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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
1章「冒険の始まりと冒険者登録」
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戦闘リハビリ2

----------くるみ視点-----------

 翌日になり今まで同じように朝食や武器の練習を行い午後から狩りに出る。


「今日こそは狩れるようにならなくっちゃ」

「その意気だよしずく」

「気持ちが空回りしないようにね」


 昨日と同じように3人で他愛のない話をしながら森を抜け草原に到着。

 今日も空は晴れ渡っており遠くまで見ることができた。そのおかげで遠くからこちらに向かって走ってくる人影を発見する。


「なにかくる」


 ミラがそう伝えてきたのでそれを確認するため、目に魔力を集め遠視ができるようにして、目の前から来る人影を確認する。

 走ってきている人影を確認すると思わず笑ってしまいそうになったがぐっとこらえることができた。なぜなら見た目が明らかにおかしなものだ。

 目視で確認できる距離になったので遠視を解いて走ってきた人影を再度確認する。

人影は着物を着てひょっとこのお面を付けた女性だったので笑いそうになったのは仕方のないことだと思う。でも明らかに私たちより動きが早いので油断するわけには行かない。


「ぼくも確認できたよ。ってなんでひょっとこ?」


 着物の女性が一直線にしずくへ向けて突っ込んでくる。手は腰に差している刀に既に添えておりいつでも抜ける状況だ。

そして攻撃範囲内に入ったのか一瞬にして着物の女性のスピードが上昇する。


キンッ


鉄同士が当たる音が辺りに響く。


「よく止めたね。止めれそうになければ寸止めも考えてたけど」

「あなた誰?それと私はそこまで反応悪くないよ」


 着物の女性は攻撃を受け止めたしずくに対し素直に賞賛の言葉を送っている。

 私は着物の女性の持っている刀をよく見てみるとしずくが使っている刀のように鉄独特の色合いではなく真っ黒な刀身で何か不吉なオーラをまとっていることに気づいた。


「あはっ。そこの君は気づいたようだね。この刀は黒鉱石で作ったものだよ。闇属性との相性がとってもいいんだ。それはそれとして君は私を切れないよ。それにそのままだと大事な家族を守れなくて後悔しちゃうよ」

「何を言ってるの?」

「知りたい?」


二人が話していると目の前にいた着物の女性が突然姿を消した。姿を消したことに対ししずくが辺りを探していると私の隣にいるミラがいち早く反応する。


「そこ!」


 着物の女性を見つけたのであろうミラが私の後ろの影に対して矢を放つ。

するとパパリンと音がして光のシールドが2枚砕けるのが目に入ったが女性に届くことはない。

その砕けた光景を見て私は着物の女性がライトシールドを使ったのだと予想した。

そして私の影から出てきたということはしずくのように闇属性も使えるのだろう。


「なんで、魔力を可能な限り入れたのに当てれなかったの」

「魔法性能の差ってところかな」


 その言葉にミラも言葉を失っている。このままだと私たち全員危ないのでまず動きを止めるために私は動き出す。


「【ライトバインド】」


私は着物の女性に対しバインドを放ったがさっきの光景を見て1重でなんとかなると思わなかったため5重でかける。


「ダメダメ。こんなんじゃ意味なさないよ」


 5重にしてみたが一切関係がなかったようで瞬く間にバインドが溶けて自由に動けるようになった。これにより私の方に刀を振ってくる。それに対し私は反射で魔法を唱えることしかできない。

