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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
3章「特訓」
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個別特訓開始

ここから少しの間視点別の描写になります

 カールとミールから最終試験の内容を聞いた翌日。この日は最後の個別特訓の日だ。

今日も今までと同じように、みんなで食事をしたあと、教会の中庭に移動した。中庭に到着した私たちの前に、3つの映像が映し出される。一つは暗闇の空間、一つは魔族の少女含む魔物が蔓延る空間、一つは神殿のような石造りの空間の3つが映し出されている。


「ミールこの3つの空間って?」

「これはね、これから3人が行ってもらう空間だよ」

「左から順にくるみ、しずく、ミラに行ってもらう」

「特訓期間はいままでと同じ7日間で、休憩はお昼に1回、夕方からはいつでも休めるようにしておくから安心してね」

「昼と夕は僕たちが用意する」


 あれよあれよという間に、個別特訓の説明が進んでいく。それぞれの世界のルールを聞いてみるとそれぞれのクリア条件とともに答えてくれた。


「まず簡単なところからいくね」

「くるみの課題は、ラビィちゃんと一緒に暗闇の空間に行って、魔力をガンガン使ってもらうこと」

「その間にラビィと戯れてくれればいいよ」

「そうすれば7日間あれば召喚魔法は覚えれるはず」

「でも魔力枯渇まで毎回魔力使ってね」


 いつもと違い、ミールから始まる説明を聞いていく。だけど気になったことがあったので、聞いてみた。


「魔力枯渇って危険なんじゃないの?」

「それは大丈夫だよ。今回くるみの行く空間には魔力枯渇時のみ魔力供給をつけている」

「それって大丈夫なんですか?」

「問題ないよ。本来は外部から魔力を供給するのは危険だけど、今までの訓練でくるみの魔力の測定も完了してるよ」

「その魔力を供給するから拒絶はほぼ起きないと思う」

「ミール、カール、くーねぇに何かあったら許さないからね」

「もちろんそこは十分に注意を払うよ」

「そこは安心して」


 魔力枯渇の件については、なんとなく理解できた。それより、しずくが嬉しいことを言ってくれた。どうも口元が緩んでしまっている。


「それで、ノルマだけど、この空間の半径50m程を照らしてくれればノルマ達成だ」

「それって簡単じゃない?」

「まぁそこは実際に行ってやってみればわかるよ」

「僕たちは、そこまで甘いことはしないよ。ちなみにこの空間は200m程はあるから頑張るといい」

「倍を光らせたらご褒美あげるね」


 その一言を残し、私の行く空間の説明は終わった。そのあとも説明は続いていき、次はしずくの番となる。しずくの空間はいままでとほぼ同じようだった。


「しずくはいままでとほぼ一緒だよ。だけど回復対象はしずくだけにしておいた」

「相手は、もどきと多数の魔物。そして、余裕があるようならカールが相手してくれるって」

「本当にいいの?」

「もちろんさ、しずくの相手は僕じゃないと大変だろうし」

「そして、ノルマは切る相手の判断がつくこと」


 そう短的に、しずくの特訓の説明が終わった。最後にミラの説明となる。


「最後にミラだけど、このダンジョンに入って最奥にある宝を、持ってきてもらおうかな」

「ダンジョンには魔物は生息していないけど、その分結構な量の罠を設置させてもらったよ」

「わかりました」


「よし、これで一通り説明も終わったかな」

「君たちにはこれを渡しておくね」

「何ですかこれ?」

「これはね君たちのノルマ達成までの記録を取るものだよ」

『?』


 ミールに渡された、腕時計のようなものが一体なんなのか聞いてみたけど、なんとも容量を得ない説明を受けたことによって、私たちは首をかしげることとなった。そんな私達にカールが説明をしてくれる。


「まず、それを腕につけてくれ」


 私たちは、そんなカールの言葉に従い私たちは腕時計のようなものをつけていく。本来の腕時計は違い、腕に近づけるととそのまま腕に装着された。全員装着されたことを確認したのか、カールがいきなり不敵に笑い出す。


