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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
3章「特訓」
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模擬戦

試練を受けることが出来るかどうかの確認するための模擬戦が始まった。模擬戦が始まる前に、メイさん達はそれぞれの防具を身に付けたあと、木製の武器を選ぶ。私たちは、このままクエストに出発する予定だったため防具は着込んでいる。そのため、それぞれ木製の武器を選んだ。ただし魔法使いだけは自身の武器をつかってはいるが。


「さて、各々準備も整ったようだし、はじめるとしよう。ただし、魔法は致命傷にならないように狙う場所は気をつけろ」

『はい』


 ギルマスの言葉に私たちは返事をした。その返事に頷いたギルマスが「始め」の一言で模擬戦が開始される。


 模擬戦が始まって、一番最初に動いたのはしずくだった。しずくは、ダークブレードを両手に持った木刀と短刀サイズの木刀の二つに使い、メイさんのパーティに接近する。しずくの突進に合わせ、ミラが後方から射撃。私はソーラーウィップを発動させる。ラビィは距離をとりつつ、様子を伺っている。


「なかなか、いいところを狙ってくるね」


 メイさんはそう言いつつ、手に持った丸盾でミラの打つ矢を全て弾いていく。そのまま距離を少しづつ距離を詰めながらメイさんの相手をする。

私は、遠距離から放ってくる魔法をソーラーウィップで叩き落とす。そんななか、飛んでくる矢はラビィが単発の礫を当てたりライトシールドで弾いていく。

 最初に飛び出したくるみは、短刀を持った方の手を鎧を着込んだノワールさんに振るった。一方ノワールさんはそのまま受けることはせず前へ進み、ダークブレードをまとってない、短刀の刃部分に当てることで防いだ。刀を受けられたしずくの口元がニヤっと上がる。


「へぇ」

「その程度の小細工いくらでも対処ができる」


 そう話したノワールさんは、横から来たダークブレードを持っている片手剣で受け止めた。そのまま、力が拮抗しているとしずくは短刀を持つ腕の力をふっと抜く。ノワールさんは、前方に体重が載っていたことによって、バランスを崩してしまう。体制を崩したノワールさんの剣を刀で弾き飛ばした。それによって、前に行っていた体重が瞬時に後ろに移る。そんな中ノワールさんは、前進するしずくの正面に土壁を作り出した。それを確認したしずくは、バックステップでノワールさんと距離をとる。


「さすがにノワールさんは安定してるな」

「しずくもなかなかだよ。無謀に突出するようならみんなで囲んで叩くつもりだったけど、いい感じに邪魔されてるっぽいし」

「でも、多分どこかそろそろ終わると思うよ」

「だろうな」


 二人がそれぞれどこに対して言っているかわからないが、ミラとメイさんの距離が接近してからはミラは防戦一方となっている。だが、くるみたちの中で、近距離の相手をできるのはしずくとミラの二人しかいない。相手の実力いかんに関係なくなので、ミラの負担がどうしても高くなってしまう。


「ミラちゃん大分頑張っているようだけどもう諦めたら」

「いいえ、まだ策はあるので」


 そう軽く話したあと、後方に飛ぶと同時にガストでさらに距離をとる。それを確認したメイさんは、ノワールさんの方へ行こうとするが、その前方へウィンドカッターを打ち込む。その後、矢を2本放った。メイさんは放たれた矢を盾で叩き落とそうとした。だが、ミラもそう何度も同じ結末にはしない。メイさんがたたこうとしたところで、矢が左右へと別れた。


「さすがカール様とミール様に試練を与えられるだけはあるわね。だけどまだ甘いよ【ダウンバースト】」

「大丈夫、その程度何とかなるとは思ってないから」


 メイさんの使ったダウンバーストで、二方向に別れた矢を魔法で作り出した下降気流によって叩き落とした。ミラはそうなることを理解していたのか、メイさんの後ろに周り首元に短剣を突きつけようとしたところで、背後から何かが飛んでくる気配がする。それに合わせて、斜め向かいから光のムチが一直線に飛んできた。その攻撃を信じて、ミラは攻撃に集中する。そのおかげもありメイさんを降参に追い込むことが出来た。後ろから来ていた矢については、私が無事に叩き落とした。


ミラの手が空いたことによって戦況が傾くかと思ったが、戦況が変わることはなかった。なぜなら私がミラのサポートに回ったことによって、こちらもラビィが脱落してしまっている。


「おあいこか」

「そうみたいだね。でもメイを倒すとはなかなかやるね」

「こう見えてミールたちにみっちりこってり絞られたからね」


 しずくがノワールさんと話している。だけど、その目はどこか死んでいた。まぁ、確かにあの特訓はひどかった。

 そんなノワールさんとしずくの戦いは拮抗している。しずくは、ダークブレードの長さを器用に変えながら器用に攻撃している。そんな中、ノワールさんは観察と経験によって防いでいる。そんな二人は置いといて、一方遠距離戦はというと空中で複数の魔法と矢が飛び交っている。そんな中私は勝負に出ることにした。


「ミラ、少しの間お願い」

「わかった。だけどそこまで時間稼げないからね」

「わかってる」


 ミラへ少しの間お願いしたあと、魔力を素早く正確に練っていく。そのまま、イメージを固め魔法を行使する。


「【ライトショットガン】」


 私は、実際のショットガンをイメージし光の弾を出した。光の弾はミストさんとエルさんの近くまで飛んでいき、弾け光の刃をあたりにばらまくんだけど、今回は非殺傷型のためボールをばらまく仕様にしている。それによってミストさんとエルさんはギブアップとなった。


あとはしずくたちの戦いが終わるのをゆっくり待つことにした。


「相当やるね。まさか私以外倒しきるとは思ってなかった。まぁ正直試験はクリアでいいんだけど、これを対処できればいいよ」

「へぇ~。自身がありそうだね。いいよ、僕も全力で行くね」


 しずくはそう言うと、短刀の方を地面に落とした。その後、木刀を腰に指す感じで構える。一方ノワールさんは、剣にランス状の竜巻をまとわせる。


「ちょっと手加減できないから気をつけてね」

「それはぼくも一緒だよ」


 そう短的に言葉を交わしたあと、ノワールさんの足元の空気が爆発する。そのまましずくへ突進していき、ノワールさんのランスとしずくの居合切りがぶつかるはずだった。


「さすがにそれは看過できん」


 そう一言残し、ギルドマスターがしずくとノワールさんの間に障壁を貼ることで二人の攻撃を防いだ。


「ギルマス、せっかくいいところだったのに」

「お前ら最初に言ったよな~。致死の攻撃はするなって」

「ノワールは致死だったろうけど私はそうじゃないなよ」

「しずく、それは本気で言っているのか」

「う・・・」


ギルマスの言葉にしずくの返答に窮する。

(しずく、それはもう言ってるようなもんだよ)

そんなことを思っていると、しずくに対しこれにさっきのやつをやってみろと言って、鉄製の鎧を取り出した。その鎧にさっきと同じように魔力を纏わせ切りつけた。するとものの見事に鎧がすっぱりと切れた。


「はぁ、やっぱりか。でもここまでやれたならまぁ問題ないだろう」

「うげ、なんつう威力」

「どうは言うけどなノワールお前もお前だぞあの感じだとしずくが防ぎそこねたら下手したら即死だぞ」


 ギルマスが二人に対し説教をしている。そんな締まらない感じで模擬戦が終わったんだが、その後、全員ギルマスの部屋へ移動して全員で説教を受けた。


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