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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
1章「冒険の始まりと冒険者登録」
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野盗戦後

----------ミラ視点-----------

 くるみたちと分かれて私とミントさんは1階にある食堂に着いた。そのまま空いている席に腰掛けてミントさんと話をする。


「ミントさん二人とも大丈夫かな?」

「どうだろうな。しずくは目が覚めてみてじゃないとどうしようもないし、くるみもあの様子じゃそれどころじゃないだろ。こればかりは時間が経つのを待つしかない」

「そうだよね。こればかりは時間かけるしかないもんね。特にしずくは無意識だっただろうし。でもあの一太刀は見事だった」

「まぁたしかにそうだったな。だが人聞き悪いから思ってても口に出すんじゃない」


ミントさんと話しながら私たちは食事を続けた。その過程でこのあとの予定をまとまてたりし食事終えた。


「ミラは二人のことを頼む。私は今日狩ったホーンラビットをギルドに引き渡してくる。野菜とかは宿屋に預かってもらっているから傷むことはないだろうが肉は別だからな」

「わかった。何か来たら対応しておく」


ミントさんと別れ私は部屋に戻る前に食堂の人にとあるものが欲しくて声かけた。


「すみません」

「どうかしたの、お嬢ちゃん」


お嬢ちゃんには少し気に障ったがそれより先に買うものを買ってしまおう決め話を進めていく。


「ホットミルク2つもらっていいですか?部屋で待っている仲間に持っていきたいので」

「あらあら、お嬢ちゃん優しいのね。ちょっと待っててね。10スターほどだけど手持ちある?」

「大丈夫、はい」


私は店員さんに小銀貨1枚渡して大銅貨9枚もらった。

少し待っているとカウンターの後ろからお盆にカップを二つ載せて戻ってきた。


「はい、これ。カップは遅くなってもいいよ」

「ありがとう」


そうして私はお盆を持って私たちの部屋に戻った。

部屋に入るとしずくはまだ眠っており、くるみはベットの脇で椅子に座り船をこいでいた。


「二人とも相当疲れてたんだな。もう少しこのまま待ってるかな。しずくの刀の血は落としておかないとけないよね」


そうしてしずくの寝ているベットの脇に置いてある刀を抜いた。

ホーンラビット1羽と最後のしか切ってなかったけど流石にこのままじゃいけないからね。でも刀の整備の仕方ってわからないからわかる範囲のことをやらなくちゃ。分かることといっても血を拭うぐらいしかわからないんだけどね。

そうして刀についていた血を布で拭ってから二人の様子を見つつ待っているとミントさんが帰ってきた。


「ミントさんおかえり。これ良かったら」


私は戻る前にもらったミルクをミントさんに渡す。


「ありがとう。これどうしたんだ」

「くるみとしずくに少しでもお腹に入れて欲しかったから下でもらってきたんだけど、くるみも船漕いでたから」

「なるほど、そういうことか」


私とミントさんはホットミルクを飲んで落ち着くことにした。

ミントさんに刀の整備ができるか確認したがミントさんも詳しくは知らなかったようだ。

私たちが寝ようかと思っているとくるみが目を覚ました。


----------くるみ視点-----------

 私は寝ていたようだった。そして目が覚めるとすでにミントさんとミラが戻ってきていた。

「あれっ、ミントさんミラちゃん戻ってきたんだ」

「あぁ、少し前に戻ってきた」

「くるみ、ダメ元で聞くけど刀の整備の仕方ってわかる?」


ダメ元と言われて少しグサッときたがここは見直してもらおう。そう思い私は胸を張って答えた。

(そもそもなんでできない前提で話を降られなくちゃいけないんだろう。これでもしずくの姉なんけど。)

そう思いつつミラへ整備ができることを伝える。


「もちろん、できるよ。これでも家事万能を自負してるからね」

「これって家事と関係なくない?」

「うぐっ。まぁそこは気にしなくていいよ・・・」


落ち込みつつ壁に立てかけてあったしずくの刀を手にとって心の準備をして鞘をから抜いた。抜いてみると血で汚れた刀身ではなく綺麗な刀身が目に入った。


「あれっ。血って拭ってくれたの?」

「うん、逆にそれぐらいしかわからなかった」

「そっか。ありがとう」


私は武器屋のおじさんからもらった刃物系の武器のメンテナンスセットを使って刀の整備を始めた。

なんで知っているかは偶にしずくの剣術同好会で出されている宿題を手伝っていたらいつの間にか覚えていた。

(しずくと違って実際にやるのは初めてだったけどなんとかなりそうかな)


「よし、こんなものかな。これを鞘に戻してベットの脇にかけておいて完了っと」

「おぉ、すごい」

「くー・・ねぇ・・一緒に・・いて・・」


刀のメンテナンスが終わったタイミングでしずくに名前を呼ばれたのでしずくのもとに急いで向かった。


「しずく、目が覚めた?」


近づいてみたが寝言だったようでまだ眠ったままだった。でも顔が苦悶の表情になっていた。


「なんだ寝言か。大丈夫だよ。私はずっと一緒にいるよ」


私はしずくの寝ているベットに腰を下ろして手を握ってあげることにした。すると寝顔がいつもどおり可愛いものとなった。


「くるみ、私たちはもう寝るけど。無理しないでね」

「大丈夫だよ。お休み」


そうしてこの場には私としずくの二人だけとなった。

しずく、大丈夫だよ。私たちはずっと一緒だから。

そう思っているとあたりの光景が一変した。


「やぁ、こっちでの生活はどうだい?」

「どう?楽しんでる?」


そう言って現れたのは来てすぐの頃に夢で見た自称ふたご神だった。


「また君たちか」

「その反応ひどくない?ってあれ?今日は一人だけなの?」

「もうひとりは?」

「今寝てる。こっちに来て色々あったけど今回は精神的に大分きついことがあったからね」

「そうだったんだ。なら今日はゆっくり休むといいよ」

「詳しい話は今度会った時にするね。前お願いした困ったちゃんは一人旅中みたいだけどまぁ大丈夫でしょ」

「また、ミールは適当なこと言って。あの子料理下手なんだからどうなるかわからないんだよ」

「もう、カールは真面目すぎるんだよ」


その話を聞いてふたご神の女の子の方の名前はミールで男の子はカールということがわかった。


「さっきも言ったようにあの子は料理できないから早めにね」

「異世界生活頑張ってね」

そういって自称ふたご神の二人が去っていった。


「くーねぇ?」

「あぁ、しずく起きたんだ」


窓から外を見てみると月が真ん中ほどになっている。思ってた以上に日暮れから時間が経過していたみたい。


「あぁそっか、ぼくあのあと気を失ちゃったんだ」


声を聞いていてもしずくにいつもの元気がないので余計に心配になってしまう。


「そうだよ。でも今日はもうゆっくり寝てるといいよ。まだ疲れてるでしょ?」

「そうだけど、このままだとくーねぇも体壊しちゃうから一緒に寝よ?」


しずくにそう言われてしまったら私も断ることができるわけがない。

なので一緒の布団で寝ることにした。


「くーねぇ、私のこと怖くないの?」

「大丈夫。しずくはしずくだから。どうなってもずっと一緒だよ」

「ありがとうくーねぇ。ずっとに一緒に・・・」


言葉が途中で途切れたので気になって雫の方を見てみるとすでに眠っていた。

そのまましずくを抱きしめて眠りにつくことにした。

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