「ふっふっふっ、その腕輪をつけたな」

「その腕輪にはボムの魔法を付与してあるからポイントが一定以下になるとボンだよ」


 それを聴いてしずくとミラは驚いているが、私はとっても重要なことに気づいたので率直にきいてみる。


「ねぇ、さっきの話って本当?」

「えっ?ほ・・・・ホントウダヨ」


 ミールが目をそらしながら答えてくれた。その反応で答えは丸分かりになので、今度はカールに聞いてみることにした。


「ねぇカール、ポイントが一定以下って私の場合あるの?」

「えっ、いやぁそれは」

「それに、ミラちゃんの空間はわからないけどしずくの方は爆発しても問題ないよね?」


 そこまで言うと、ミールは以前のように正座しているのが目に入った。カールは普通に頭を下げ謝ってくる。


「ごめん、実はさっきの話は嘘なんだ。だけどポイントを計測するっていうのは本当だけど」

「やっぱり、おかしいって思ったんだよ。それでなんでそんな嘘を?」


 カールに聞いてみると、なんでも私たちの警戒がやっぱり高くないのが原因のようだった。なんでも、権力にかこつけて騙してくる輩もいるとのこと。その話を聞いた私としずくは、納得しているがミラはどうも腑に落ちないような顔をしていた。


「カール様、ミール様。冗談が過ぎます。私たちはあなた達星座の神を信仰しています」

「確かにそうだけど、ミラも気をつけたほうがいい」

「そうだよ、私たちも一枚岩じゃないから。私たちのいうことを鵜呑みにはしないほうがいいよ」

「それってどういうことですか?」

「僕たちは、僕たちのエリアの民は全力で守る。だけど他のエリアの民は基本二の次だ」

「だけど、加護を与えてる人は別だけどね」

「そういうこともあって、他の神のエリアからきた人に無理難題を押し付ける神もいるってわけ」


 カールとミールは簡単に説明してくれた。それを聞いたミラは渋々ながらも納得してくれる。


「さて、おふざけもこのぐらいにして、それぞれの場所へ移動しようか」

「それじゃいくよ【転移】」


 いつものように、ミールの転移で私たちはそれぞれの訓練空間へ移動することにした。


 移動した先は、さっきモニタで見た暗闇の空間だった。


「きゅっ?」

「ラビィ、暗いね【ライト】」


 私の周囲は暗かったが、私とラビィの位置だけはなんでかはっきりと認識できた。だが、周囲まではわからなかったので、ライトで周囲を照らすことにした。ライトで照らすといつものように周囲が照らされることはなく、足元だけ光で照らされる。私はいつもより多めに魔力を加える。だけど魔力を注げど一向に明るくならない。

そのまま少しづつ魔力量を増やしていくと、少しづつ体から力が抜けていくように感じる。カールの言葉を信じ、今ある魔力を全てライトに注いだ。すると腕輪の表記から「0m」から「1m」に変わったことを確認し、意識が途絶えた。意識が途絶える途中で、カールたちの言っていたように一筋縄では行かなさそうだと思った。


----------しずく視点-----------

 ミールの転移に合わせ、ぼくは今までと同じような草原に転移された。だけど今までと違うのはぼくの周りに多くの魔物が徘徊している。だけど、一番目を見張るのは正面にいる魔族の少女もどきだ。そんな時、ぼくにカールが話しかけてきた。


「さっき言いそびれたけど、しずくはまず集中状態に素早く移行できるようにすること」

「うん」

「集中状態を維持できれば、あの時の魔族の娘と互角以上に戦えるはずだ」

「わかった、始めていいの?」

「いいよ、くるみの方は僕に任せてくれればいいよ」

「ありがとう」


 カールと言葉を交わし終えると、ぼくは魔物の群れに突撃することにした


----------ミラ視点-----------

 私は遺跡に来ていた。周囲を確認してみると出っ張った床などが見えるので、警戒しつつもそれを足で押してみる。


「!?」


 押して見ると正面に槍が突き出てきた。

(警戒していた甲斐があったかな)

そう思っていると、出発前にカール様とミール様より与えられた腕輪から「ビー」と音がした。なんだろうと思い確認してみると数字が「-1」と表示されていた。


「ミラちゃん、ある程度ルールはわかったでしょ」

「はい、罠を発動させるとスコアが減り罠解除でスコア上昇でいいんですよね」

「ご名答。他にも射的とかもあるから、いい訓練になると思うよ」


そう言い残しミール様は消えていった。


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