戦果の整理
今回短めです。
私たちがゴブリンの巣を確認したあとクルートへの帰路についた。クルートに戻った頃には日も暮れて暗くなっていた。
私たちはその足でギルドに入り受付に直行する。
「今戻った」
「ミカゲおかえりなさい。それで件の洞窟はどうだった?」
ミカゲさんがギルドのお姉さんに洞窟の状況を報告した。
その結果ゴブリンキングがいるということもあり早めに対応したほうが良いということになり討伐隊の編成をすることになった。そのままギルドのお姉さんとみかげさんで話が進んでいき当日の話まで入っていく。
「それじゃあ、ミカゲさんに当日の道案内よろしくね」
「わかった」
「私たちは当日出れなくても大丈夫ですか?」
「えぇ。問題ありませんよ。あとこちらゴブリンの巣発見の報酬です」
ギルドのお姉さんから小銀貨5枚渡してもらい、財布がわりにしている革袋に折れて雫に渡した。
「ありがとうございます」
「いえいえ。もとより魔物の巣や盗賊の根城発見者に対する正当な報酬なので。お礼を言いたいのはこちらの方です」
「いえいえ。お姉さん宿屋でおすすめある?」
しずくがお礼に対し返答したのに併せて宿屋についていい場所がないかと聞いているみたいだ。。
「そうねぇ。女の子だけで泊まって安全なところとなると宿屋メルトかな」
「それってどこにあるの?」
「メルトはギルド出て左側にいけば大通り沿いにあるよ」
「ありがとう!」
こうして今日の宿が決まったのだった。
宿屋の位置を聞いて私たちはギルドをあとにして宿屋に向かうことにした。
宿屋に到着したあとにラビィを中入れていいか確認し3人部屋をとることにした。
「おぉ今日はベットだ。二日ぶりにゆっくり寝れそうだね」
「昨日はじめんだったからね。あれは寝づらかったよね」
「明日はテントとか野宿品を買い揃えようか。それとブラッドボアの解体もしていない」
「そういえばそうだね」
ミラに言われるまで忘れていたブラッドボアの解体やゴブリン素材の売却とかを思い出す。
「じゃあ明日は別行動かな」
「そうだね。ブラッドボアは私が行くから二人で日用品の買い足しと売却とかお願い」
「やったー! 明日はくーねぇと一緒だ」
「でもしずく。ラビィは一緒だからね」
「まぁ仕方ないよね。ラビィを解体所には入れれないし」
「明日の予定もある程度決まったし夕飯食べようよ。お腹すいた」
「そうだね。今日は帰ってくるのも遅かったしね」
しずくの言葉に夕飯がまだだったことを思い出すと余計にお腹がすき始めてしまう。育ち盛りのラビィも「きゅいきゅい」鳴き始めたので夕飯にしたほうがいいだろう。
「夕飯はこの下の食堂にしようか」
『賛成』
食堂でごはんを食べることに決めた私たちは、階下へ降りていき宿屋の人に食堂がまだ開いているか聞いてみることにした。
「食堂ってまだ開いてますか?」
「あぁまだ開いてるよ。でもそろそろしめる時間だからご注文は早めにね」
宿屋のおかみさんに聞くとまだ開いてるようだったので私たちは其々食べたいのを頼み夕食を終わらせた。
この日はずっと歩き遠だったこともあり部屋に戻りすぐに寝る準備を整えて今日は休むことにした。
翌日、宿屋メルトの部屋で目が覚める。今日の予定は昨日話したとおりなので朝食を食べ終わったあとにギルドへ向かうことにした。
ギルドに着くと昨日対応してくれたお姉さんがいてくれたので解体所について聞いてみることにした。
「すいません。解体所紹介してもらっていいですか?」
「あら、君たちおはよう。朝から解体所って珍しいね」
「昨日案内してもらいたかったんですけどゴブリンの巣でそれどころじゃなかったので。それで討伐隊は集まりそうですか?」
「う~ん、それがねキングがいる所為か集まりは微妙なのよ」
「そうなんですか。集まるといいですね」
私はなんの気なしにゴブリン討伐部隊のことについてギルドのお姉さんに聞いてみるとゴブリンキングが強いからなのかはわからないが集まりはあまりよくないようだった。
「あぁ、解体所ならこのギルドに隣接してるから行ってみるといいわ」
「ありがとうございます。しずく、ブラッドボア出してきてね」
「はーい、あまり解体所には入りたくないけどこればかりは仕方ないよね」
そうぼやきながらしずくとミラはギルドからでて隣にある解体所の方に向けて歩いて行った。そんなしずくを見送っていると先ほどの話を聞いていたのかギルドのお姉さんが話しかけてきてくれた。
「なんだったらゴブリン討伐なんだったら君たちも参加する?」
「いやぁ、私たちだと足でまといになりそうなので」
私が率直に足でまといになりそうなことを伝えるとさっきの話に出ていたブラッドボアについて触れてきた。
「あら、ブラッドボア狩れたんだ。それなら今回のゴブリンの巣の参加は十分よ」
「そんな、ブラッドボアと言っても子供ですよ」
「それでも十分よ」
「そうなんですか? ならちょっと相談して決めさせてもらいます」
「よろしくね。早ければ明日だから今日中に連絡ちょうだいね」
「はーい」
そう言い残してお姉さんはギルドの受付の奥へと消えていった。それと入れ違うようにしずくが戻ってくるのが見えた。
「くーねぇ、ただいま。解体所の人たち驚いてたよ」
「おかえり、しずく。また変な出し方したんじゃないの?」
「違うよ、今回は普通に影からブラッドボア出して机の上においただけだよ」
「まぁ確かに私たちからしたら普通なんだろうけど慣れてない人だと普通じゃないからね」
「あぁ、言われてみればそうだね。いつもどおり過ぎて忘れてたよ。てへへ」
しずくがそういい笑っている。そんなしずく話しながらギルドに併設している買取り所に向かうことにした。買取所では暇そうにしている親父がいて私たちを見て話しかけてきた。
「何だい朝っぱらから。暇ならクエスト受けて外で狩りでもしてきたらどうだ」
「おはようございます。昨日までに狩ってた魔物の素材売りに来ました」
「そういうことか。でもパッと見なにも持ってないようだが」
「しずく、いらないの出して。ホーンラビット1羽まるまるいれば問題ないから」
「わかった。じゃぁこのあたりかな~と」
そう言いつつしずくは自分の影のなからからホーンラビットや怪魚、移動中に見つけた木の実、ゴブリンの爪や角といった数多の素材を出した。
「おいおい、ちょっと待ってくれ。思ってたよりはるかに多いんだが」
「あぁ、ごめんね。基本的にスグ使わないのこの中に入れてるから」
あまりの量の多さに店員が顔を引きつらせているが、良質なのもあるので査定に入ると言って奥に行ってしまった。
「すみませんどれぐらいかかりますか?」
「あぁ、悪い悪い。そうだな昼には査定終わらせといてやる。昼以降に来てくれれば買取金をわたすぞ」
「わかりました」
素材の売却が終わったので私、しずく、ラビィの3人でギルドをあとにし街中に出て買い物を開始することにした。




