ホーンラビット討伐終了
ギルドを出て村の北側へ向かっている。北に行くにつれ畑等が多くなっていくことに気づいたので、八百屋に少し寄ってみることにした。
「いらっしゃい、うちの野菜は新鮮だから美味しいよ」
おばさんが声をかけてくれたので私は野菜を見ながら話をしていく。
「おはようございます。ここの野菜ってそこの畑でとったのですか?」
「そうさね。街に売りに出すには遅すぎたりした野菜をここで売りに出してるんだよ。とれたてってこともあってとっても美味しいから買っててよ」
その話を聞き俗に言うワケあり商品であることがわかった。
野菜はこういった大きくなりすぎたものとかのほうが美味しいので少しみていくことにした。
その結果ハッサイ(見た目白菜)、キュウカツ(見た目胡瓜)、ピーン(見た目ピーマン)といった野菜類を買うことにした。値段としては合計で大銅貨6枚だ。
(ちょっと買いすぎたかな。まぁ問題はないでしょ)
そう考えてその足で北門から外に出ることにした。
北門に到着し門番さんにギルドカードを見せて門から外に出た。そのまま街道にそって北を目指す。
その前に買った野菜類はしずくに頼みシャドウガレージの中にしまってもらった。そのあと、昨日残しておいた兎肉を出してもらうと傷んだように見えなかった為、シャドウガレージの中は時間が停止しているのかもしれない。
そこらへんは要検証の方がいいかも。
「街道の進んでいくとあまり魔物襲ってこないから予定通り街道から少し離れて歩こう。必要な討伐数も多いし」
ミラの意見に従い私たちは街道から離れて北上をすることにした。
辺りを見て見るとあまりホーンラビット姿が見えなかった。
(このままだとノルマ達成が大変そうだな)
そう思案しているとミラがホーンラビットを見つけたようだ。
「あそこにいるね」
「じゃあまずはラビィに戦ってもらおうかな。できる?」
「きゅいっ」
ラビィに戦えるか聞いたところ頷いてくれたので抱えていたラビィを地面に下ろしてラビィに戦ってもらうことにした。
ラビィはホーンラビットを見つけると一目散に走っていきキックを入れる。それに対しホーンラビットはこちらにいつもの如く突進で対応してくる。お互いがぶつかり合いラビィの足に切り傷ができていたがラビィの蹴りもホーンラビットの額にあたっている。
「ラビィ!」
「大丈夫、もう少し見てよう」
「でもラビィが・・」
「くーねぇ大丈夫ぼくもすぐに動けるように準備してるから」
「わかった。しずく本当にお願いね」
私は気が気でなかったがしずくもすぐに動けると聞きもう少しラビィの様子を見ることにした。
「【きゅうい】」
ラビィが普段と違う鳴き方をしたかと思うと傷ついた足が徐々に回復していく。
『!?』
私たちは驚きを顔に見せる。
以前、ミントさんから聞いた話だと回復魔法はとっても珍しくて使える人も少ないということだった。
それをラビィが使えるとは思っていなかったから当然である。
それで終わればよかったが驚きはこれでけではなかった。
「【きゅっきゅう】」
ラビィがまた鳴くと、地面から礫が飛び出してホーンラビットの全身に当たり始める。礫が邪魔になったのかホーンラビットがラビィに突進してくる。それに対しラビィがどうするか見ていると、また別な鳴き方をした。
「【きゅいきゅう】」
するとホーンラビットの正面に地面から槍が飛び出してホーンラビットの頭を貫いた。
「きゅう♪」
ラビィが私のところへ飛んで戻ってくる。
「ラビィお疲れ。ミラ、ラビィの種族分かる?」
「大丈夫、知ってる範囲だったから。ラビィはマジカルラビットみたい」
「マジカルラビット?」
聞いたことのない名前だったのでミラに聞き返すことにした。
「そ。マジカルラビットは魔法が使えるようになったうさぎ。でも回復まで使えるのは珍しいけど」
「確かに魔法使ってたよね。元から賢かったのもそのせいなのかも」
「でもこれでラビィ連れて行く懸念事項はなくなったね」
しずくの言うとおりラビィを連れて行くことによる懸念事項が一気に少なくなった。基本私と一緒にいることにより大分危険度は減ると思う。
「これでラビィ連れってっていいよね?」
「む~。仕方ない。これで危険性が減ったから断る理由が少なくなるし」
「ミラちゃんはラビィ連れて行くの反対なの?」
「反対じゃないけど自分の仕事サボらないでね。くるみはラビィと戯れてること多いから」
「確かにくーねぇ暇さえあればラビィと一緒にいるよね。ちょっと妬けちゃうな」
「うぐっ。気をつけます」
私が気をつけるということでラビィと一緒に旅するということで丸く収まった。
思ったよりホーンラビットの姿が少なかったので、私たちは3方向に分かれてホーンラビットを狩ることにした。其々迷わないかだけが心配だったが其々魔法(?)で10体倒した順に戻ってきている。
具体的には、ミラが風の自分が進んだ方向に微風を吹かせることによって進んだ方向を記憶している。私は草を分けることによって目的地に戻ってこれるようにした。一番謎なのがしずくで、私の匂いをもとにして戻って来たという。
私そんなに体臭するかなと思って気にしているとミラが「そんなことない。しずくが変態なだけ」と言ってくれてちょっと安心する。でも、しずくは変態じゃないと訂正だけしておいた。
全員戻ってきたのを確認して時間を確認すると大体お昼だったので昼食の準備をする。ラビィはしずくに預けて昨日と同じように私が料理してミラが解体をしていく。
各自好きな量を切り出してもらい順番に焼いていく。それとは別に今日買った野菜を使ってサラダを準備して完了。食事を取りながら今後の話し合いを進めていく。
「ゴブリンの情報ってある?」
「あるよ。ゴブリンは武器を使う魔物で背丈は子供と同じぐらいだから大体私たちの腰ぐらいかな」
「意外と小さいんだね」
「そうだね、でも種類が多くてゴブリンアーチャーやゴブリンソルジャーといった明確な役割を持った個体も存在している」
「へぇ、それは面白そうだね。いい運動になりそうなゴブリンいるかな」
「しずくそう単純な話じゃない。それらがだいたい3体から5体で行動してるから気を付けないとこっちにも被害が出る」
「そんなクエストGランクで受けれるんだ」
「一応普通のゴブリンはGランク相当の魔物だからね。それに明確な役割を持っているということはその分対応がしやすくもあるから。ただ最悪なのがゴブリンジェネラルやキングゴブリンとかの統率者がいた場合。ゴブリンに限らず統率個体がいると最低1ランク上昇と思ってくれればいい」
「それは大分きついね。でもどうやって対処するの?役割が決まってても大変だよね」
「そうだね。基本的に森の中を索敵して、3体編成のパーティをターゲットにして奇襲をかけていく。ゴブリンにばれたときは、私たちのバインドを使って敵を拘束してから各個撃破していくしかないかな」
これから戦いに行くゴブリンについて念入りに対策を相談しながら昼食を食べ進めるのだった。




