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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
2章「魔物の巣窟」
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謎の少年少女

はじめは特に誰の視点ということもありません。いつものように視点いれると違和感感じたので、入れるのやめました。後半はいつもどおりくるみちゃん視点でお届けします。

「こふっ!」


 びちゃっとしずくの吐いた血が悪魔の少女の腕にかかる。その血を一舐めし、悪魔の少女は少し不満そうにしていた。


「ちっ、無意識のうちに魔力で防ぎやがった。そのせいで即死をまぬがれたか」


 そう独り言を言いつつ悪魔の少女は、しずくの持っていた刀を手に取り、刃に指を這わせ横に滑らしす。だが、悪魔の少女の指は切れることはなかった。

 予想通り切れることがなかったのを確認した少女は、さらに落胆の表情を浮かべくるみの下へ歩いていく。そのまま手に持った刀をくるみの首筋に添え、刀を振り下ろした。

だが、横から短刀が割り込んできてくるみに届くことはなかった。


「ごめんね。今その娘たち殺されるわけにはいかないんだ」

「お前たちは誰だ」


 悪魔の少女が、割り込んできた少年と少女の2人に誰何を尋ねる。二人は息を合わせて「ただの冒険者だよ」と返した。それを受け少女は気を悪くしたのか、持っている刀を力任せに短刀を持つ少年に向け切りつけた。少年は、刀を短刀で難なく受け止めると、少女に指示を出す。


「二人を回復させて。くるみちゃんとラビィは魔力枯渇で気を失ってるからほうっておいて大丈夫」

「わかった。手っ取り早く最大で行くね【リカバー】」


 少女がリカバーと唱えると、ミラの肩に空いた傷としずくの負った傷が治りなんとか一命をとりとめた。その時、悪魔の少女に焦りの表情が見えじはじめた。


「ちっ、せっかく知恵を授けたのにもう死にやがった。それにこっちも部が悪いな」

「よそ見している余裕あるのかな」

「よそ見してると死ぬよ【フレイム】」


 少女が短杖を降ると悪魔の少女の背後から炎の波を作りだす。一方少年の方は、短刀で悪魔の少女の腕や頬などに切り傷をつけていく。悪魔の少女は刀を手放し、少年の短刀を手のひらで抑えることにより封じる。そのまま手刀で後ろから来たフレイムを横に一閃し無力化する。


「くっ」

「やっとその無表情から変わったね」


 悪魔の少女が、痛みにより苦悶の表情となる。左手は短刀が貫通し、左手が炎により焼け爛れている。悪魔の少女は、これ以上ここに居る必要がないと思いつつ、二人の攻撃を受け流すので精一杯だった。悪魔の少女は普段使わない魔法を行使する。


「ここで死ぬわけにはいかないのでね。【ダークホール】」

「また面倒な魔法を」

「任せて【ファイア】」


 悪魔の少女が使った周囲をダークホールにより辺りが闇に包まれた。その直後、少年は持っている短刀から何かが抜ける感覚が手に伝わってきた。少女も即座に光源を確保するために炎を作り出したが既にこの広間に悪魔の少女の姿どこにもなかった。


「カール、逃がしちゃったね」

「ミール仕方ないよ、今回僕たちが来たのは別の理由だし」


そう言いつつカールは地面に寝ているくるみたちの状況を確認していく。その結果、ミラが多少貧血気味になっているけど3人とも今後に支障が出るような傷を負っていないことを確認していく。


「さすがミールだ、身体的な後遺症は出ることはなさそうだね」

「あったりまえでしょ、カール。それにそのお姫さん再起不能にしたらセバスやくるみたちに何言われるかわかったもんじゃないもん」

「まぁ、間違いなく恨まれるだろうね」

「そうだよ。それに、私もくるみとしずくのことはとっても気にいてるし。手を抜くことなんてありえない」


 二人でくるみたちのことで話ていると、出口へ続く道からグレンたちがやってくるのが見えた。それを確認したミールとカールは、お互いに目配せしてくるみたちのことを、彼らに任せてからこの場を去ることに決めた。


