魔力利用の練習2
区切りが悪かったので今回長気持ちめです。
----------くるみ視点-----------
ここから2人1組で訓練を行うことになった。
「じゃぁ、まずは魔力を感知して。体中を巡っている力があるはず」
「わかった。体の中を探るんだね」
ミラに言われたとおり体の中を探ってみることにする。
(う~ん、どれかな。)
そうやって探しているとおへその下あたりに暖かいものがあることに気づく。
(これかな。あっこれ意識したら自由に動くんだ。ちょっと面白い)
そうやって遊んでいるとミラが隣にやってくる。
「どう?」
「ん? 多分大丈夫じゃないかな。おへその下あたりに何か暖かいものがあって自由に動くから面白いんだ」
「それで間違いない。その様子なら大丈夫そうだね。じゃぁそれを体全体に巡らせてみて」
「わかった」
今まで粘土のようにコネコネしていた魔力を体全体に行き渡らせる。
するとあたりの音がよく聞こえるようなる。とっても便利だから今後も使っていこうかな。
「おぉすごい。周りの声がよく聞こえる。この唸っているのはしずくだね。座って何かするの苦手だからな」
「大丈夫みたいだね。じゃぁ次は属性を確認するよ」
「わかった。どうすればいいの?」
私は属性の確認方法がわからなかったのでミラに素直に聞くことにする。こういうのは見栄を春より素直に聞くほうがいいからね。
「簡単、魔力をあたりに放出すれば適性の物質に干渉される。やってみて」
「わかった。こんな感じかな」
私は体内の魔力を右手に集めて放出させた。すると辺りが一気に眩しくなった。
「まぶしっ!」
「くるみ、眩しかった。けどほかにもありそう。足元見て」
言われて足元を見てみると足首までだった草がふくらはぎぐらいまで成長している。
「何か成長してる」
「多分くるみの属性の一つは光。もう一つはわからない」
「そっかぁ、後でミントさんに聞いてみるしかないか」
「ならちょっと休憩だね。向こうも属性の確認あたりまで行ったみたいだし」
「そうだね、しずくは大分苦戦してたみたいだけど」
二人でのんびり座って待っていると、ミントさんがコップを持って戻くる。
「あの様子だとしずくはこのあたりにはあまりない属性なのかな」
もう少し待っていると、ある程度終わったようだったので私とミラは合流する。
「しずくお疲れ。無事うまくいったみたいだね」
「ミントさんまた模擬戦やろうよ。あっ、くーねぇちゃんと使えるようになったよ」
しずくは私にピースをしてくる。私はそんなしずくの頭を撫でて褒めてあげる。
「しずくおめでとう。よく頑張ったね」
「えへへ。すごいでしょ」
「ミントさん、くるみの属性が私じゃわからなかったから見てもらっていい?」
私のことなのに私をそっちのけでミラとミントさんで話を進めている。
「そうか、わかった。くるみ実際にここで使ってみてくれ。ただし無差別に魔力を流すんじゃなくて今分かっていない現象を起こさせることに意識するんだ」
「ん?またやればいいの?」
「あぁ、よろしく頼む」
「了解、じゃあこんなかんじかな」
私は地面に生えている草に流し込むことを意識して魔力を流し込む。すると魔力を流し込んでいる場所の草の丈が徐々に伸びていく。
「ああ、もういいぞ」
ミントさんにもう流さなくていいと言われたので魔力を流すのを止めた。
「なるほど、植物の急成長か。多分木属性だな。主に植物を自由に使うことのできる魔法だ。結構使い勝手はいいぞ」
「確かにそうですね。ありがとうございます。しずくはこのあとどうするの? 私はもう少し魔法の練習するけど」
「ぼくもそのつもり。ミントさんとまた模擬戦したいし。あとちょっと試してみたいことがあるんだ」
しずくは持っていた木刀腰に指して居合の構えをした。そして、魔力を木刀に宿し木に対し木刀を抜き放つ。
武器が木の幹にあたって止まると思いきやしずくは木刀を振り抜く。そして正対していた木はというと見事に切断され私たちのほうにゆっくり倒れてくる。
「ちょっと!しずくこれどうするの?」
「どうしよう。こうなるって思ってなかった」
こっちいに倒れてくると思っていなかった私としずくが戸惑っていると後ろからミラの声が聞こえた。
「仕方ない。ミントさん私だけだと大変だから手伝って」
「わかった」
『【ウィンドカッター】』
ミントさんとミラはウィンドカッターという風の刃を出現させ対象を切断する魔法を放ったことにより倒れてきた木は瞬く間に切断され大量の丸太となって私としずくの頭の上に振ってきた。
「いたっ」
「いてっ」
「自業自得だ。もう少し考えて使え。後しずくそれは対人相手にあまり使うんじゃないぞ。使っている武器と同じ素材ならこの木のように防具ごとすっぱり行くからな」
