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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
2章「魔物の巣窟」
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ゴブリン掃討戦参加表明

私たちがデートを終えギルドに戻ると既にミラも解体の勉強を終えて2階の食堂で赤茶を飲んでいた。


『ただいま』

「きゅい~」


私としずく、ラビィがミラに戻ってきたことを伝えるとミラがむすっとした顔で出迎えてくれた。どうにも期限が悪そうだけど、私たちが予想以上に遅かったから心配してくれてたのかな。


「おかえり。遅かったけど何してたの?」

「くーねぇとデートしてた」

「あんまり無駄遣いしてないよね?」

「大丈夫、使ったの小銀貨2枚程度だから」

「それなら許容範囲か」


 それでなんとか許してくれた。しずくはミラとの会話は終始満面の笑みで受け答えをしていたのをみてデートしてよかったなと心のそこから私は思った。

 ミラは許容範囲と伝えると本題に話を戻して聞いてくる。


「それで、必要なものは買えたの?」

「半々かな。野宿に必要なものは買えたけど刀はなかったかな」

「そっか、残念だったね。こっちは猪の解体はできるようになったよ。あと犬と」

「犬?」

「うん、ちょうどハウンドの解体していたからついでに教えてもらったの」


 言われてみれば確かに猪より犬系のほうが技術として使うこと多そうだな。そう思いつつミラに後で教えてもらうように話を付けた。


「このまま昼食にしようか」

「いいよ。ラビィはもう待ちきれないみたいだし」


 私が言ったとおりにラビィが「げしげし」と籠をけっている。この行動派子供だからなのか魔物だからお腹が減ることで気象が荒くなっているのかわからないので、少し気をつける必要あるかもしれない。


