助けるために
ーーーーーーーーカール視点-----------
僕はアルキオネに向けてい刃を下ろすとミールにくるみの様子を確認する。
「ミール、くるみの状態はどうだ」
「大丈夫、本当に落ち着かせるために気絶させたみたい。それもどうなんだろうと思うけど」
ミールは水を集めて水枕のようにした水球の上にくるみを寝かしている。そうしていると本殿の扉がノックされる。そのノックに対しこの神社の管理をしているクレハと名乗った私たちに一度目を向けてくる。それに対し僕たちはクレハに頷く。それを見たクレハは扉の向こうにいる人たちに向けて声を掛けた。
「どうぞ」
クレハそういうと本殿の扉が開いていく。その扉の向こうにはくるみを連れてきたレイカとくるみのパーティメンバの二人であるミラとミュセルの2人がいた。
「アルキオネ様にカール様、ミール様までどうかしたのですか?」
「なんか私がついでのように扱われたんだけど」
「まぁまぁ、落ち着こう。今は一時を争うんだし」
「しょうがないなぁ」
少し機嫌を悪くしたミールを宥めつつ、しずくのことを説明していく。そうしているとくるみが身じろぎし始めたので「続きはくるみが起きてからにしよう」と伝えてからくるみが起きるのを待つことにした。
「ん・・・つぅぅ」
「くるみ、目が覚めたね」
「あれ、私どうしたんだっけ」
「くるみ大丈夫かい?アルキオネの野郎に気絶させられてるんだけどどう?」
僕はくるみに向けて体調を確認する。横目でアルキオネは僕に何か言いたそうにしているけどそこはミールが抑えてくれている。できた妹でありがたい。そうしてみんな揃ったところで続きを話し始める。
「くるみ、いったん落ち着いたか?」
「カール、ごめん。話を聞くよ」
「あぁ、それでいい。しずくを助けるためにもこれからのことを説明しなくてはいけないからな」
「わかった」
しずくがそう返事したのでくるみたちに向けてしずくを助け出す方法を伝える。
「しずくを助ける方法で一番単純なのが腕ごと刀を切り飛ばすことだ」
「そんなことしたくない」
「わかっているよ。だから落ち着け。そしてもう一つの方法としては刀だけを弾き飛ばす方法だ」
「それは現実的に簡単にできるのか?」
「正直言って難しいだろうね。しずくはトレミーにいる間の半分は黒龍と遣り合っていたからね。僕たちからの攻撃で刀を手放すとは到底思えない」
「ほかにはないのですか?」
「ほかかぁ、アルキオネ知っているかい?」
僕も妖刀などのいわゆる呪具について詳しくは知らないのでここは神の中での専門家であるアルキオネに話を振ることにした。
「ミールいい加減にしろ」
「もうくるみに手を出したらダメだよ」
「そもそもあいつが正常なら手は出さねぇよ。そもそもお前らの後継者なら手を出すだけでも面倒なことに発展するんだからな」
「アルキオネ、早く」
なかなか話始めないのでアルキオネをせかすことにした。それによってアルキオネは少しづつ妖刀の対処法を話し始める。
「確かに安直な方法ではさっきカールの言っていた二つの方法だ。だがな、ほかにもいくつか存在する。そのうちの一つとして、可能性としてはとっても少ないが今の所持者が自身の精神力で無理やり妖刀の意識をねじ伏せることで解除されることがある。だが、これはあまり期待しないほうがいいだろう。もう一つとしては外側から無理やり妖刀を封印する方法。この方法はカレンが書物をまとめていたんだがどこに行ったことか」
「申し訳ありません。今父たちが捜索しているところです」
「まぁ、あの頃はいろいろとばたばたしてたから仕方ない」
アルキオネはそう言った後に溜息をついていいた。
まぁアルキオネの気持ちもわからなくもない。実際カレンはくるみたちと同じく異世界からこちらの世界に来た人だ。しかもカレンが初ということで僕たちもばたばたしていて書物などをまともに残すことができていない時期だった。
装やって昔のことを思い出していると本殿の扉が乱暴に開けられた。
「なんだ騒々しい」
「アルキオネ様申し訳ありません。初代が残した書物が見つかりましたのでお持ちしました。ですが・・・」
この神社の神主が子の本殿に駆けこんできた。そしてその手に一冊の古ぼけた書物を持っている。それをアルキオネに向けて差し出している。その書物を手に持ったアルキオネは再び大きなため息を吐いた。
「アルキオネどうしたのさ。そう何度も溜息はいて」
「ん?あぁ予想通りだっただけだ。あの天然野郎こんな時にそれを発動させてなくてもいいだろう」
アルキオネはそうぼやきながら僕にも書物を見せてくる。その書物には見たこともない文字で書かれていた。それを確認した僕はイチかバチかでくるみにその書物を見せることにした。
「くるみ、この文字読めるかい?」
「ちょっと見せて。え~っと、『呪具の強制封印についてここに綴る』」
「でかした。くるみはそれを読んでいつでもできるようにしていてくれ。それでしずく救出の可能性が上がる」
僕がそう言うとくるみの顔が少し明るくなった。その後神主にグレンたちのパーティもここに集まるように歌えた。そうすると神主はすぐに本殿を出ていく。
「カール、何を考えている」
「そんなもの決まっている。しずくを助けるんだよ」
僕がアルキオネにそう宣言した。その後少しの間くるみが書物を捲る音を聞きながらグレンたちを待つことにした。そしてグレンたちのパーティが到着したところで神の名の下に指示を出していく。
「グレンパーティにミラたちは一時的に入ってもらう。そしてしずくの捜索に当たってもらう、アルキオネ、妖刀所持の初期段階の行動に何か特徴とかはないのか?」
「そうだな、妖刀を所持して間もないころは所持者が大事にしているところに良く表れる。まぁ要するに大事なものを壊すことによって所持者の精神を衰えさせることで所持者を乗っ取りやすくするためだな」
「そうか、ということはしずくはこの近くにいるということか」
僕がそう言うと拝殿の方から木が地面に落ちる音と同時に空に煙が立ち上っているのが目に入った。




