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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
3章「特訓」
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攻撃特訓_3

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 夕飯も終わり辺りが一層暗くなった。暗くなったことにより火を目印として、数多の魔物がよってきている。よってくる魔物は、以前戦ったゾンビや動く骨格標本のスケルトンといったお化け系や蛾や蚊といった虫系が焚き火に向かって群がってきている。


「これはなかなかに精神的に来るね、ていッ!」

「でも夕方の量から考えたらある程度想像できていた」

「空飛んでるのって倒しにくい」


 私たち3人とも愚痴をこぼしながら順次駆除していく。ラビィは、力尽きて私たちの真ん中で丸くなって寝てしまった。

 そんなラビィを守りながら、この場を乗り切らなくちゃいけないので結構大変だ。周りは地上にゾンビ及び骸骨、空には虫というありさま。しずくが言ったようにどちらか片方でも嫌なものがあったら気が狂いそうな状況だ。その上全員一撃で倒す必要がある。


「ミラ、スケルトンの弱点ってどこ?」

「頭蓋割れば倒せる」


 そう言いつつ実際に骸骨の頭に矢を当てて穴を開けるとスケルトンはその場に崩れた。

(なるほど、これは私のほうがいいかも)

そう考え杖でスケルトンの頭を叩き割っていこうとした。


「うわっ」

「もう、くーねぇ気をつけて、一応僕もなんとかできるんだからっと」


 転んだ私のところに、しずくが駆けつけてくれて刀の柄の部分でスケルトンの頭を叩き割っていく。それを見ながら、かっこいいなと思い立ち上がり、いつものようにバインドをメインにサポートしていく。ゾンビはムチの練習がてらソーラーウィップで近づいてくる順番に叩いていく。

 それによりなんとかゾンビの対処は楽なっている。ミラは主に矢と魔法で虫の対処し、しずくはスケルトンの頭をわりつつダークブレードでゾンビの腕ごと頭を破壊していく。そのまま3人で、状況を維持しつつ、時間が経過していき、戦闘は夜明けまで続いた。


「うぅ、眠い」

「ふわぁ~、こんなのが7日間続くのはちょっときついね」

「ん~ん、そうだねでもカールの注意が本当なら多分7日続くと思う」

「えっ、どういうこと?」

「実は、ゴブリン掃討作戦の直前に-----」


 私は、ゴブリン掃討作戦の直前にカールから私の夢は翌日の予知夢になっている可能性があることと昨晩の夢を話した。するとずくとミラは顔をしかめた。だけど、早急にはどうしようもないということでこの場は終わった。

二日目のお昼まで草原をひたすら歩き続けちょうどお昼になる頃に森の入口にたどり着いた。


「よし、お昼食べたら森に入っていこうか」

「そうだね、じゃあ私たちは周り警戒してるからくるみはごはんよろしく」

「はーい、じゃぁ警戒はよろしくね」

「きゅい」


 昨晩早々に寝たラビィは今日も元気に返事していた。私はラビィの頭を一撫でしてから料理に取り掛かる。昨晩につづき、お昼も匂いに釣られたのかゴブリンやホーンラビットが近づいてくる。それを難なくしずくたちは倒していくので安心して料理に集中できる。


「これでよし、しずく、ミラ、ラビィそろそろご飯できるよ」

「わかった、これ片付けたら戻る」


 しずくが戦いながら返事してくれた。今日のお昼は昨日手に入れた鶏肉を使って簡単に塩で味付けした焼き鳥にした。醤油とかあればタレも作れるんだけどないから仕方ない。


「う~ん、塩だけなんだけどとっても美味しい」

「良かった、ちょっと物足りないかなって思ってたんだけど」

「大丈夫、くーねぇの作ったものに間違いはない」


そう言って、しずくがVサインしてきたので私はお礼をいって食事を進めていく。

食事と後片付けも終わり森に入っていくことにした。


----------しずく視点-----------

 森に入っていくと思いのほか暗い。周囲を見渡しても木があるだけで、魔物の気配も少ないのでそこまで危なくなさそうだった。ただ時おり風で木の葉がざわざわ音を立てており、とても不気味な森だった。


