武器への魔力付与講座
----------しずく視点-----------
「しずくってやっぱり単純」
くーねぇとミントさんをを見送ったあとに後ろからミラが話しかけてきた
「ミラ、今までどこいってたの?」
そんなミラにぼくは聞いくことにする。
「ん? そこの木の上で見学。いい勝負だった」
「ありがとう。でも2対1でやっとだったからな。勝った気がしないよ」
「まぁそれは仕方ない。私も勝ったことがないから。それにミントさん本気出してなかったし」
ミラでも勝ったことがないというのに流石に驚いた。そレならミントさんここら辺で本気出すことがあるのかが気になるな。
「えっ、そうなの?」
「うん、魔法もほとんど使ってなかったし多分連携見たかっただけじゃないかな」
「そうなんだ、今度は本気出してほしいな」
ぼくはミラのセリフに驚いていたがそんなのお構いなしにミラがこれからやるべきことを話し始める。
「その前にしずくは魔力制御の練習。どういった原理で木刀を強化してるかわかる?」
ぼくはざっくりと力をこめればなんか変わるのかなと思ってやった程度なので詳しくはわからない。だからミラに素直に答えることにした。
「う~ん、それがよくわかってないんだよね」
「直感でやっていたんだ。なら原理から教えたほうがいいね」
「お願いします」
ミラがさっき私がやった武器強化原理を説明してくれる。
「やり方は簡単だよ。自分の武器に魔力を纏わせることで武器の威力を上げることができる。こんなふうに」
ミラは持っていた弓を持って構える。
「普通に打てばあの木に刺さることはない」
その言葉とともに矢を射ると前にある木にはじかれて矢は地面に落ちた。
「それとは別に魔力を手に集めて武器に纏わせることにより矢の場合は貫通力を上げることができる」
再度放った矢はさっきと違い木にあたって落ちるのではなく貫いてさらに遠くまで飛んでいく。
その光景にぼくは自分の目を疑った。
「どこまでいったかな」
ミラは矢を放った方向へ歩いて行ったのでぼくもミラの言葉に驚きながらも後に続くことにする。
「えぇ、そんなに変わるの?」
「うん、ちなみにこめる魔力次第でさらに貫通力や切断力とかが強化される。だからこそ魔力の制御は大事になる」
「なるほど、だからミントさんは魔力制御の練習をしろって言ってたんだ」
「そういうこと。後場合によっては味方にも被害が出る。たとば今回のように矢の貫通力を上げた場合は、狙ってた木の向こうに人がいたら最悪無関係の人や味方を殺すことになる。こんなふうに」
前を歩いていたミラが横にずれて見せてきた。そこには人ではなかったが本来角のある場所に矢が刺さったホーンラビットの姿あった。
「まぁ今回は魔物だったけどね。嬉しい誤算。予期せず今日分ゲット」
「確かにこれは使い方間違えたら危ないかも」
ぼくはさっきやってたことの危険性を再認識した。そんなぼくに対しミラは明るく話しかけてくる。
「一度戻ろう。訓練場で魔力制御教える」
ぼくとホーンラビットを持ったミラは訓練場に戻ることにした。ちょうど戻ってきた時にくーねぇが訓練場に顔を出していた。
「くーねぇ、夕飯できたの?」
「できたよ。早くおいでね」
『はーい』
ぼくとミラは家の中に入るはずだったが、ミラが行くところがあると言って道をそれる。
「どこに行くの?一緒に行っていい?」
「いいけど、夕食前だけどいいの?」
「? 夕食まだだとなにか問題あるの?」
ぼくは理解していなかったが興味があったのでついていくと返答した。するとミラは諦めたような顔をしている。
「まぁ、気にしないならいいんだけど」
「まぁ大丈夫だよ。一緒に行く」
ぼくはミラの後をついていくことにしたがこの時はあんな光景を目の当たりするとは夢にも思っていない。そして家の隣に建つ1件の小屋の前にたどり着く。
