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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
4章「いざ、キャンサー共和国」
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護衛任務2日目

先日初めて感想いただきました。感謝の念しかありません。

これからも頑張りますので生暖かく見守ってください。

夜中の見張りはいつもどおり私が深夜と朝担当してそのまま朝食の準備を開始する。朝食の準備をしていると日が登り始める頃にマルクスさんが起きてきた。


「おはようございます。朝早いんですね」

「おはようございます、くるみさん。商人にとって時間は大事ですから」


 その後、少し話しながら昨日のシチューのあまりを温めていると匂いに誘われてしずくが起きてくる。そんなしずくは影から桶を出すと桶に水を張り顔をばしゃばしゃと洗い出した。そのあとはしずくが水を入れ替えつつ全員で顔を洗っていく。顔を洗ったあとは昨晩の残りとサラダで朝食を済ませた。


 今日は、ローテーションして御者台が私、馬車の右側にミラ、荷台の左側にしずくの体勢で旅は進んでいる。ラビィは昨日と同じように馬車の荷台に乗って後ろを警戒してくれている。その体制のままお昼頃に森の終わりが見えてきた。


「くーねぇ、ちょっと見てくるね」

「ここら辺は大丈夫なんでしょ」

「うん」

「なら、いいよ」


 私がいいと伝えると、しずくは一飛びで木へ飛び乗り木の枝伝いにジャンプしていく。そのまますぐに見えなくなってしまった。


「しずくさんどうしたのでしょうか」

「ここからだと存在の察知が難しかったから先行しただけだと思いますよ」

「そうですか」


マルクスさん話しているとしずくが戻ってくる。私はしずくに森の先の状況を確認する。


「しずく、どいうだった?」

「大丈夫だけど、なにか隠れているような気はする」

「そっか、マルクスさん止まってもらっていいですか?」

「わかりました」


 馬車が止まったことによって、ミラが私たちのところにやってくる。やってきたミラに対し森の先の状況を説明した。その結果、ここでいても仕方ないので見晴らしのいい草原にまず行こうということになった。


「しずく、どう?」


草原についた私たちは、しずくに状況を確認してみる。すると気配は消えてないけどすぐに襲ってくるような状況じゃないというので、しずくの言葉を信じ草原で昼食をとることにした。昼食はなにかいるという事も有り、乾パンなどの非常食をメインと乾燥野菜を戻しただけのスープとなる。昼食を食べ終わろうという頃に魔力視による視界の中に、緑色の魔力が私たちのところに近づいてきてくるのが目に入った。

雫も気づいているようで刀に手をかけている。


「【セイントシールド】」

「ていっ!!」


 私はセイントシールドを使い私たちの安全を確保し、しずくが刀に魔力を纏わせ、風の刃を全て叩き落とす。風の刃が飛んできた方に目を向けるとキツネのような見た目の犬がこちらを睨んでいるのが見えた。


「なんでこんなところにジャッカルが」

「マルクスさんは下がってて。ラビィの近くなら安全のはずだから。くーねぇ、あいつ多分あの時のやつ」

「あの時逃げたジャッカルリーダだね。でも遠近感のせいかわからないけどさらに大きくなってない?」

「多分、さらに成長したせいで気配つかめなかったのかな」

「確かにあの個体さらに力蓄えてるみたい」

「grrrrrrrrrr」


 ジャッカルリーダは私たちを見据えて低くうなる。その唸り声に合わせ灰色の毛皮のハウンドと黒い毛皮の狼が姿を現した。編成を見た限りではハウンド4体に対し黒い狼が1体の編成だ。


「ミラちゃん、あの黒い狼は?」

「多分シャドーウルフ。隠密と奇襲に特化したウルフ種」

「もしかして、影移動とかもできる?」

「そこまではわからないけど警戒しておいたほうがいい」

「了解、ラビィはマルクスさんお願い【ライト】」

「きゅっ!」


 私は、ラビィとマルクスさんの間にライトを使い、影を消したあとソーラーウィップを使い数多のウルフたちと対峙した。しずくは陰刀:積水も取り出し、魔力を纏わせてからジャッカルリーダへ突撃していく。ミラは短剣を口に咥え空いた両手で弓を射る。


