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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
3章「特訓」
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防御特訓_4

 にやりと笑った魔族の少女もどきは、私たちに接近してきた。それをどうにか、視線でおうことができている。とびとびではあるが、今回の狙いは私のようだ。そう判断した頃には、私の前まで来ていた。魔族の少女もどきは、掌底の構えをとっていた。私と魔族の少女もどきの間に、しずくが割り込みダークブレードに当てる。ダークブレードがピキという音がして、ヒビが入った。ダークブレードが壊れると同時に、しずくは私の手を引いてその場から退避した。


「やっぱり、すごい攻撃力」

「ありがとう、しずく」


 一撃一撃が致死の攻撃を、ギリギリのところで魔法を間に挟むことで時間を稼いでいく。そのまま比較的、安定して攻撃を回避しているとお昼になった。この段階で相手は煙のように消えたので、一息つくために昼食の準備を始めた。


「午前いっぱいで疲れた」

「そうだね、体力的というより精神的に」

「まぁ、くーねぇは体力的にもキツそうだけど」


しずくの言うとおり私は午前中いっぱいで結構限界で、昼食もミラに任せている。ミラの料理は一言で言うとワイルドだった。骨付き肉を焚き火で丸焼きにするだけという、料理とも言えないものとなっている。

まぁ、そんなことでお昼はゆっくり休むことができた。まぁ、さすがにお肉だけだと体に悪いので、しずくに頼んで簡単なサラダを作ってもらったけど。


 お昼も終わり午後から再度、魔族の少女もどきの相手をすることになった。最初の数分は午前中と同じように近距離線の回避となっていたが少ししたらその状況にも変化が出てくる。


「【イービルランス】」


 魔族の少女もどきが放ってきた、イービルランスのすぐ後ろをかけてくる。午前中のおかげでコマ送りの状況からなんとか、捉えることができるところまで目が慣れたが、イービルランスの処理をしながら物理攻撃を躱すのだと勝手が違いすぎる。この状況を、安定させるにはイービルランスが方向転換する前に消してしまうのが、いいんだろうけどそこまでの安定性はない。

 だからと言って、諦める訳にもいかないので、ソーラーウィップを使いイービルランスを上から叩き落とそうと試みた。だが、イービルランスは地面に当たる前に球体となり方向転換の準備に入り、魔族の少女はソーラーウィップをかわすために高く飛び上がる。

 そのまま空中で縦に一度回転してから、かかと落としを私の頭めがけしてくる。



「【ライトシールド】」


 私は咄嗟にかかとが降ってくる先に、光の盾を作り出した。だが一瞬にして光の盾は音を立てて壊れてしまった。だけど、その一瞬を利用してしずくとミラの対応が間に合った。しずくが私を横抱きに抱え少しはねると同時に、ミラがガストを使い前方へ勢いよく飛ばしてくれた。さすがに、しずくも即席の回避行動だったため私ごと地面を転がってしまう。だけどそれによって魔族の少女もどきのかかと落としに当たる音はなかった。イービルランスもいきなり前に出てきた悪魔の少女もどきに当たり、消え去っている。


「ふぅ、なんとかなった。くーねぇ大丈夫」

「うん、少しフラフラするけど問題ないよ」

「それにしてもあの組み合わせどうにかしないとね」


ミラの言うとおりイービルランスと近接攻撃の組み合わせは非常に厄介で3人力を合わせてやっと回避が出来ている状況になっている。だが、そんな状況もすぐに終息を迎えてしまう。悪魔の少女もどきがいままで1本だったイービルランスをひとつ増やし片方をミラもしくはしずくへと発射し始めたのだった。


「ちょっと、これはきついって」


 しずくは、そう文句を言いながらもダークブレードでイービルランスを弾いている。それを何度か繰り返すとイービルランスを切り裂き無力化ができた。逆に、ミラの方に飛んでいった時が大変で、ミラの手持ちの魔法及び技術ではイービルランスの無力化はちょっと厳しいものがあった。そのため、イービルランスを躱しながらしずくのほうへ移動してしずくに対処して貰うという方法しかない。

そのあいだも、私は魔力をフルに使いギリギリで躱していく。そうしていると、もちろんのこと長く戦うことができず、魔力枯渇で気を失ってしまった。


 気絶から目が覚めると、昨日と同じようにしずくに膝枕されていた。しずくが言うには、私が気絶したと同時に相手も消えていなくなったとのことで、そういった面での安全面はしっかりしているようだ。また、自分がどれだけ魔力消費したかを確認してみると、最初にステラシオンに来て魔力を感知した時より多くなっている気がした。少し疑問に思っているといつもの如く、カールとミールが姿を現した。


「大分大変なようだね」

「ねぇ、暇なの?」

「暇じゃないわよ。前のと違って今回は最新の注意を払ってるだけよ」

「しずくやミラは、ある程度動けるからいいけど、くるみは魔力枯渇に陥りやすいからね。魔力枯渇になった時に止めれるよう、注意を払ってるんだよ」

「それなら、カール。最初に調べた時より魔力料増えてる気がするんだけど、知らない?」

「あぁ、そのことか。魔力は極限まで使うと少しづつ増えていくよ」

「??」


 その説明だけである程度理解できたが、しずくは理解ができていないのか頭に「?」を浮かべていた。一方ミラもそのことは知らなかったのか、興味津々にカールの言葉を聞いている。


「簡単に説明すると、コップに入った水が魔力だとすると、毎回コップがからになるまで魔法を使うとする」

「だけど魔力が足りなくて継ぎ足す度に減っていく状態が魔力枯渇になりやすい状態なの」

「ふむふむ」

「その状況が何度も続くと人っていうのは便利なものでそのコップを大きくしようとする」

「その結果一度に蓄えることができる魔力が増えるということよ」


 カールとミールの交互に発声する説明を聴き終えたしずくは、納得したように何度も頷いていた。でもそれを聞いた私はひとつ嫌なことに気づいてしまった。


「そういえば私の個人特訓って」

「そうだね、魔力の増強と魔力運用の効率化」

「ということは魔力枯渇になりまくれと」

「まぁざっくり言うとそうなるね」


 最終日は、攻撃と防御特訓以上に過酷な特訓となりそうだった。そう話していると夕食時となったので、さっきまで横になっていた私が夕飯を担当することになった。まぁいつものことなんだけど。


その夜からしずくにお願いして、ムチが当たった一瞬のうちに闇魔法を打ち消す練習を始めた。


後出しの原理を利用するためしずくに攻撃をして貰う。だけどしずくは安全な遠距離魔法を持っていないので、ダークブレードで余裕を持って対応できる程度の速度で切りかかってきてもらうことにした。そのダークブレードにソーラーウィップを当てて、その一瞬でダークブレードを破壊する練習だ。


しばらく、夜の草原で練習しているとムチの扱いにも少しづつ慣れてきた。そんな中で、しずくのダークブレードに当てようとしたソーラーウィップは、大きく外れてしずくの足元に「ピシッ」といい音をたてて地面を打った。


「そこまでいい音出るとなんか興奮するね」

「えっ!?冗談だよね?」

「どっちだと思う?」


そうしずくがニヤニヤしながら聞いてきた。それを見てからかってるんだなと思い

「冗談でしょ」

としずくに言うと

「もちろん、でも痛そうな音出るようになってきたね」

というどうでもいい話をしながら今夜も更けていった。

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