「ひっ」

「くーねぇ、大丈夫だよ。風で揺れただけだよ」

「くるみってこういう雰囲気苦手?」

「うん、くーねぇはゾンビとか質量のあるホラーは大丈夫だけど幽霊とかダメなんだよね」

「それはちょっと大変かも、場所によってはレイスとかもいるから」


 それを聞いていたくるみは、肩をビクっとさせ怯えている。そんな時周囲の木から「オォォォオォォォ」といううめき声のようなものが聞こえてきた。

そのうめき声のような音を聞いたくるみは体の震えを一層大きくし、ぼくにしがみついてきている。

とっても約得だけど、このままだと戦えないな。そう考えミラにちょっと相談してみることにした。


「ねぇ、ミラこのままだと戦闘に出来ないから道変えない?」

「そうだね、このままだと問題が起きるね」


 そう話し合った結果、ぼく達は一度森を出て森の周囲をぐるっと回ってみることにいしたのだが、一向に森を抜けれそうにない。だけど以前のように道に迷ったというわけでないのに、いつまでたっても森を抜けることができないでいる。


「う~ん、これは多分魔物が原因かな」

「どういうこと?」

「多分だけどのここら辺の木全部魔物?」


そう言ってミラは徐に近くの木の枝に向けウィンドカッターを放ち木の枝を切り落とした。


「オォォォォオオオ!!!」


枝を切り落とされた木から今までより近くから、うめき声が聞こえてきた。その声を聞いたくるみは、より一層ぼくの腕に力を入れて抱きついてきた。

(ほどよく膨らんだ胸に腕が包まれてきもちいい)

そんなどうでもいいことを考えていると、ミラからジト目を向けられていたので、一度咳払いしてから話を進める。


「こほんっ、それでこの木が魔物って?」

「うん、さっき木の枝落としたけどすぐに生えてきたから、トレントっていう魔物だと思う。本来人を迷わせてから不意打ちで、根や葉っぱで攻撃してくるんだけど、攻撃してこないからわからなかったんじゃないかな」

「そうなんだ、くーねぇ大丈夫だよ。木の魔物だって。お化けじゃないよ」

「ほ・・・ほんと・・・???」


 半分泣きながら、僕に上目遣いで聞いてきてきたため、ぼくは少し顔を赤くした。そのままくーねぇを抱きしめてあげようとしたところで待ったがかかる。


「しずく、くるみのことは気になるのはわかるけどさっさと倒さないと、あと鼻血」

「えっ? あっほんとだ」


 ミラに指摘され鼻を腕で乱暴に拭うと血がついていた。そしてぼくは、くるみを抱いて頭を撫でながら折れた刀を取り出した。


「くーねぇにいつまでも怖がらせるわけにいかないから容赦しないよ。【ダークブレード】」


 ぼくは、この状況が終わるのは名残惜しいけど、くーねぇのために闇の剣を作り出し、周囲のトレントたちをどんどん丸太に変えていく。丸太に変えると倒したことになるようで、復活してこなかった。このまま、周囲のトレントをある程度倒し終わると、周囲に太陽の光が入ってくるようになる。

 くるみは、光が入ってきたことによって多少正気を取り戻したのか、僕から少し離れ周囲を観察している。するとまたトレントが鳴き出した。それを聞いたくるみは、またビクっと肩を動かしたが深呼吸してなんとか正気を保った。


「しずく・・・、これ幽霊とかじゃないんだよね?」

「うん、ここら辺の木がトレントっていう魔物で鳴いてるだけだって」

「それなら、多分・・・大丈夫・・・かな」

「くるみ、ソーラーレイでここら辺の木を燃やせる?」

「できるけど、私たちは大丈夫かな」

「大丈夫だと思う、熱気とかはこっちに来ないように調整できるから」

「わかった【ソーラーレイ】」


 くるみは、ミラの言葉を信じて近くの木にソーラーレイを放ち続け発火させた。すると周囲のトレントにも燃え移り、一際大きいうめき声の大合唱が行われた。その間、ミラは熱気をこちらに来ないようにしつつ、酸素を循環させることで、私たちはトレントを倒しきることができた。


 改めて、空を見てみると大分日が傾いていたため、少し早いけどここで野宿をすることにした。

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