「ミラちゃん、前は私が持つから倒していって」

「くるみ、大丈夫なの?」

「うん、頑張る」


 ミラの心配に曖昧に返しつつ、私はソーラーウィップを片手にウルフの集団と向かい合う。今回は草原で周囲に移動しながら戦うのはウルフ達だけということもあり、グラスソードを発動させることができるので、グラスソードを使用する。グラスソードによって動きまわるハウンドとシャドーウルフの足にどんどん傷をつけていく。

 足をやられたことにより機動力が低下したウルフたちに私たちで止めをさしていく。


「ガウッ!!」

「!!【セイントシールド】」


 そんなか、私に飛びかかってきた一回りほど体格の大きいハウンドの突撃をセイントシールドで防ぐことはなんとか出来たが、驚いて草へ魔力を注ぐのをと切らせてしまった。それによりグラスソードが解けてしまいウルフたちの機動力をこれ以上減らすことができなくなってしまった。


「くるみ、そいつお願い。残りはこっちで叩く」

「わかったよ」


 ミラが残りの狼たちを倒してくれるというので、私は正面からきた大柄のハウンドの相手をする。


「ていっ」


 私が手に持ったソーラーウィップをハウンドの足へ叩きつける。だがハウンドは横に飛び鞭を躱していく。横に飛んだところに私はライトショットガンを打ち込んだ。


「きゃんっ」

「もう一発」


 横に飛んだことによって光の散弾を躱すことができず、足に散弾の一部があたった。それによって体制を崩したハウンドに対し、ソーラーウィップで追撃を行う。それによってハウンドの足に巻きつけることができ、足を焼き切るころができた。ハウンドの足を切ったことにより油断した。


「ん゛っ!!」


 足に痛みが走ったあと、ガクッと右足から力が抜ける。足元を見てみると影からシャドーウルフが私のスネに噛み付いて来ている。私はソーラーレイでシャドーウルフ倒したが、足に力が入らず立ち上がることができなくなってしまった。


 動けないでいる私の周りに足を引きずったウルフたちが集まってくる。私の異常に気づいたのかウルフたちの動きからはわからないがミラが私のところに来てくれて。


「くるみ大丈夫?」

「うん、動くことはできないけど、魔法は使えるよ」

「それじゃぁ正面はお願い」

「わかった」


 ミラに後方から来るウルフたちを任せ、私は正面から来るウルフの相手をする。後ろから来るウルフはミラを信じて対応するしかない。


「【ライトショットガン】ラビィはマルクスさんのところだからな」


 ライトショットがンを放ちながら回復できるラビィの居場所を確認したが、私のお願い通りマルクスさんの護衛に付いている。ラビィも私の様子は気づいているようだが、護衛を優先しているようで心配してくれつつも近づいてきていない。

そういった状況に、納得しながらも攻撃を続けていると正面にいるウルフを倒しきることが来た。同じぐらいのタイミングでミラにお願いした後方も倒し切ったようで、私に肩を貸してくれながらラビィとマルクスさんの下へ戻っていくことにした。


 戻ってきたところで、ラビィが私のところに来てヒールで回復してくれる。その後、マルクスさんが聞きづらそうに私たちにジャッカルについて問うてきた。


「こんな時に聞くことではないと思いますが、あのジャッカルをご存知なのですか?」

「はい、以前ジャッカルの討伐依頼を受けたときに獲り逃した個体だと思います」

「その時に手傷は?」

「与えていないと思います。ジャッカルたちを全滅させあとに逃げ出していきました」

「なるほど手傷を追わせていないとは言え因縁のある相手だったのですね」


マルクスさんに簡単に説明したあと、しずくの戦いを見守ることにした。

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