ギルドカード
正式に水土日の12時更新にします。
間に合わなくなったらその時はそのときで。
「おばちゃん、ここに来るまでに狩ったホーンラビット売りたいんだけどどこでするの?」
「あぁ、買取りカウンターならそこで暇そうにしているおじさんがそうだよ」
おばちゃんがギルドカウンター右手の壁でうたた寝をしているおじさんを指差して教えてくれた。
私たちはそこに行き解体したホーンラビットの肉や角、毛皮などを売り払う為におじさんのところへ 移動することに。
「おじさん、ここに来るまでの獲物を売りたいんだけどいい?」
「なんだ、嬢ちゃんたち、買い取ってほしいって言う割には手ぶらじゃねぇか冷やかしは勘弁だ。けえんな」
(まぁ確かに私たちはパッと見手ぶらに見えるけどちゃんと持っているのです。しずく見せてあげなさい)
そう考えているとしずくがシャドウストレージを発動させて約12匹分の肉をカウンターに置いていく。これには買取屋のおじちゃんも予想外だったようで弱冠顔が引きつっている。
「お、おう。悪かったな。じゃ査定するぜ。といっても全部兎か。この量ならだいたい小銀貨1枚ってところだな。悪いな」
「思ってたより安いけどどうしてですか?」
「あぁそれか、単純な話さ。ここの周りの草原にはホーンラビットしか出てこない。そして仕事に出た冒険者が必ず狩ってくるものだから溢れてしまってるのさ」
「なるほど」
確かにそれは仕方ないと思い、小銀貨1枚だけもらって2階に移動し夕食を食べることにしました。
ラビィは机の下おとなしくし野菜の盛り合わせを食べている。一方私たちはというと、調理が必要なため夕食が来るのを待っている。
そのあいだに私たちはそれぞれギルドカードに魔力を流し内容を確認してみると冒険者ランク、名前、年齢、属性、武器、称号等が記載されていた。
実際ギルドカードを見て初めて使える属性知るという人も多いようで最初は一度見たほうがいいみたいだ。それぞれのこういう内容になっていた。
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冒険者ランク:G
名前:くるみ
年齢:17
種族:人
属性:木・光
武器:杖
称号:Aランク冒険者の弟子、ジェミニの加護
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冒険者ランク:G
名前:しずく
年齢:17
種族:人
属性:水・闇
武器:刀
称号:Aランク冒険者の弟子、ジェミニの加護
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冒険者ランク:G
名前:ミストラル
年齢:15
種族:人
属性:風
武器:弓、短剣
称号:Aランク冒険者の弟子、xxxxx
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各自で確認している時に、ミラが急いでギルドカードをいじってから私たちに見せてくれた。
一体何をやっていたのか気になったのが、内容を見てみて納得できた。相手に見せる項目を選べるみたいで照合のところが1か所伏字になっていた。
武器については、最初に記載した紙に書いたのがそのまま記載されるようで、一方称号は今までの行動によって書かれているみたい。そして私としずくに何か変な称号がついている。
「くるみ、しずく。このジェミニの加護って何?」
「わからないんだよね、前に2回ほどふたご神と名乗る人たちと話したことあるぐらいで」
「えっ、ぼくは1回だけだったよ。こっちに来てすぐの時に夢で見た」
「2回目はカストルにいた時だから仕方ないよ。あの時も急かされてそのまま帰ってっただけだし。確かそれぞれのことをミールとカールって呼んでたような気がする」
「!?」
流石にこの話にはミラも驚きの表情を見せていた。そしてミラは自分がほどこした方法を教えてくれてジェミニの加護を非表示にするよう言ってきた。
