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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
4章「いざ、キャンサー共和国」
98/500

サプライズ

「よし、これで終わり」

「しずく、おつかれ」

「思ったより数が多かったね」


私たちは向かってきたハウンドたちを倒しきったあと、野宿の準備を再開した。

現在、私たちはカストルを出て森に入った。夕方近くまで森の中を進んでいると、開けた場所に出たので、そこで一晩過ごすことにしたのだ。とは言っても、夕飯の準備には早いのでラビィ含め、みんなでのんびりしていた。そこに先程まで戦っていたハウンドの群れが襲いかかってきたのだった。


「さて、時間もちょうどいいし夕飯作っちゃうね」

「おねが~い」

「私たちは周りの様子見てくるね」

「分かった。気をつけてね」


 しずくとミラが周囲の様子を確認しに出かけていく。そのため、現在私の護衛としてついているのはラビィだけになる。ラビィもそれを理解しているのか、魔力視でラビィの周りをみると黄色い魔力が周囲をまっていた。どうも地面の振動を確認することと耳で周囲の索敵を行っているようで、時たま耳がぴこぴこ動いているのがまた可愛いかった。


「今日のご飯は何にしようかな」


そう考えながらしずくに預けている食料について考えていく。今しずくに預けている荷物では野菜数種類とお肉がメインとなる。だけどお肉は今回新鮮なハウンドの肉にしようと思っているので、後は付け合せをどうするかとなった。色々と考えた結果、ポルックスで仕入れた乾物で出汁を取った、野菜のスープとハウンドのステーキ、付け合せは人参とじゃがいもとなった。

スープを作り終わり、ステーキと一緒に付け合せを肉汁を使って焼いていると、しずくとミラが匂いに釣られて戻ってくる。そんな二人の前にそれぞれの好みの焼き加減のステーキをおいて自分の分を焼き終われば今日の晩御飯の始まりである。


「ここら辺の様子どうだった?」

「これといって何にもないかな。川とかもないし」

「そっか、ということは今日はしずくに出してもらった水で軽く拭く程度かな」

「うん、そうなる」


 食事をしながらこのあたりの様子などあるかどうか聞いてみたが、特に川などのめぼしいものはなかったので、今日は軽く体を拭く程度しかできないという話になった。そのあとは、キャンサー共和国についてからどうするかと相談しながら夕食を終えた。


 夕食の食器とかを影へ片付たしずくと洗い物等の片付け終わった私は、新武器の練習の時間となる。私は木や草を操作できる最低限の魔力量を確認するところから始めているが、その最小値というのがなかなか見つけることができないでいた。


「アルジルの魔力伝達率相当高いな。今扱える最小でやってみるしかなかな」


 私はそう考え、最小値の魔力を目の前にある木に流してみた。だけどそれでも枝を自由に動かせて、私を持ち上げることができる。その結果に、私は驚きつつ現状で扱えるようになるのを諦めることにした。

(まずは魔力コントロール上げないといけない感じか)

そんなことを考えているとき、ここから更に森の中に入った場所で木が倒れる音が聞こえてきた。それを聞いた私はしずくも頑張ってるなと考える程度でいた。


 いつも交代で睡眠をとりはじめる時間の少し前に、テントの場所まで戻ってきた。そこではミラがラビィを抱えながら地図を確認している。


「くるみどうだった?」

「だめぇ、まだ私の魔力操作だとまだ使いこなせないかな。光ならまだしも木は扱える最小魔力でも木の使役できるんだよね」

「それはもうひたすら練習しかないね」

「ただいま!!」


 しずくが戻ってきたことを知らせると同時に私に抱きついてきた。それをなんとか踏ん張ることで倒れずにすんだ。しずくの様子を見てみると、頬に擦りキズができていたので心配になって聞いてみる。


「しずく、どうかしたの?ほっぺに傷で来てるけど」

「えっ?!痛っ!」


 しずくが私の質問したことにびっくりして、ほっぺを触ると思ったより痛かったのか痛みを訴えた。ラビィはミラの元からしずくの近くに来てヒールで回復してくれている。


「ラビィありがとう、くーねぇ明日の夕飯でお願いします」

『?』


 しずくは、ラビィにお礼をいったあと私に明日の夕飯にお願いと言ってきたのだが、私とミラはお互いに意味がわからず頭にはてなを浮かる。するとしずくが影からとあるものを取り出してきた。


「しずく、これはどうしたのかな?」

「積水の練習してたらいきなりクマが襲いかかってきたから返り討ちにしたんだ」


しずくはそう言いながら、シャドウガレージから爪が異様に発達した熊を1頭取り出した。それを見たミラは驚いていたようで聞いてみると、キラーベアという魔物でキャンサー共和国を襲った魔物の1匹。それでランクとしてはCランク程度の魔物という話だった。

話を聞いた限りではキャンサー共和国に大打撃を与えたにしてはランクが低い気がした。


「でもこいつ弱かったよ。国に大打撃与えられるとは思えなかったけどな。このほっぺも熊の攻撃躱すときに木に擦っただけだし」

「しずくが周りの状況も気にせずに切羽詰った回避って相当なんじゃないかな」

「そう言われたらそうなのかも、でも背後からだったからな」

「それもそうだけどマルクスさんの話の通りだと、攻撃性が上がっていたしほかの魔物も大量にいたのが原因じゃないかな。それと明日にはプロプスにつくから宿屋になるよ」

「もうそんな位置なの?」


 しずくがミラの見ていた地図を覗き込むとミラが今いる場所を差した。見てみるとちょうど道のりの真ん中ぐらいまで来ていた。この街道は、移動を優先していると朝から馬車でちょうど1日でつくことができる距離である。討伐しながら、移動していこともあってそこまでおかしくない距離まで進めているようだった。たしかに、今のペースだと明日にはプロプスに到着できる見込みとなる。


「そっか、なら明後日おねがい」

「はいはい、わかったよ」

「それじゃ、私は寝るから見張り宜しくね」


 そう言い残し、ミラはテントにはいっていってしまった。ラビィはミラの抱き枕になって抱えられていってしまっているので、ここには私としずくの二人だけとなった。しずくは私の肩に頭を預けてくる。そして手を後ろに回し、何かを取り出したのか私の前に手に持った箱を差出してきた。


「はい、くーねぇ、今までありがとう。それにこれからも宜しくね」

「どうしたの急に?」

「ん~、ただいっつも思ってることを口にしただけだよ」


 そう照れながら私に包装された箱を渡してくれた。その箱を受け取り丁寧に包装を解く。箱の中を見てみると、スノードームがひとつ入っていた。私はそれを見て一言「きれい」としか言うことができないでいた。

 スノードームは見た目が同じ子どもが、二人が草原を歩いているデザインのようだった。スノードームを見ていると、しずくがこのスノードームについて話してくれた。


「このスノードームってふたご島限定なんだって。なんでもミールたちをモチーフにして作られたって言ってたよ」

「もしかして、街出る直前に買ってたのってこれ?」

「そうだよ、でもただ渡すのも・・・ね」


 しずくはそう言って、私から顔が見えないように立ち上がって空を見上げていた。しずくが照れ隠ししているのがわかっているので、私も立ち上がってしずくを背中から抱きしめてあげてから、しずくの耳元でほかの人には聞こえないようにお礼を伝えてあげる。


「ありがとう。私からもこれから宜しくね、すぐにお返しとはいかないけど」

「そんなものいらないよ、くーねぇがずっと一緒いてくれれば他の物はいらないよ」


その後はお互い警戒を怠らないように気をつけつつ、お互いを求めながら夜の時間は過ぎていった。

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