「【フラッシュムーブ】」


 実践では使えないと思っていたが思っていた以上の効果を発揮してくれる。移動する間の閃光で相手の目が眩み1メートル移動しただけでも攻撃を交わすことができた。

 だが周りを見てみると直視していたのであろうミラがなにか物申したそうな顔をしていたのでここを退けたら謝っておこう。

だけどしずくは既に知っていたためか魔法を発動する直前に影へ潜っている。

そして相手の影から出現して相手に不意打ちをかけたように見えた。


「お姉ちゃんに近寄るな!!」


 着物の女性の後ろから現れたしずくが着物の女性に対し刀を振るった。だがその行動も読んでいた様で着物の女性は難なく刀で抑えてる。

だけど着物の女性は楽しそうにしずくに話しかける。


「そう、君はそれでいいんだよ♪その一太刀なら十分に魔物を殺せるよ♪」

「何でそんなこと言っているかわからないんだけど!」


 しずくはすごく楽しそうに声を弾ませて話す着物の女性の刀を押し返した。その力を逆に利用して着物の女性はバックステップをする。

 私は二人で鍔迫り合いしているうちに距離をとっていたためまだ余裕はあるがまた距離を取った方がいいかもしれない。

 そう思っていると着物の女性がこちらをチラッと目をこちらに向けたようで目が合う。


(あのお面どうにかならないかな。どうも気が散っちゃうな。)


 そう考えているうちにも戦況は刻一刻と変わっていく。


「君は家族を守るために武器を振るえばいいと言っているんだよ。ほら私をどうにかしないと大事な家族が危ないよ」


 着物の女性が距離をとったこともあり今度は純粋な速度で私との距離は詰めてくる。

それに対ししずくが魔力強化をした脚力で私と着物の女性の間に割り込む様に走り出す。


「だから、お姉ちゃんに近寄らないで」


 しずくは私に向かってきた着物の女性と私の間に立って可能な限り魔力を纏わせた刀を振り抜く。

それによりお互いの刀がぶつかりガキンッと一際大きな音を立てた。すると女性が焦ったような雰囲気を出していたが結果としては、着物の女性が持っていた黑刀がしずくの刀にめり込んでいる。


「あちゃぁ、やっちゃった。流石に壊すつもりはなかったんだけどな。念の為に買っておいて正解だったか。お詫びにこれあげるね」


 つぶやいたあとに自分の影の中から一本の刀を取り出して投げる。それを見ていたしずくの刀を押し返すと同時に黒刀に魔力を込めたことで黒刀の不気味なオーラが強大になった。そして何の抵抗もなく

めり込んでいた刀を振り抜き一瞬にしてしずくの刀切り裂いく。


「ごめんね、反射で必要以上に魔力を入れちゃって壊しちゃったんだ。でもその刀は君に上げるよ。壊しちゃったお詫びにね」


 そう言い残して着物の女性は自分の影へ潜って私たちの前から姿を消す。しずくは着物の女性が残していった刀を持って色々と確認していた。そして何かに気づいたようで悔しそうな顔をしている。


「どうしたのしずく」

「えぇとね。この刀今まで私が使ってたのと同じくらいの値段の安物だよ。あの人武器を壊してもいいように買ってきてくれたみたい」


「えぇ!なんでそんなことしたんだろう」

「そんなもの元から私たちに負けることがないほど実力差があったっていうのと、もとから殺さないように手加減してたってことだよ。悔しいけど実際その通りだったし」


しずくは渡された剣のつばに巻きつけられていた紙を見つけて内容を確認した。そこには日本語でこう書かれている。


    君はそれでいいんだよ。でも自分を忘れないようにね。

    P.S刀は本当にごめんね。同じぐらいの値段の安物だけど君にあげるよ。


 その文字を読んだしずくは紙を握りつぶして服のポケットへと入れた。

そんなしずくを見ながらミラが話に入ってくる


「しずくの言うとおり私たちに危害を加えるつもりなかったのかもね。この刀も念のため持ってたような口ぶりだったし。でも全然敵わなかった。あの人の目的が違ってたら間違いなく全滅してた」

「たしかにそうだね」

「あの人ぼく知ってる気がする」

「うそ」

「でもイマイチピンと来ないんだよね」


 しずくはモヤモヤしているようだけど、私も初めてあったような感じはしなかったな。初めてあったというよりずっと一緒にいるような感覚さえしていた。そんな感覚になっている理由は、使っていたのは推定光と闇だからなのかはわからないけど。その後、ミラに戦闘中に使ったフラッシュムーブについて、説明したり謝ったりと大変だったけどなんとか納得してくれた。

そして、今後はあんまり使わないようにと釘を刺されてしまう。私もあんな使い勝手の悪い魔法は使いたくない。瞬間移動だけなら悪くはないんだけどね。

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