トーラスの首都アルデバラン
私たちが魔装を使った翌日。私たちはトーラスの首都であるアルデバランに向かって移動を再開させた。道中はそこまで苦戦することもなくアルデバランに到着する。アルデバランには南東にある門から中に入る。
門の周囲には堀が彫られており水が張られている。それを確認した後に町の中に入ることにした。
町に入り最初に目に留まるのは町の中央に石垣や天守閣のある日本製のお城がそびえたっていた。それを見たしずくは目を輝かせている。
「おぉ、これはすごい。あれはお城かな」
「そうなの?見たことないけど」
しずくの言葉にミラが聞いてくる。それに答えたのがレイカだった。
「しずくさんよくご存じで。確かにあれはトーラスの殿様の住む城だよ」
「本当にそうなんだ」
「珍しいの。あんな城を始めてみたのじゃ」
ミュールもそう言っているということは和製のお城というのはこの世界ではやっぱり珍しいのだろう。周辺の町並みは江戸時代のような風景だ。その光景を見つつここでやることを先に終わらすことにした・
「グレンさん、神を祀っているところに行きたいんですけど」
「そうか、ならあそこだろうな。こっちだ」
私とグレンさんでそう話しているとある程度の推測ができたのか町の西側に向かって歩いていく。そのままグレンさんについていくと少しづつ家が少なくなっていく。そのまま石段が見えてくる。そのまま石段を上に登っていくとそこには予想通り神社があった。
「やっぱり神社か」
「ということは管理人は巫女さん?」
私としずくがな何となくそう思いつつ神社の参道の端を通って神社中に入っていく。私と同じように参道の端を通って神社の中に入ったのは私とレイカの3人だけだった。そうしていると奥から神子服を着た女性がこちらへと歩いてきた。
「おかえりなさいレイカ」
「ただいま」
奥から出てきた神子さんとレイカの話で私たちは驚いて声も出せなくなった。それを見ていたグレンのパーティの人たちは苦笑している。
「まぁ、普通は驚くよな」
「レイカこの人たちは?」
「ふたご島で会った冒険者の人たちだよ。友達になったんだ」
レイカがそう紹介してくれた。だが巫女さんは察したのか私たちに向かって一礼した。
「ようこそ、牡牛座の社へ。アルキオネ様への祈りをささげるのはこちらになります」
「あと、グレン。後で私の部屋に」
「わかったよ」
二人でそう話しているのを聞いていると巫女さんがこちらにふりかえった。
「自己紹介がまだでしたね。私はここ牡牛座の社の管理をしているモミジと言います。よければこちらに泊まっていってください。レイカが喜びますので」
そういうと神社の拝殿へと連れて行ってくれた。そこで私たちは今までと同じように祈りをささげた。
「改めてようこそおいでくださいました。ふたご神様の後継者様」
「えっ、マジかよ」
モミジさんのその言葉にグレンさんは驚きの顔をしていた。そんなグレンさんを置いておいて話を進めていこうとしたところでしずくが声を上げた。
「ということはグレンさんたちにぼくたちと模擬戦をするように頼んだのってモミジさんで合ってる?」
「まぁ、間違ってはいませんね」
「おいおい、モミジ。さっきのことは本当のことか?」
「そうですよ。実際にアルキオネ様より聞いていることです」
そう言われてしまってグレンは額に手を当てて考え込んでしまっている。そして納得したように溜息をついた。
「まぁ、私からの依頼でしたけどアルキオネ様からの依頼でもあったんですけどね」
「あのいけ好かない神様の依頼か」
しずくがそう愚痴っているのを聞いているとモミジさんが苦笑しながら別な話に切り替えていく。
「それより、レイカは子どものころにみっちりと指導しましたが、よくお二人は鳥居の端を歩きましたね」
「あぁ、ちょっと知識として知っていただけです」
私がそうぼんやりとごまかした。それを聞いていたモミジさんは
「そうですか」
と言っておとなしく引いてくれた。それにほっとしつつもミラを待つ。ミュールは一応祈りはささげていたが一番短い時間で終わらせていた。
話しているとミラの祈りも済んだようで戻ってくる。その後は社務所に一度寄った後に居住スペースへと案内してもらった。居住区に到着すると居住スペースの入口の前には鎧を着た男性が立っていた。それを見た私は少し警戒を強める。
警戒をしながらも近づいていくと鎧を着た男性がこちらにふりかえる。。
「よう、くそ双子の後継者たち」
「あぁ口の悪さはアルキオネで合ってる?」
「あぁん!!!馴れ馴れしいなお前」
そう言って鎧の男はしずくに声を掛ける。それに対ししずくは少し震えながらも真っ向から話しかける。
「ん?この前の時に大分態度が悪かったからね。敬うなんて無理無理」
「ちっ!あのくそ双子同じようにくそだな」
男は毒づいている。そんな男に対し、モミジさんは一礼した後に居住スペースの中へと招き入れてくれる。
「アルキオネ様もどうぞ」
「いや、俺はこのまま帰る。そいつらの様子を見に来ただけだしな」
アルキオネはモミジさんにそれだけ言って消えていった。それを見ていたレイカを除くグレンさんたちのパーティは唖然として何もしゃべることができなくなっていた。そんなグレンさんたちの顔にミュールが水浴びせることで正気を取り戻させていく。それで一通り終わったところで居住スペースの中へと靴を脱ぎ入っていく。そしてモミジさんが奥かタオルを持ってきてグレンさんたちに渡していた。
グレンさんたちは渡されたタオルを受け取ってそれぞれが浴びせられた水を拭っていく。水をふき終わったタオルはレイカが受け取って奥に持って行ってしまった。そしてモミジさんに案内されて居間に入っていく。そしてそれぞれが自由な位置に腰を下ろした。そして奥から神主さんがお茶を持ってきてくれた。




