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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
3章「特訓」
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攻撃特訓_1

「君たち。おはよう」

「おはよう」

「お、『おはようございます』」


 私は、今までとカールとミールの雰囲気が違っていたため、すこし詰まってしまった。そんな私たちを見て二人が珍しいものを見たような顔をしていた。


「珍しいね、、ミラはともかく君たち二人が敬語なんて」

「いや、ただ二人とも雰囲気がいつもと違ったので」

「そういうことかい。今日は久しぶりにまじめだからね」

「今日はちょっと本気出すよ」


 そういって、カールとミールは手をつなぎ二人の魔力を双方に流しあう。相互に流すことによりお互いの魔力が混ざり合い、虹色の魔力になっていった。

そのまま少しづつ繋いだ手から魔力を放出し、二人の足元に魔法陣が出来上がった。そこまで来て二人は呪文を唱え始める。


「我等は双生の神也」

「我等は新たな世界を求める」

「この世界のルールは我々双生の神であり」

「全てを統べる神である」


 カールから始まった呪文は、進むにつれ徐々に魔法陣の輝きも増していく。私たちは、息をのんでその景色を見守ることしかできないでいた。そのまま見守り呪文が終わった。


「「秘術・世界創造(クリエイトワールド)」」


二人がそういうと魔法陣が消え何事もなかったように辺りはし~んと静まり返った。


「どうしたんだい?」

「あほ面してどうしたの?」

「あぁ、いえ、もう終わったのですか?」

「何にも起きてないけど」

「あぁ、終わったよ」

「じゃっ、しずくたちを送るね」

「カール様、どうやってですか?」

「君たちの師匠も同じようなことやってたと思うよ」

「ミントさんが使ってた魔法陣でしょうか?」

「そう、それだよ。あれは魔法陣にまで簡略化し、尚且つ手を加えた特殊なものだけどもとは一緒のものだ。」


 私たちでカールとミールにいろいろと聞いていると、カールが答えを伝えてくれる。そのあと再度カールとミールは手をつなぎは灰色の魔力を作り上げた。


「簡単に言うとこれが君たちの帰る方法の一つかな」

「それじゃあ、心の準備しておいてね」

「「【テレポート】」」


 今度は詠唱なくテレポートの魔法を唱えた。その後、私たちの足元が光だし私たちを包み込んだ。


 光が収まり辺りを見回してみると、空中に放り出されていた。それを認識した私たちは慌てふためいた。だが、そんな私たちに対しカールが「ここがこれから訓練に使う世界だ。よく見ておくといい」と告げる。そういわれてしまっては仕方なく、恐る恐る周囲を見てみた。


 するとこの世界は、真下に草原が広がっており、そこから森や荒野、雪山、海といったある程度の地形がそろっていることが確認できた。


「さて、みんなこの世界は確認できたかい?」

「うん、でも地面がどんどんちかづいてきて怖いんだけど!!」

「もう少し私たちを信じてよ。というわけで、【フライト】」


 そう一言言った後、ミールがフライトという魔法を使う。フライトは対象を浮かせる魔法のようで、私たちは無事に地面にたどり着いた。


「よし、この世界はどこに何あるかっていうのはわかったかな」

「うん、わかったよ。怖かったけど」

「ふっふーん。しずくの怖がり」


 ミールがいつもの調子に戻り、しずくをあおっている。しずくは、今回ばかりは無視して話を進めていく。それを見たミールは、唇をとがらせて明らかに不服そうな顔をしていた。


「まぁ、話を進めていくと、ここはついさっき作った世界だ。ここでは基本的に死ぬことはないが完全に死なないわけじゃない」

「どういうこと?」

「実物を見た方が早いだろう。ミールお願い」

「はいはい」


 ミールは、返事して指をパチンと鳴らした。すると、私たちの前で動きを止めたゴブリンが姿を現す。そのゴブリンの腕に向け、カールはどこから出したかわからない、純白の短刀で切り飛ばした。だが切り飛ばしてゴブリンは痛がっているが、すぐに切り飛ばされた腕が生えてきて腕が治った。


「この世界事態にリカバーという最上級の回復魔法を張っている。その関係でさっきのように腕を飛ばされてもすぐに回復する」

「だけど、即死はどうしようもないよ【ウインドカッター】」


 説明と同時に発動したウインドカッターで、ゴブリンの首を飛ばした。するとその場に倒れて動かなくなってしまった。


「まぁ、こんな具合に即死攻撃はどうしようもないから」

「それで、しずくたちにはこの世界で7日間。まぁ、向こうに戻ればだいたい14時間ぐらいかな」

「大体そのぐらいだね。その間ずっと攻撃訓練をしてもらう」

「それって大丈夫なの?」

「大丈夫大丈夫。・・・たぶん・・・」


(最後の一言はとっても気になるけど気にしないでおこう)

そう自分の中で決着をつけ重要なことを聞いてみることにした。


「ここの世界で一番強いのって、どれぐらいの魔物がいいるんですか?」

「そうだね、一番弱いのだとさっきのゴブリン、一番は多分こいつだ」


その一言とともに姿を現したのは、黒いトカゲに翼が生えた生物。一言でいうと黒竜が私たちの前に姿を現した。だが、こちらへ攻撃してこようとはせずそのまま飛び去って行ってしまう。


「い、・・・今のは?」

「多分この世界で最強のブラックドラゴンだ」

「そのまんまなんですね。ではなぜ攻撃されなかったのでしょう?」

「それは簡単だよくるみちゃん。攻撃練習って言った通り、君たちは攻撃に専念できるよう、設定したからね」

「でも、足につぶされたりしたら死ぬから気を付けてね」

「ねぇねぇ、ミールあんな奴倒さないといけないの」

「そんなことないわよ、最低限倒せるようになっておいてほしいのは、Cランク相当の魔物」


 そういうと、地面から2メートルほどの人型がせりあがってきた。そのまま、ミールに対し腕を振り下ろしてくる。その攻撃は鈍重ではあるが、それに気づいたそぶりを見せないミールには当たるだろう。だが、そんなことを気にした素振りを見せないミールは淡々と説明を続けていく。


「まぁ、簡単なところではこのクレイゴーレムかな。ゴーレムは力が強くても動きが遅いから。だけど一撃で倒すのは骨折れるけどね」


 余裕そうに言っているが、腕はすぐ近くまで迫っている。だが、ゴーレムの腕はミールをつぶすことなく、地面とぶつかり小さなクレータを作り上げた。対して、ミールはすでに腕の上にさっきと同じ姿勢で立っているだけだった。


「こんな具合に、かわそうと思えばいつでもかわせるぐらい遅いから倒しやすいでしょ」

「いやいや、そんなことぼくたちにはまだ無理だよ。それにしてもなんで攻撃してきたの?攻撃されないようにしてるんだよね」

「もちろんしてるけど、どれぐらいパワーあるか知りたいでしょ?」


 ミールはそうしずくに伝えると、手のひらをクレイゴーレムの中心に向け手のひらから何かを打ち出した。すると、クレイゴーレムの胴体に穴が開きそのまま土に帰って行ってしまう。


「というわけでがんばってね。期日は7日間でCランク相当のを倒してね」

「もちろん、連携前提だから個人パフォーマンスがいくら高くても倒せないよ」


 そう言い残し手をひらひらとふり、二人の神は姿を消した。取り残された私たちは、従うしかないので周囲を見て周りつつ、見えている山に向けて歩き出すことにした。。


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