい痛手は被ったがな。その事実認識が無い。」

 「特攻に関しても、そう言う部分があるんですよね。」

 「そうだな。直ぐお涙頂戴の感情論に持って行きたがる。」

 「戦後日本は、戦中戦前を否定する所から始まっている。」

 「よく分かってるじゃないか。これも調査の賜物だな。」

 「こんなに深くあの戦争の事を知ろうと思ったのはやはり…。」

 「あの黄色い花か。」

 「オオキンケイギクですね…。」

 「でも、今はそれだけじゃないんです。生きる伝説の人が教えてくれました。」

 「というと?」

 「決して自分達のやった事を肯定しないんです。」

 「生きる為にやったとは言え、あれは人殺しだと。」

 「重い言葉だな。」

 「はい。とても重かったです。」

 「かといって、私はアメリカが憎いかと思えばそうでもない。」

 「感情移入してない何よりの証だな。」

 「まだ、まだ、これから煮詰めなくてはなりませんが。」

 小野井は、日浦3佐にその成果の事を少しだけ見せるような話をした。しかし、彼にはまだまだ知らない事が山のようにあった。等身大の戦争論というのをモットーにして、これからも小野井は課題の完成に向けて努力して行く事になる。メラメラと沸き上がって来る現実と理想のギャップを抑えながら。

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