「ラビィ、その籠蹴るのやめてね。その籠外でのラビィの寝床でもあるんだよ」

「きゅい!」

「えらいえらい」

「きゅい~」


ラビィに軽く注意するとラビィはびっくりして籠を蹴るのを辞めて籠から出てきた。それを見て私はラビィの頭を撫でて褒めてあげることにした。


「ラビィの寝床も買ったんだ」

「これはテントとか買った時におまけでもらったんだよ」

「それはそうとそろそろ昼食食べよう。ラビィもお腹空かしてるし」

「そうだね、食事しながらでも話せるし」


 しずくの言葉に了承し、みんなで食べたいものを頼んで届くのを待っているあいだに朝方ギルド員さんに相談されたことをミラにも話した。


「そっかぁ。あのゴブリンの巣の掃討をどうするのかって聞かれたのか。二人はどうしたい?」

「う~ん、私は司令塔役以外の相手ならいいかなって思うけど」

「僕はソルジャーぐらいとはやりあってみたいな。キングは勘弁だけど」

「そっか、なら受けちゃおうか。ミカゲさんも参加するならそこまで問題はないだろうし」


 相談し終わると人が少ないこともありそこま時間もかからずに料理が届いた。そのあと私たちは当たり障りのないことを話しながら食事を進めた。


 私たちは料理を食べ終わり会計を済ませ手からギルド受付へと向かいゴブリン討伐の件で話をすることにした。


「こんにちは、今朝のゴブリンの巣掃討で来ました」

「あら、その様子だと受けてくれるの?」

「えぇ、ですけど統率個体は厳しいのでそれ以外の対応となりますけど」

「わかりました。受付はしておきますが担当は討伐隊の隊長に後で伝えておいてください」

「わかりました。隊長って誰になりますか?」

「そうですね。基本的に一番ランクの高い冒険者になるかな。今のままだとミカゲたちのパーティになるかな」

「わかりました。会ったら伝えておきます」

「その必要ないよ」

『!?』


 いきなり後ろから声が聞こえてきて私たちは肩をビクッとさせてから後ろを振り返るとミカゲさんが立っていた。


「ミカゲさ~ん、びっくりさせないでください」

「ごめん。でも街中だからって気を抜きすぎもいけない」

「そうだよね。ぼくももう少し辺りを気にしておけば良かった。それはそうと必要ないって言ってたけどさっきの話し聞いてたの?」

「うん、バッチリ」


ミカゲさんが手で丸を作って聞こえていたことをアピールしている。その姿を見て意外と可愛い人だなと思った。


「じゃぁ君たちの実力を教えて萌えるかな」

「いいですよ」

「じゃぁ早速だけど、どのランクまで倒せた?」

「多分だけどブラッドボアの子供が一番強かったかな」


しずくが戦ったときの感想で言っているのでミラが補足を入れる。そうしないと相性が悪いだけで、実際は魔物のランクが低くても強く感じてしまう。だからどうしてもこうした知識豊富な仲間からの補足が必要になる。


「それで間違ってないよ。あと、ゴブリンは剣持ちや弓持ちとかの一般的なものはかな実際に戦ったことあるのは」

「それなら問題なかな。でもマジシャンとかの戦ったことのないゴブリンか統率個体は経験しておいてね。できれば両方経験しておいて欲しいけど時間的にそんな余裕ないから」


ミカゲさんのお願いに少し疑問に思うところがあったので私は素直に抱いた疑問を聞いてみることにした。


「ミカゲさん、さっきのお姉さんとの話を聞いてたらわかると思いますけど、私たちはできれば統率個体との戦闘はしたくないんですけど」

「それはわかってる。さっき聞いた限りだと君たちはFランクに足をかけた程度の実力。ソルジャーとの戦闘には少し戦力不足」

「だったらなんで、統率個体との戦闘経験がこの場で欲しいんですか?」

「それは、集まってる範囲でパーティ戦ができる人が少ないのが原因」

「えっ? なんでですか? ここまで大きい街だと冒険者も多いと思うんですけど」

「まぁ、場所の都合もある」


ミカゲさんはなぜここにパーティ組める冒険者が少ないかを説明してくれた。

なんでもここは行商人の通過点ということもありパーティの冒険者は主に護衛で立ち寄った冒険者が多いようだ。そのため、受けるクエストも危険性が少なく時間のかからないクエストになることが多い。

よって、この街にはパーティで行動している冒険者よりソロで堅実にランクを上げている多いとのこと。


「なるどほ、そうだったんですね」

「カストルやポルックスならパーティ組んでる冒険者も多い」

「ソロの人たちに即席でパーティ組ませてないのは、ゴブリンソルジャーパーティだと危険だからということですか?」

「そう、せめて一定以上にはパーティになれていてもらう必要がある」


その言葉により私たちにゴブリンソルジャーが回ってくる理由がなんとなく理解できた。

私が納得していると今度はしずくがミカゲさんに質問を投げかけるようだ。


「ぼくたちに回ってくることはわかったよ。それなら統率個体ってどこにいるの?」

「統率個体ならここから西に少し行けばジャッカルがいて低確率でジャッカルリーダと会えるよ。多分今から行けば1体ぐらいは会えるんじゃないかな」

「わかった。くーねぇ達と相談してどうするか決めるよ」


しずくがこのあとの用事を相談してから決めると伝えるとミカゲさんが明日の集合時間を伝えてくれたあと外に向かって歩いていくのだった。


「うん、それと明日朝のうちに出発だから」

『わかりました』


 私たちはゴブリン討伐隊に正式に加わり最悪の場合、ゴブリンソルジャーを1体相手にすることがほぼ確定的になってしまった。

(ゴブリンソルジャーかなんとかなるのかな)

 そんなことを思いつつミカゲさんと別れた私たちは再び2階の食堂へ戻りそれぞれ好きな飲み物を頼みこのあとの予定につてい相談を開始することにした。

私の心配がしずくにも伝わったようでしずくが私の手を握ってきてくれたので優しく握り返してあげることにしたのだった。


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