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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
4章「いざ、キャンサー共和国」
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護衛任務1日目

 マルクスさんから護衛任務を受けた翌日。私たちは朝早くから街の門へと移動した。門には既にマルクスさんがおり、私たちを待っていてくれた。


「マルクスさんおはようございます」

「みなさん、おはようございます。今日から数日間よろしくお願いしますね」

「こちらこそお願いします。色々と不手際があるかもしれませんが」

「いえいえ、こちらとしても初めてを承知でお願いしましたので」


 そう簡単に挨拶をしたあと、首都カストルへ向けて移動を開始した。道中では馬車の御者台にしずくが乗り横に私とミラ、荷台にラビィが乗り後ろを警戒にあたっている。

その陣形のまま森に入りしばらく進んでいくと急に馬車がとまった。それを見て私は御者台へ行きしずくに何があったのか確認する。


「くーねぇ、少し前からこの馬車を魔物が向かってきてるね。荷物の食料の匂いでも嗅ぎつけたのかな?」

「どうだろうね、荷物は密封されてるし」


 そう話していると周りの草むらからハウンドと一回り大きいハウンドが姿を現した。それを確認したしずくが即座に走り出そうとしたが、私はしずくの腕を掴み待ったをかける。


「どうしたの?くーねぇ」

「馬車の周りにどれぐらいいる?」

「後ろに3匹、左右に2匹づつ、正面にデカ物含め5匹かな」

「ありがとう、行ってきていいよ」

「分かった!」


 しずくは私の質問に答えてくれたあと行ってよしというと大喜びで正面の5匹のハウンドへと走っていった。

(最近なんか戦闘狂になってきてないかな)

 そんなことを考えつつ、今まで私がいた方向に移動する。私が担当していた右側はラビィが張ってくれたのか土壁で私の不在をカバーしてくれている。これは後でいっぱいもふもふしてあげないと。

 そう考えつつミールからもらった純白の短杖、陽杖:アルジルからソーラーウィップを出しハウンド2匹を相手に鞭を振るいハウンドの足元にピシッと打ち付ける。

 打ち付けたことによってこちらに飛びかかろうとしていたハウンドが動きを止めた。私は動きを止めたハウンドの前足をソーラーウィップで焼き切る。これにより1匹は無力化できたからあと1匹の対処となる。ここまで来たらあとは簡単でフラッシュでひるませたあとに首を焼き切って命を絶つ。足を焼き切ったハウンドはソーラーレイで額を打ち抜き終了となった。


 こっちも終わりラビィの方を確認しに行く。ミラがハウンド2体に遅れを取るとも思えない。そう考え、ラビィの様子を見に行ったが既に倒し終わっていた。何体かの額に矢が刺さっているところを見るとミラが手伝ってくれたようだ。


「きゅきゅっ」

「ラビィお疲れ。ミラちゃんは?」

「きゅっ(馬車の前に前足を指す)」

「なら馬車お願いできる」

「きゅきゅっ(頷く)」


 ラビィに馬車を任せてしずくの方へ移動する。馬車の正面ではミラが短剣を用いて馬への攻撃を防いでいる。私はミラとしずくに合流し、セイントシールドを使う。セイントシールドに気づいたミラが攻勢に移った。そんなミラを見送りながらソーラーウィップを再度発動させ辺りの警戒を怠ることなく戦況を見守ることにした。


 戦況を見ていると、しずくは戦っている一回り大きいハウンドの速度に対応できていても攻撃を当てることができていないようだ。なので私は少し手を貸すことにした。


「【ツリーバインド】」


 最近地形的に出番のなかったツリーバインドを使い、ハウンドの首と尻尾に木の枝で固定していく。魔力の入れ方を間違ったのか残りのハウンドたちもバインドできてしまっていた。


(どうも、魔力のコントロールができないな)


 特訓中にさんざん使った光属性は、そこまでコントロールに問題なかったけどアルジルになってから、木属性の魔法使う際のコントロールがしづらくなった。というより魔力を投入しすぎてしまっている。この状況を改善しないといざという時に魔力足りなくなるかもな。そう考えつつ、しずくがハウンドを倒しきるのを見守っていた。


