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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
3章「特訓」
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攻撃特訓_6

 しずくは、ストーンゴーレムへダークブレードを振るったが以前と同じように、腕でダークブレードの刃ごと防がれてしまう。そのまま羽虫を払うように腕を振るわれる。それによりしずくは、こっちに飛んできてたが空中で体制を立て直し地面に着地した。


「まただ、剣壊れた」

「でも、成果はあったみたい」


 ミラがそう言って、ゴーレムの腕を指差した。そこには、以前つけることができなかった傷をつけることができている。でもこのままだと、しずくの魔力も持たないので意味をなさない。なので、私の方でも手を貸していく


「【ソーラーウィップ】」

「Pi----Pi----」


 ソーラーウィップをゴーレムの腕に絡めると、ゴーレムから機械音が聞こえてきた。絡めている場所は、少しづつ赤熱してきており、耐久値も下がっていそうだ。そこにミラのウィンドカッターとラビィの礫が飛んでいく。赤熱化したことにより、岩が柔らかく柔らかくなっていたのか、ウィンドカッターで腕の中ほどまで斬ることができた。だが、ラビィの礫で腕にできた傷がふさがってしまう。


「あちゃぁ。ラビィは今回戦力外かな」

「きゅ~」


 私の一言に、ラビィが落ち込んでしまった。でも敵の回復につながっちゃうから仕方ないかな。ラビィの頭を一撫でして慰めておく。そのまま、ソーラーウィップでゴーレムの足や腕を赤熱化させていく。その時しずくから提案を受けた。


「くーねぇ、そのムチこれに巻きつけれない?」

「どうだろう、やるだけやってみるね」


 しずくが再度作り直したダークブレードを指差してきた。その提案にのり、ダークブレードにソーラーウィップを巻きつけようとした。だが「ばちぃっ」という音がしてムチがはじかれてしまった。


「うわぁ、今の何?」

「ミラちゃん何か知ってる?」

「ごめん、わからない」


 私たちの誰も知らなかったので、この場では深く考えずに再度チャレンジしてみた。すると今回はうまく成功した。そのまましずくも特に深く考えることもなく、ソーラーウィップを巻き付けたダークブレードを振るった。すると今回は、壊れることなくゴーレムの腕を切り裂く。だけどそのあとボロボロとダークブレードが崩れていく。


「せっかく、斬鉄剣ならぬ残岩剣できたのに」


 しずくがそう言って落ち込んでいるがやっぱりおかしい。あれぐらいで壊れるとは思えない。それに、普段はガラスのように割れるのに、今回はボロボロと崩れている。

(さっきの件も含めカールたちへ確認しないといけないな)


「くーねぇ、ここは終わらせよう」

「そうだね」


 しずくと意見が会いさっきと同じように、ダークブレードにソーラーウィップを巻きつけた。だけどさっきの2回と違い、バチバチで音を発している。しずくは少し気にはしているが、そのダークブレードでゴーレムの胸元に向け振るった。

するとゴーレムの胸元の次元が切れた。


「君たち何やってるの?」

「さっさとここから脱出するよ【転移】」


すぐ近くに、カールとミールがいて即座に転移でステラシオンに戻ってきた。


「さて、まずなんであぁなったか聞かせてもらおうか」

「まさか、世界を壊されるなんて思ってなかったよ」


ミールの一言に、私たちは言葉を失いぽつぽつと説明し始めた。その結果カールからの第一声が「力のコントロールできるまで使うの禁止」の一言だった。


「それで、さっき説明してもらった放電現象だけど魔力の融合が原因かな」

「やり方は簡単だよ。と言ってもここだと危ないからちょっと移動ね」


 ミールは移動するといったあとすぐに、いつもの真っ白い空間に移動した。そこで実践してくれた。


「簡単に説明すると、複数の魔法を合わせることによって起きる」

「例えば土と炎」


 ミールは右手に炎の玉、左手に土の玉を作り出しそれを合わせた。すると、3回目の時のように左手の土の玉が溶け、周囲に放電している。溶岩の玉が地面に落ち床から「じゅっ」っと音がしている。