「しずくは感覚でいろいろやっちゃうんだもん。でも今回のはびっくりしたよ。まさか木がこっちに倒れてくるとは思ってなかったから」
「それはごめんなさい。ぼくも予想外だった。あと、これは最低限人相手にはやらないようにする」
しずくはこの威力を目の当たりにしてこの手法を人相手には使わないと約束した。
「しずくは模擬戦だな。いいぞ、どこからでも打ち込んでこい。私も身体強化程度はさせてもらうがな」
「しずく頑張って~」
そうして私は二人から離れたところに腰を下ろし二人の模擬戦を見守ることにした。その間私は近くの草に魔力を通して遊んでいることにした。
魔法の使い方を研究という名の遊びをして時間を潰していると模擬戦の1回目が終わったので私も参加することにした。
「ミントさん私も参加していいですか。しずくとペアで」
「いいぞ。だが殺傷系は危ないから禁止な」
「りょーかい。じゃあしずく私を守ってね」
「もちろんだよ。くーねぇには指一本触れさせないよ」
「よしその粋だ。じゃっ、ぼちぼち始めるぞ」
私にとって初めての模擬戦か開始した。
「はぁ!」
しずくはそう息を吐いて一足でミントさんに近づき横に構えていた木刀を振り抜く。
「しずく甘いぞ、そんな一直線の攻撃で私に当てれると思うな」
「そんなものわかってるよ」
そう二人で打ち合っている間に私は準備を終える。
「これでどうかな」
「んっ!なるほど考えたな。だがたかが草ごときすぐに振りほどける」
ミントさんは力づくで草の拘束を解除した。身体強化しているというだけありまともに行動阻害もできていないようだ。
「なるほど、素材によっては力づくで無理やり解けるのか。ならしずくお願い」
「わかったよ。このまま押し切っていくよ」
しずくは木刀のラッシュで少しづつだがミントさんを後退させていく。
「流石にこのスピードをしのぎ続けるのはきついか」
ミントさんはしずくから距離をとるためにバックステップで一気に後退する。
「しずくありがとう。これならどうだ」
ミントさんの後方にある木の枝を使って再度動きを封じてみることする。
「ほうこれはなかなかにきついな。くるみ、ここで一つお勉強と行こう。魔法というのは名前を付けることで簡単に発動することができる。例えばこんなふうに【ファイアボール】」
ミントさんの手のひらからピンポン玉ぐらいの火球が出現する。
「そしてこれをこうすると」
手に持った火球を縛られている木の枝に近づけるとみるみるうちに木の枝が燃え上がる。
「まぁこんなもんだ」
「むぅ、なかなか隙が出来ない」
「そっちから来ないなら今度はこっちから行くぞ」
ミントさんはしずくを無視して私のところに走ってくる。
「させないよ」
しずくが後ろからミントさん追いかけてくる。
「間に合わない」
「これでまず一本だな」
ミントさんは剣を横に薙ぐ。その軌道上に手に持った杖を合わせることによりなんとか防ぐことができた。
「ミントさん、油断大敵って言葉知ってます?」
「初めて聞くな」
「こういうことですよ。【フラッシュ】」
ミントさんの目の前に光球が現れ破裂する。
「くっ。やるな」
「たぁあ!」
目がくらんでいるミントさんの後ろからしずくが斬りかかった。
それにかろうじて気づいたミントさんはサイドステップで回避した。
「あぁ。これでもダメか」
「いいや、お前たちの勝ちだ」
ミントさんは来ている服の袖口を見せてきた。見てみると袖がすっぱりと切れている。
「お前たちの勝ちだが、し~ず~く~。木刀に魔力まとわせるのは対人ではやるなと言ったよなぁ」
「アハハハ・・・」
「笑い事じゃねぇ。人を殺せるということをしっかり自覚しろ」
「はーい」
「それとだ、しずく。罰として少しの間模擬戦はなしだ。そしてその間徹底的に魔力操作の練習だ」
「そんなぁ」
しずくは落ちこんだ。
「まぁ今回はしずくが悪いね。禁止されたのに使うから」
「だって、くーねぇが狙われたから夢中で木刀降ったから、そこまで木が回らなかったんだよ」
「ありがとう。でもミントさんが言ってることも本当だと思うよ。その力は気を付けないと味方にまで危害出るから。一緒に特訓しようね」
「うん。・・・わかった」
しずくは渋々了承してくれる。
「よし今日はこのぐらいにしよう。いい時間だしな」
そう言われたので空を見てみるとすでにオレンジ色になっていた。
「じゃぁくるみは手伝ってくれ。その際に魔道具使い方を教える」
「わかりました。しずく待っててね、今日から私も料理を作るから」
「3日ぶりのくーねぇの料理!!」
それだけでしずくは落ち込んでいたのが嘘のように元気を取り戻すのだった。
楽しんでいただければ高評価お願いします。