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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
2章「魔物の巣窟」
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夢3

翌日の作戦会議をした日の夜、久しぶりに夢を見た。

作戦会議中に運動会の時の話をしたからなのかな。


今回の夢はまだ私たちが小さくまだ両親のもとで生活を送っていたときのことだった。


「おねえちゃん今日はうんどうかいだね」

「しずくがんばって1等賞とろうね」


私としずくがお互いに一位を取ろうと話している。これからやるのは100m走。同じチームなので今思えばお互い1位ということはないんだけど。

(でもこの時から私としずくはお互い重度のシスコンだったんだな)

この時は結局しずくが1位で私が途中で転んでしまって最下位だった。まぁ転倒がなくても下から数えたほうが早かっただろうけど。


 そんなことを考えていると時間が飛んだようで気づけば長距離走になっていた。私は参加しないのでクラスの待機場所からしずくを応援している。


「し~ず~く~、がんばって~」


私の声援が届いたようで飛び跳ねながら手を振ってくれていた。少し経ってしずくが走る番になった。


「位置について、よーい」

バン!!!


先生の持つピストルから空砲が鳴りレースが始まる。

しずくはスタートダッシュをかけてほかの走者を引き離していく。だが少しづつ失速していく。

そのままほかの少しづつ走者に抜かされていってしまい応援した介もなく6人中5位で終わってしまいった。そのあとしずくが私のところに走って来た。


「おねえちゃ~ん、こめ~ん。せっかく応援してくれたのに~」

「大丈夫、しずくは頑張ったよ。おねえちゃんは充分満足だよ」


 私はしずくを抱きしめ頭を撫でて落ち着かせることを優先する。そのまま風景がおぼろげになっていった。


気がつくと真っ白な部屋の中に私はいた。


「くーねぇ、おはようでいいのかな?」

「どうなんだろうね、ここだと時間分からないし」

「久しぶりだね・・・モゴモゴ」

「おひさ~・・・モゴモゴ」


その言葉とともに私たちの前にミールとカールが出てきた。

二人はそれぞれ口の中に何か入っているようで口をモゴモゴ動かしている。


「何食べてるの?」

「あめちゃん♪」


ミールが飴の入った袋を取り出して見せてくる。


「ちょうだい」

「だめ」

「「しずく(ミール)なにやってるの」」

「だって美味しそうなんだもん」

「だって美味しいから渡したくないんだもん」

「あんた達は。まぁこの似たもの同士は置いておいてそれでなんのようなの?」

「やっぱりくるみは話が早いね。お願いしてた件だけどしばらく大丈夫だよ。知人を向かわせて対処にあたってもらってるから」

「良かった、このままだとしばらくふたご島から外に出ることできなさそうだったから」

「あぁ、そういえば他国に行くためにDランク以上必要なんだっけ」


そう話しているあいだにもミールとしずくがあーだこーだ言い争いをしている。このままだと気が散るのでそろそろ止めるために動き出そうと思っているとカールも同じように考えていたようで動き出した。


「しずく、いい加減に諦めなよ。飴なら今度作ってあげるから」

「くーねぇ、ホント?」

「本当だよ」

「じゃぁ、この場は諦めるよ」


「ミールも少しは分けてあげればいいのに」

「いや~。せっかく貰ったんだから」

「まぁ、向こうも落ち着いたようだし、まぁいいかな」


「そういえば、カールは何食べてたの?」

「僕はこれだよ」


 そう言ってグミの入った袋を見せてきた。その袋を見たしずくがミールの時と同じように食いついてきた。


「欲しい、いい?」

「いいよ、はい」

「ありがとう、カールはミールと違って優しいね」

「その言い方はまずいよ、しずく」

「なによしずく、私は優しくないって言うの?」

「そうだよ、だってミールは飴くれなかったじゃん」

「なんだと~」


 そう言い合ってしずくとミールが取っ組み合いを始める。それを見た私とカールは呆れた顔をして目を見合わせたあとに頷いた。

これによりいまのところ二人にはかかわらないでおこうとアイコンタクトで決めたのだった。


「話は戻す・・、知人を向かわせた・・悠長なことはしていられ・・からそれなりに急いでね。一応これで健康面は最初・戻った感じだから」

「それって戦闘面・は何がある・・・と?」

「頼んだ相手は・・・実力者だよ。・・・相手次第でいつま・・一緒にいれるかわからない・・ね」

「その・・実力って・・・に低いの?」

「ギ・・・ンクで言え・Aラ・・・な」

「それなら・・・よってってとこ・・・、そしてしずく、ミールうるさい!!」


 そんなに離れていないところでぎゃあぎゃあ言い争いをしていたのでカールの言葉がとぎれとぎれで聞き取りにくい。

その頻度が多くなってきたので私はついに二人を黙らせる。


「っ!!」

「なによ、私はこれでも神様なんだよ」


 しずくは私の言葉を聞き驚きはしていたがすぐに静かになった。だがミールは自分が神様だと言ってまだ静かにするつもりはないようだ。

 そんなミールを見てしずくが手を上下に振りながらワタワタしている。


「ミール、今のくーねぇに言い返したらダメだよ。絶対痛い目見るよ」

「何言ってるのよ。たかが人間に私が素直に謝るとでも思ってるの?」


 ミールが胸を張って私に伝えてくる。それを聴いて「ぶちっ」という音が聞こえたような気がした。


「神様が聴いて呆れるよ、しずくと子供みたいに言い争って。やってること子どもじゃないの。なによ、飴のひとつぐらいあげればいいでしょ。それにしずくもしずくだよ。夜遅くに飴やグミって虫歯になったらどうするの!!」

『だって・・・ミール(しずく)が』

「だって?」

『ごめんなさい』

「分かればよろしい」


 しずくとミールが素直に謝ってくれたのでこの場は良しとすることにした。

(二人してこそこそと話しているがうるさくないのでまぁほっといていいかな)


その頃二人はこんなことを話している。

「しずくのおねえちゃんめっちゃ怖かった」

「だから言い返したらダメって言ったのに。あの時のくーねぇは言い返したらだめなんだよ」

「覚えておく。笑ってるのに目が笑ってなかった」


それはさておき、カールとの話に戻ろうか。


「ごめんね、うちの愚妹が」

「大丈夫だよ、しずくにも悪いとこがあったし。素直にいうこと聞いてくれたしね」

「なかなかの迫力だったよ。くるみ」

「それ褒めてないよね」

「・・・そうでもないよ。迫力っていうのは戦闘でも役に立つしね」

「本当にそうなのかななんか取ってつけたようなきがするけど」


 少し間があったのでそこをついてみるとカールは悪びれもせずに微笑んでいた。そんなカールを見て私は呆れて話の続きを促すことに。


「それできた用事って全部なの?」

「そうそう、後ひとつあるの忘れてたよ」

「夢のこと?」

「何だ気づいてたんだ。なら話は早いね。くるみの一部の夢は予知夢になるから気をつけてね」

「やっぱりね。最初はたまたまかなって思ったけど2回目は似たようなこと起きてたからね」

「伝えることは伝えたし、帰るよミール」

「は~い、じゃぁね」

「ばいば~い」


しずくが二人に手を振って別れた。二人がいなくなったことにより泊まっていた宿屋の部屋に戻っていた。

時間にして日付が変わったぐらいだったのでそのまま寝直すことにした。

夢といいつつ夢の話がとっても短かった。今回は夢はおまけで後半がメインですね。

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