攻撃特訓_5
カールたちが逃げたあと足元に魔法陣が1つ残っていた。残っていた魔法陣の中は、魔物が襲ってこないことが判明したので、今晩はゆっくり休むことができた。
(この魔法いいかも、ちょっと練習してみようかな)
そう思いつつ4日目の夜は夜が明けるまでゆっくり眠ることができた。
5日目になり引き続き山に向かって歩いていく。森を抜け少しの間、足元に草が生えていたがその草もなくなっていき、少しづつゴツゴツとした岩が散見されるようになってくる。そのままあたりを警戒しつつ歩いていると、目の端っこの方で何か動いたような気がした。
「しずく、このあたりに何か魔物いる?」
「ん?ちょっと待って」
「どうしたの」
「うん、ちょっと目の端で何か動いた気がして」
「いる、それもいっぱい」
「どこ?」
「う~ん、そこらへんの石としか言い様ないかな」
その時だった、私たちの周囲の石からにょきっと足が生えてきて、私たちに向かってきた。それにいち早く気づいたラビィがアースランスで数匹倒している。
「あれはストーンクロウラー、岩に擬態して待ち伏せする弱い魔物。でも背中の石は本物だからちょっと倒しづらい」
「ほんとだ普通に攻撃したら石貫けない」
「これは少し考えないといけないかもね」
「そう悠長なこと言ってられないかも」
「ちょッ!【ライトシールド】」
ストーンクロウラーが礫を飛ばしてきたので、私は咄嗟にライトシールドを使い礫を防いだ。その間にしずくは魔力を纏わせた刀でスパスパと石ごとストーンクロウラーを倒していく。
一方私とミラは、思ったようにストーンクロウラーを倒すことができないので、協力して倒していく。
主にミラのガストでストーンクロウラーを空に飛ばし、そこをソーラーウィップで裏にいる虫を順番に貫いていく。それによって、しずくやラビィより遅いものの確実に倒すことができた。
時間もそこまでかからず周囲にいたストーンクロウラーを倒しきることができた。
「ふ~、なんとかなったね」
「うん、あの数集まってもあのぐらいの強さなら大丈夫だね」
「そうだね、でも私とミラちゃんは火力不足が目立ったな」
「そこは連携するしかない。しずくみたいな火力ないから」
そう少し顔をうつむかせて伝えてきた。
それに対し、肯定してそのまま山に向け再び歩き出した。
岩場に入ってから山との距離が半分ほどになったところで、しずくが空中に浮かぶ赤い球体に気づきミラに聞いた。
「ミラ、あれ何?」
「あれは魔導球なのかな?」
「魔導球って?」
「魔導球はゴーレムの核。それを砕かないとゴーレムを倒せない」
話していると突然魔導球にギョロっとした目玉が現れた。そのまま、周囲の石を集め少しづつ人型になっていく。そのまま、両腕と両足が大きな岩で出来上がり、関節には比較的丸い石で作られる。胴体は手のひら大の石が集まり核を隠してしまった。
「運が良かったのかどうかわからないけど」
「ということはあれがCランク?」
「そう、ストーンゴーレム。最初に見たクレイゴーレムより攻撃が重いけどその分遅い」
「なるほど。じゃぁちょっと行ってくる」
「しずく、気をつけてね」
「うん、あの時みたいなミスはしないから大丈夫」
そう言ってしずくはストーンゴーレムへ向け駆け出していった。
しずくはストーンゴーレムに近づいたが、魔導球の影響なのかストーンクロウラーの石より断然固く刀の刃が一切通っていない。それを確認したしずくは、一度私たちの下へ戻り持っていた刀を一度影へしまい折れた刀を取り出した。
「ちょっと硬すぎ、打ち込む度に手がしびれる」
「しずく、大丈夫?」
「うん、この感じだとまだ敵対しないようだね」
「安全だけどいつ攻撃しだすかわからないから気をつけて」
「わかってるって【ダークブレード】」
しずくは、ミラの心配を簡単に受け流し、闇の剣を作り出しストーンゴーレムへ駆け出した。そのまま闇の剣を横に薙ぐことで、岩を切ろうとするがストーンゴーレムに当たったところで闇の剣が砕けてしまう。
「っ!?」
しずくは目を見開き驚いている。そこへストーンゴーレムの足がこちらに向きしずくを蹴り飛ばそうとした。そこでしずくは、ストーンゴーレムの足を土台にして後ろに下がってくる。それを見て心配になった私とミラはしずくのもとかけていくことにした。
「コイツも攻撃してくるようになった?」
「追撃がないから多分違う。ちょうど私たちのいるほうが進行方向になっただけっぽい」
「確かにカールたちはドラゴン踏み潰されるとも言ってたね」
「だから敵対というより進路変更かな?」
そうミラに首をかしげて言われてもはた迷惑なだけだ。なので、私たちは道を譲るように脇によると私たちに見向きもせずにそのまま歩いて行ってしまった。しずくの攻撃も聞かなかったと言うことで、今回は仕方なく見送ることにし再び山に向け歩いていく。
私たちは、4日間かけてやっと山にたどり着いたはいいが、山の麓に最初に見た黒龍。ブラックドラゴンが寝ていたので刺激しないためにも大人しく岩場へ引き返すことにした。
「どうしようか」
「あそこにブラックドラゴンが寝てるなんてね」
「ここは大人しくこの岩場で頑張ろう」
「ぼくはあの龍と戦ってみたいな」
「それは最低限のノルマ達成してからだね。しずく」
「そうだね、動けなくなるかもしれないし」
私は、黒龍と戦いたがっているしずくをたしなめてから、さっき見つけたストーンゴーレムを探しながら、さっき起きたダークブレードが壊れたことについて相談していく。そうしないと倒せないし。
「さっきなんでぼくの魔法壊れたんだろう」
「多分、魔法の強度不足もしくはゴーレムの特性かな」
「ということは魔法抜きであの身体抜くの?」
「何か方法はあると思うよ。ミラちゃんゴーレムに関する情報ある?」
「ごめん、魔導球を壊せばいいということぐらいしか」
「そっか今の辺りにはいないもんね」
そのまま話を進めていく。その中で、試しに全力でダークブレートを作って切ってみようというのと私のソーラーウィップで溶かせないか確認してみることになった。
地面にできたゴーレムの足跡を追って歩いていく。思ったより離れてしまったのか、ゴーレムの跡を追っていたけどお昼が近くなってきたので、その場に座り昼食にした。
昼食も終わったところで私はふと気になったことがあったので聞いて見ることにした。
「ラビィの粒化でストーンゴーレムの岩崩せないかな?」
「きゅい?」
「多分魔力不足でラビィが気絶する」
ラビィが首をかしげいており、ミラができないだろうと告げてくる。だけど胸のあたりだけでもできないかと聞いてみるとやってみる価値はあるということになったので、いくつかの方法を試すことになった。
「くーねぇ、やっと追いついたよ」
「そうだね、じゃあ出た案を順番にやってみようか」
私たちは、再び魔導球に戻っているストーンゴーレムへ近づいていく。するとさっきと同じように周囲の岩が集まってきて人型となった。それを確認したしずくは、動ける範囲で魔力を注ぎ込んだダークブレードを持ちストーンゴーレムへとかけていった。
ストックが尽きそう。
サクサク書いていこう。