「これは君たちがやったのか?」

 この部屋に入ってくるなりグレンがカールとミールに問いかける。一方カール達は心外だと言わんばかりの顔で受け答えをする。

「悪いけど、この状況は僕たちのせいじゃないよ」

「そうそう、私たちは逆に助けた側だよ」

「じゃぁ、これは誰がやったって言うんだ」

「それはわからないけど、多分ゴブリンたちじゃないかな。そこの壁に吊るされているのとか、少し日が経ってるし」

「そこに寝ている子達は魔族の仕業だけどね」


 その答えを聴いて、グレンのパーティメンバたちが身構えるが、グレンが手で制して落ち着かせ、武器を抜くのを抑えさせる。そして、ミカゲに短的に質問を投げかける。


「ミカゲ、ここら辺に敵意もっている奴はいるか?」

「いや、いない。彼らにも敵意はないみたい」

「そうか、お前たちの素性を知りたいんだが教えてくれるか」

「それはできない」

「無理だね。まぁカストルからきた旅人と思ってくれていいよ」

「それじゃあ、僕たちは行くね。そうだ、彼女たち治療したけど一応病院に連れて行ってね」

「ちょっとまて、ミカゲあとをおってくれ」

「はい」


 カールとミールがそう言い残し横に曲がる空洞に入っていく。それをミカゲが後を追いかけていった。ミカゲは空洞から先を覗いたあと戻ってきた。


「どうした?」

「逃げられた、そこから曲がったら既にいなかった」

「ちっ、逃がしたか。まぁいいその子達を連れて帰るぞ。緊急を要するかもしれん」

「わかりました」


グレンは洞窟を戻り外に出た。アッシュたちのパーティはまだ中にいるようで、洞窟前にはソロがメインの冒険者たちと少数のゴブリンたちがいるだけだった。


「おつかれ、こっちは状況どうだ」

「あぁ、グレンさん。こっちは大丈夫です」

「そうか、アッシュたちはまだ中か?」

「はい、出てきたのはグレンさんたちのところだけです」

「そうか、俺たちは先に戻っているとあとから出てきた奴らにも伝えておいてくれ。夕方に今回の打ち上げもやる予定だ」

「わかりました、伝えておきます」


若い冒険者にそれだけ告げるとグレン達はくるみたちを抱えて街に戻っていった。


----------くるみ視点-----------

 目が覚めると白い部屋のベットに寝かされていた。首だけであたりを確認してみると枕元に毛布にくるまったラビィと私と同じようにベットに寝かされたくるみとミラがいることを確認しできた。


「ここどこだろう」

「う~ん」


 そう独り言を言うと、しずくのベットから声が聞こえてきたので体を起こし、しずくの方を見てみると私と同じように起きていた。


「しずく、おはよう」

「あぁ、くーねぇ、おはよう。ここどこ?」

「わからないな」


話ていると「こんこん」とノックの音がなり白を基調とした服を来た女性の看護師が入ってきた。


「起きたのね。体に問題ない?」

「はい、大丈夫ですけど、ここはどこですか?」

「そういえばここに来たとき気を失ってたわね。簡単に状況を説明すると、ここは病院。3人ともゴブリンの巣で気絶してたみたいよ。気をつけないとダメでしょ」

「はい、ごめんなさい。ところで武器とかはどこですか?」

「それならグレン君に預かってもらってるわ。今の時間帯ならギルドにいるみたいだから受け取ってきたらどう?それにちょうどもうひとりの子も起きたみたいだし」

「くるみ、しずく。大丈夫?」

「うん、私たちは大丈夫。ミラちゃんは?」


私がそう問いかけると貫手を受けた右肩を少し動かしたあとに返答をしてくれた。


「う~ん、少し違和感あるけど戦う分には問題なさそう」

「よし、3人とも大丈夫ようだね。それならさっさといったいった。君たちは少し魔力消費がひどかったことを除いて健康そのまんまなんだから。いつまでも病院のベット占領しないこと」


ラビィをしずくの出してくれた寝床用の籠に移し、看護師に背中を押されながら病院をあとにした。

あと1話で第2章終了です。第3章は月曜日から始まります。

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