「これが両方の魔力が均一だった場合、受け手側今回は左手だね。が弱いと付与自体はできるがもろくなる」


 今度は、カールが土の剣に炎の玉を近づけた。今回は放電現象は起きないがしばらくするとボロボロと土の剣が崩れた。


「逆に受け手側が強すぎるとね、はじかれるんだよ」


ミールが、再度炎の玉と土の玉を合わせると今度は、バチっと音がしてはじかれてしまった。


「まず、これがあの時の魔法の全て」

「そして混ぜ合わせた魔法は一際大きな力を持つ」

「どのぐらい?」


カールたちの質問にしずくが聞いた。ミールはそれを待っていたかのように、周囲には火の玉、土の玉、溶岩の玉が浮かんでいた。一方カールは鉄製の的を作り出す。その的目掛けミールが順番に魔法を打ち込んでいく。

土の玉は的に当たると土の玉が粉々に崩れ火の玉は周囲に火の粉を撒き散らし消え去った。最後に溶岩の珠を打ち込むと鉄の的は溶けて崩れ去った。


「まぁ、ざっとこのぐらいの差だね」

「魔法の温度の差なんじゃ?」

「そんな事ないよ。例えば光と闇でも同じように消し飛ぶよ」

「まぁ、ここではしないけど」


そう言って、ミールとカールの講義は終了した。


「でも、ステラシオンで使ってもさっきの世界みたいに壊れたりしないよね?」

「多分、壊れることはないけど、君たちの命の保証はしないよ」

「今練習用に作ったあの世界がどうなってるか見せてあげる」


ミールがそう言うと私たちの目の前に映像を見せてくれた。映像には、周囲の吸い込む大きな切れ目ができている。その切れ目は、徐々に大きくなっていきしまいには地面迄吸い込んでいってしまう。そのまま世界が消滅してから切れ目もとじた。


「これでさっきの世界は消滅した」

「そして、ここまで行かなくても周囲のものを吸い込むのは変わらないだろうね」

「うん、これは躱せない」

「無理だね」

「せっかく、作っていただいた世界を壊してしまいすみません」


私としずくは素直に無理と諦めミラは素直に世界を壊したことを謝っていた。


「それでどうする?一応攻撃特訓はノルマ達成したけど。この世界で少し練習する?」

「練習するにしてもさっきのは禁止だけどね」

「う~ん、どうしようか。くーねぇ、ミラどうする?」

「そうだね、少し組み合わせてみたいけど正直疲れたな」

「きゅきゅ~」

「眠いから私はパス」


結果私としずく、ラビィが残り少し練習しミラが戻って眠ることになった。

残った私たちは、少し練習することにした。その際に、カールに少し確認したいことがあったので、聞いてみることにした。


「ところでカール、使っちゃダメなのってダークブレードにソーラーウィップをまとわせること?」

「聞いてくれてありがとう。違うよ光と闇を混ぜるのが禁止」

「あれをここでやられたらたまったもんじゃないよ」


 とのことだったので大人しくここでは使わないようにした。

 私たちは、実験と称して色々と試してみた。その中の一つが、3属性の融合になる。魔力操作が比較的上手な私とラビィで、極力少なめの魔力で作り上げた土の珠に手をつけ、木属性の魔力を注入する。すると魔力で作った土なのに「にょき」っと草が生えてきた。そこに私指導の下しずくが魔力の大きさが一定になるように水を浴びせる。

すると濡れた土に蔦が巻き付いた球体が出来上がった。


「なにこれ」

「ボール状だし投げてみよう」


 私の疑問にしずくが前向き(?)な発言をしてくれていた。いざこの蔦と土でできたボールを、持ってみようとしたところでそのボールは消え去ってしまった。


「まったく、君たちは何度同じことをいわせれば気が済むんだい?」

「まさか、3属性でやるとは思わなかったよ」

「これは没収。というか僕たちが安全に処分するよ」

「えぇ~、せめてどうなるか見せてよ」

「どうする、カール?」

「まぁ、自分たちがどんなもの作ったのか知るにはちょうどいいか」


 そう言ってカールは、結界を張った空間を作り出し、蔦と土でできたボールをそこにぽいと投げ入れ蓋をした。蓋をしたと同時に、ボンという破裂音がして結界にヒビが入る。


「これだけじゃ少し足りなかったか」

「え~と、ごめんなさい」

「ごめん」

「きゅ~」


その威力をみて私たちは大人しく謝る以外の選択肢はなかった。

無意識にとんでもないものを作る3人でした。

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