やり方としては、自分の魔力を使って非表示にしたいところなぞるだけというお手軽感で、非表示の解除の仕方も同じやり方みたい。とても覚えやすくてたすかる。
「そういえばミラ。この冒険者ランクってわかる?」
「あぁそういえば登録した時に教えてもらってなかったね。夕飯食べたら聞いてみようか」
そうして私たちはそれぞれ好きなものを食べて終え1階に戻っていく。ラビィを抱っこしてカウンターに行くと受付をしてくれたおばちゃんがいたのでちょうどいいと考え冒険者ランクについて紀伊みることに。
「おばちゃん、ひとつ聞きたいんだけどいい?」
「おやさっきの嬢ちゃんたちどうしたんだい?」
「いやぁ冒険者ランクについて聞き忘れてて。教えてください」
「おや、忘れてたかい。ごめんねぇ、この村で登録する人は珍しいから漏れちゃってたよ」
「大丈夫ですよ、私たちも聞き忘れてましたし」
「冒険者ランクっていうのはね。冒険者の功績に応じてランクが上がっていくんだよ。一番下はGランクまぁ駆け出しだね。そこから順番に上がって言って一番上がSSランクだよ。そして一般的に一人前とされるのがDランクさ。ランクの昇格には依頼の達成回数や功績、試験があるがEランクまでは依頼達成数と鉱石だけでなんとかなるよ。そしてランクに応じて受けれるクエストも変わってくるから気をつけるんだよ。難易度が高いと総じて必要ランクも上がってくるからね」
「功績ってどういうのがあるんですか?」
「功績っていうのはね魔物の巣や新種の危険な魔物を発見したりなどだね」
「わかりました、ありがとうございます」
私が疑問に思ったことを聞くとおばさんが例を挙げて答えてくれたのでわかりやすかった。
(さっきの話だと無理に豪華な暮らしを望まなければそこまで高いランクは必要ないような気がする)
そう思っているとおばさんが何かを思い出しようで説明を付き足してくれた。
「あ、そうそう他国に渡るなら特例がない限りDランク以上が必要だから色々な国回るなら頑張るんだよ。それと行かないとは思うけど魔国に行って魔物を狩る場合最低Aランクは必要だからね。詳しくは知らないけど魔国の魔物は最低でも劣竜以上って話だから」
「劣竜って?」
「それも知らないのかい。劣竜っていうのはワイバーン種のことだよ。ドラゴンよりは弱いけどそこらの魔物よりは断然強いから気を付けるんだよ。低ランクのうちは見かけたら逃げることを勧めるよ」
『わかりました』
私たちは元気に返事を返す。
でも各国回る場合はDランク以上が必須のようで頑張らないといけなそうだ。魔国はいまのところ行く予定がないので気にしなくていいとして。
「そうだ、いい宿や知りませんか?ギルドの紹介だと安心できるんですけど」
「ここら辺は旅人少ないからねぇ。宿屋も少ないんだよ。なんだったらギルドの貸し部屋使うかい。ギルド登録者には1人辺り大銅貨2枚でかせるよ。そのかわりおもに寝るための部屋だから広さは期待するんじゃないよ」
悪くない提案のようなのでしずくとミラに相談してみることに。
「どうする?」
「ぼくはくーねぇと一緒ならどこでもいいよ」
「私も。3人部屋があるなら一番だけど」
「3人部屋ってある?」
「あるよ。1室だけだけどね」
「じゃぁ貸してください」
「毎度有り。3人で大銅貨6枚だよ」
「はい、これ」
これで私たちは1日目の寝床を確保することができた。
私たちは部屋へ移動し中で今後の予定について話し合うことにした。
「ふたご神様の加護を受けているならポルックスにはよっておきたい。それとこの国でDランクまで上げないと」
「そうだね、ならしばらくポルックスでランク上げを頑張らないといけない感じかな」
「そのほうが楽だろうね。ポルックスかカストルなら店も豊富だし」
こうして私たちの今後の行動方針が決まっていった。ラビィは眠くなったのかベットの上で丸くなって眠ってしまっている。
私たちもベッドに入り今日は休むことにした。明日からは宿をとった場所で依頼を受けて次の町や村で報告するっていうのを繰り返すことになりそうだ。
これで1章終了です。
閑話1話挟んで2章開始になります。