「ここ、心の準備しておいてね。慣れてないときついから」
少しの時間を置きミラは小屋の扉を開け中をみてみる。
するとその部屋の中央に血が固まったのか赤黒くなっている机が一つ置いてあり壁際の棚には鉈等の数多くの刃物が多く置かれていた。
「うげぇ、何この小屋」
「ここは解体小屋。毎日狩った獲物をここで解体してるの。家の中でやるとミントさんも怒るし血なまぐさくなるから」
「そ・・そうなんだ・・・。うぷっ、ぼく限界、外に出てる」
ぼくは小屋の外に出ていく。そして2度とこの小屋には踏み入れないと密かに誓った。
----------くるみ視点-----------
しずくとミラがすぐに戻ってこなかったので、少し様子を見に行く。
「しずくとミラ遅いなぁ」
そう呟いて外に出て探してみると、脇にある小屋の前にしずくがいることに気づく。しずくの様子がおかしかったので近づいてどうしたのか聞いてみる。
「しずく大丈夫?」
「だい・・・じょう・・・ぶ。中の様子見て気分悪くなっただけだから」
「? 中どうなってるの?」
「今ミラが中で作業してるから入ってみるといいよ。その代わり心の準備をしておいたほうがいいよ」
しずくの行っていることがイマイチ理解できなかったがノックスしてから中に入ることにする。
コンコン
「ミラ入るよ」
「どうぞ」
小屋の扉を開けて中に入ってみるとしずくの心の準備をしておいたほうがいいということを理解することができた。
「うわぁ、・・・すごいね。ここってなにやるとこなの。って見た感じ解体か」
「そうだよ。ここは解体小屋。しずくも入ってきたけどすぐに外に出てった」
ミラが解体小屋ということもあって匂いも大分血なまぐさい。でも私はこのぐらいならまだ大丈夫かな。
「ところで何の解体やってるの?」
「さっきまぐれで捕れたホーンラビット」
ホーンラビットのお腹を捌いて胃や腸、心臓といった内蔵を取り出していった。
「確かにこれは慣れてないと吐くよね。仕方ないか」
「くるみは大丈夫なの?」
「あぁ、このぐらいならよく魚とか捌いてたからこのぐらいならなんとか」
「なら今度からくるみにも手伝ってもらおうかな」
今度からミラの解体の手伝いをすることになった。こっちに来てから大分やることが増えてきたな。
「まぁ、問題ないけど流石にうさぎとかはさばいたことないから教えてね」
「大丈夫。私の捌いたことがあるのは教えれるから。後街や村にば有料だけど解体してくれるところもあるからそこで習えばいい」
慣れているようでミラちゃんは手際よくホーンラビットの角を落とし肉が痛まないようにするためなのか冷蔵庫のような魔道具に肉まるごと入れていく。
「今はこのぐらいにしておく。夕飯もあるし。ここまでやってこの魔道具の中におけば置いておけば大丈夫。部位ごとの解体は夕食の後にすればいいし」
小屋の外に一緒に出ていくことにした。扉の前にはしずくが待っていてくれている。
「しずく、ちょっと魔力操作の練習。手からまず魔力出してみて」
「こ・・こうかな・・・」
「そう、問題ない。じゃぁ出した魔力を自分の適性の属性そうだな今回は水に変わるように意識してみて」
「う~ん。水になれ~なれ~。うわぁ、水がいきなり出てきた」
「大分勢い強いね。やっぱり魔力制御はまだ甘いみたいだね。この方法で魔力の流し方を練習すれば適量を流す練習になる。あと水ありがとね」
ミラがお礼を言ってからしずくのだした水で血で汚れた手を洗い出す。
「そ・・そんな使い方が・・・」
「もう大丈夫だよ。手も洗い終わった」
「あれ? もしかしていいように使われた?」
そんなしずくに対し私は苦笑した。
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