 今回襲撃してきたハウンドは、全てしずくのシャドウガレージに格納してもらってから移動を開始する。シャドウガレージを見たマルクスさんは今回の荷物も入れてくれないかと聞いてきていたが、今回は私たちの護衛の勉強ということもあり丁重にお断りする。



 1日目は、先ほどの襲撃以外特に事件も起こらず終了した。その日の夜は私達のパーティは野宿用のテントで一晩を明かしマルクスさんは荷台で眠ることになっているため野宿の準備を勧めて行く。テントを張るのは二人に任せ私はいつもどおり夕飯の準備を始める。今日の夕飯はさっき倒したハウンドのお肉と買っている野菜を使ってシチューを作ることにした。主食として用意したのはパンなので少し濃い味付けにしてシチューに付けて食べるようにした。


「マルクスさん、こっちに来る際に護衛の方はいなかったのですか?」

「あぁ、その件ですか。実はこれまで毎回違う冒険者の方を一時的に雇っていることが多くて、基本ついた街で解散としているのです。なのでさっきの町まで着た際に解散しているのです」

「なるほど、そういうことだったんですね。でも往復で契約とかしないんですか?」

「それが気に入る冒険者の方になかなか会えていないのです」


それによって今回なんで私たちが護衛についたのかというのが判明した。


 夕食が終わるとしずくが私の方にちょっと森の中で剣の練習してくると言って森の中に入っていった。それを見送ったあとミラと一緒に夕飯の片付けを行う。


----------しずく視点-----------

 くーねぇに森で刀の練習をしてくると伝えて了承を得たあと、ぼくは森に入っていくことにした森の中は暗くて見づらいがまぁそこまで奥に行くこともないし大丈夫だろう。


「さっき使ってみたけど大分くせ強かったからな」


 ぼくはカールからもらった短刀。陰刀:積水に闇の魔力を集めていく。すると今までの刀に使うダークブレード以上のサイズになってしまっている。このためさっきの戦闘では最初に使って以降使うのをやめている。

 積水に魔力を通したあと使う魔力をどんどん下げていき今までのサイズに縮小させた。それによってある程度使う魔力量を図ることができたが、この魔力量を瞬時にするのはかなり厳しそうだった。


「これはしばらくの間練習かな。このままだと混戦じゃ使えないし」


 そうぼやきながらも短刀をダークブレードではなく純粋に魔力を纏わせ、軽く振ってみると、短刀の当たった木を力を入れることもなく、切り倒すことができた。その結果を確認したあとダークブレードに切り替え振ってみると辺り一面の木が全て切り倒される。しかも刀が届かない位置の木も切れているので見えない範囲にも魔力による刃が出ていることが確認できた。

(これは本当に使い慣れるまで封印しないとな)


「しずく、大丈夫?」

「ん?くーねぇ、大丈夫だよ。ちょっとカールからもらった積水の確認をしてたんだ。大分使いづらいから縛らく使うことができないけどね」

「あぁ、しずくの方もか。私のも光魔法はまだしも木魔法だとコントロールがしづらいんだよね」


 ぼくより魔力コントロールが長けているくーねぇでも魔力のコントロールがしづらいって言うんだから即興でぼくができなくても仕方ないのかな。もしくはくーねぇだから光だけでも使えるのか。


「しずく、水属性使ってみてくれる?」

「いいよ、簡単なところで【アクアシュート】」


ぼくが試しに木に対しアクアシュートを使ってみると対象とした木を貫通して奥の木にあたって弾けた。奥の木も確認してみると幹が削れている。


「やっぱりその短刀杖としての役割もあるみたいだね」

「ということは魔力の使用に補正がかかってるてこと?」

「そういうこと、だから私以上に魔力の流し方が安定していないんじゃないかな」

「ということはこの刀と普通の刀を使っても補正が入るってこと?」

「やってみれば?」


くーねぇに言われ積水を左手に持ち右手に普段使っている刀にダークブレードを使うすると短剣に使った時より大きい大太刀サイズの刀が出来上がった。それを確認して練習中以外は積水をシャドウガレージにしまっておくことを誓った。


確認を終わったあと野宿する場所へと帰ってきたあとにミラとマルクスさんに説明するのが大変だったのはご愛嬌としたいところ。


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