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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
3章「特訓」
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防御特訓_3

区切りがいいので今回は短いです。

 目が覚めると泣きそうな顔をしたしずくがいた。そのまま、しずくの方に体を向けると上から「んっ」という声が聞こえてくる。また、私の眼前にはしずくのお腹が目に入った。それを見て私は、現状を知ることができた。

そんな時、不意にカールの声が後ろから聞こえてくる。


「起きたね。どう、体に問題ない?」

「あぁ、カール、うん大丈夫」

「ん、ちょ、ちょっとくーねぇ。くすぐったい」


 しずくのお腹に顔を向けたままカールに返事したので、しずくがくすぐったそうに声をあげる。


「くるみ、さすがにカール様とミール様に失礼。大丈夫なら起きないと」

「至福の時間だったけど仕方ないなぁ」

「あぁ・・・」


 私は、体をおこしたことによってしずくが残念な声をあげる。そんなしずくの隣にミールがいた。そのままミールとしずくで話し込んでしまう。その話の内容は言わずもがなな内容だ。


「それで、大丈夫みたいだけど、夕食どうする?」

「あっ、いま時間どのくらいですか?」

「そうだね、くるみが気絶してから大体1時間ぐらい経過したあたりかな」

「うそ、そんなに?早く夕飯作らないと」

「あぁ、まだ動きだあしたらあぶな・・・」

「へっ?」


 早く夕飯の支度をしようと思い立ち上がろうとしたところ体がふらついた。体がふらつくとは、思っていなかったのでそのまま砂浜に尻餅をついてしまう。


「いって言おうと思ったのに。魔力使い切ってまだ回復しきっていないんだから」

「すみません、でも夕飯どうしよう」

「それは気にせずに」


 カールはそう言うと「パチン」と指を鳴らした。すると少し離れた場所に、机と椅子に加えパンを中心としたご飯が出てきた。

(うわぁ、なんでもありか)


「ん?一応魔力で作ってるだけだから味は期待しないでね」

「ご飯できた?」

「できてるよ」


こうして3日目の夕飯を食べ始めることになった。

味はカールが前もって言っていたように美味しくなかった。


「さて、今日で特訓も折り返しだ。というわけでしずくとミラも魔力を使えるようして行ってもらう」


4日目の朝食を食べている時にカールが突然そんなことを言ってきた。


「もう魔力使えるようにはしているから気にしなくていいよ」

「今日の最初は僕たちが担当しようと思う」


 私たちが話についていけていない間に、着々と話が進んでいっていく。そんな中なんとか思考が再起動した私は問うことができた。


「ちょっと待って、なんでそうなるの?」

「あぁ、そのこと。多分急ごしらえと言っても慣らしておかないと魔力にムラが出ると思うんだ」

「それにちゃんと手加減もするよ。大体1割ぐらいまで抑えておいてあげる」

「昨日みたいに魔力枯渇は気をつけてね」

「はーい」

「それじゃ、始めようか」


 その一言ともに、目の前にいたカールの姿が消えた。そのまま私の横で金属音が鳴り響いた。

音がした方を見てみるとそこには、漆黒の短剣としずくの黒い短剣が交差しているのが見えた。


「そうか、やっぱりくるみはこの速度にはついてこれないか」

「仕方ないよ、ここは少し荒療治しよう」


 ミールは、礫をミラへ打ちながらカールと話している。カールと同様にかなり余裕があるようだ。そんな数多の礫をミラは、ウィンドカッターで撃ち落とし続けている。そんな中、カールが私にノルマを化してくる


「それじゃ、くるみは今日は僕としずくの打ち合いを魔力を使わずに見ていてくれ。それが、見れるようになるのが今日の目標だ」

「カールそんなこと言ってぼくでも追うのやっとなんだけど」


 しずくは、カールの攻撃を2本の刀を使って弾いている。しずくが2本使っているのに対しカールは1本の刀しか使っていない。にもかかかわらず少しずつ、しずくの刀が遅れてきている。そのまましずくの首筋に刀を突きつけられ終了となった。


 一方、ミラのほうはウィンドカッターだけで対応ができなくなってからは、矢で礫を迎撃している。だが、ミラはせいぜい2つのウィンドカッターと1本の矢での迎撃に対し、ミールは純白の短杖を横にひと振りすることで5個の礫を精製しミラに飛ばしている。

 そのため、3つまでは撃ち落とせているが2つは回避している。そこに私も入ろうとするとミールは私の方に特大の石を飛ばしてくる。

その後「カールからしずくの戦闘観戦って言われたよね」と釘を刺されてしまい戦闘に参加できない。仕方なく、しずくの防戦を観察することにした。その後日が暮れるまでこの特訓は続いた。


「さて、くるみ、最後の確認だ。魔力強化で僕の攻撃を防いでみて」


 その一言を残し、カールが突然と消えた。それと同時に、私は魔力で強化を施す。すると一瞬カールの姿が見えたのでその姿が見えた方に杖を構えた。その結果が正しかったようで、杖の手前でカールの持っていた短刀が止まっていた。


「よし、合格だ」

「良かった~」

「くーねぇ、おめでとう」

「うん、これでなんとか明日に繋げられた」

「じゃっ、これで明日からは魔族もどきの相手だから頑張ってね」


そう言い残し二人はこの世界から姿を消した。そのあとは夕飯と摂り4日目は終了した。


 翌日、目が覚めると砂浜から草原へと移動していた。時間短縮のためとは言え寝てるあいだに移動させられるのはどうも腑に落ちない。朝食の準備を進めているとしずくとミラが起きてきた。


「ふわぁ~、おはよう、く~ねぇ」

「おはよう」

「二人ともおはよう、いつもどおりならそろそろだから早く食べちゃおう」

「「は~い」」


 二人の眠たげな返事を聞き、朝食を食べ始めた。みんなさっさと食べ終わったところで、森の方から人影がこちらに悠々と歩いてくるのが見えた。それを確認したしずくは、食器類をしまい刀と短刀を取り出した。次の相手がわかりきっていることから、ミラも弓を背中に背負い腰から短刀を取り出している。

悠々と歩いてくる人影は、私たちから50m程離れた場所で立ち止まった。そのまますっと腕を前に出し魔力が収束しだした。


「【イービルランス】」


 相手の放ったイービルランスを私たちはそれぞれで躱す。その後、以前と同じようにイービルランスは球体となった。その瞬間に、ソーラーウィップを巻きつけ少しづつ光の魔力を注いていく。すると十数秒でイービルランスは壊れた。

イービルランスを防いだあと、再度相手に目を向けると一瞬「にやり」と笑ったように見えた。

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