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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
1章「冒険の始まりと冒険者登録」
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野盗襲来

私としずくの攻撃手段について話していると辺りが暗くなってしまっていた。

そのときミントさんが誰かの接近に気づいたようで私たちに下がるように伝えてくる。


「ん?くるみ、しずく下がっていろ。今のお前たちでは荷が重い。誰か来る。もし戦えるような構わないが自己責任だ」


ミントさんが誰かの接近に気づいたようで真面目な顔で私たちにそう伝えてくる。

ミントさんが見ている方を見てみるとぼんやりとしたあかりが見えてきた。

明かりに目を凝らして見ると作りの粗い服と腰巻をして斧を持った男が確認できた。その男がさらに近づいてくるに連れ他にも似たような男たちが少なくとも4人は確認できる。その男たちが声をかけてきた。


「ゲヘヘ、可愛い子ちゃんたちでこんな夜中に何やってるんだ。危ねぇぞ」

「あぁ、そうだな。そろそろ家に帰ろうと思ってたところだ」

「そうかいそうかい。でもちょっと遅すぎじゃねぇかい」


その男がミントさんと話しているが口元のにやけはごまかしきれてていないようで悪い予感がする。

(悪い予感が的中しなきゃいいな)

そう思いながら事の成り行きを見守っていたが少しづつ雲行きが怪しくなっていく。


「それで遅すぎっていうのはどういうことだ?」

「それはな俺たちみたいのにあっちまったからだよ」


その声と共に4人の男たちが少しづつ私たちを取り囲むように動き出しさらに後ろから数人出てくる。

後ろからできた男たちが下卑た笑いをしながらミントさんと話していた男に話しかけた。


「しかも一人はエルフかこれはいい見つけものをした。お頭も喜ぶってもんだ。ヒッヒッヒッヒ」

「しかも人族の方も別嬪揃いだぜ。リーダー連れ帰ってみんなで楽しみやしょうぜ」

「ふん、胸糞悪いな。私たちを捉えたいなら力づくでしてみろ」

「あぁ、言われなくてもそのつもりだ。お前たちやっちまえ」


ミントさんはそんな男達に挑発するような声をかけるとそれに野党たちも乗ってきた。

その一声と共に男たちがこっちに向かって一斉に向かってきた。周りにいた野党たちも囲み終わったようで気づけば囲まれていた。囲んだ野党たちがミントさんの後ろにいた私たちの方に向かってくる。


「よっと、こいつらがさっき言った野盗だな。はぁっ」

そう説明をしてくれてミントさんは目の前に来ていた野党の腕を切り飛ばした。


「ウギャァーー!!!」


ミントさんは腕を切り飛ばした男には目もくれず引き続き4人を相手に立ち回っていく。


「そこ!」

私たちの方はミラが迫ってきていた男の眉間に矢を当てていた。

その光景に私たちは絶句してしまっていた。


「へっへっへ。もらったぜ」


あまりの光景に言葉をなくしていると野盗の一人が私に対し手に持った剣を振りかぶっている。

それに対し私は間一髪で杖で防ぐことができた。そのまま後ろに下がろうとしたが踏み込みを誤って後ろに転んでしまう。


「へへっ、運がいいぜこれでまず一人目だ」


そう言って私を捕まえようと手を伸ばしてくる。さすがにこのままやられるわけにいかないので自分の運動神経に文句を言いながら魔法で抵抗する。


「なんでこんな時に【ライトバインド】」

「チッ、往生際の悪いやつだ」


野党はそう言ってバインドを外そうともがいているがあまりなかなかヒビが入ることがない。

(これなら少しの間大丈夫だろう)


「ふぅ、なんとかなった。しずくの方は大丈夫かな」

しずくの方を見てみるとしずくが防戦一方だった。攻撃ができないというより攻撃をためらっている感じだ。

「しずく助けるよ。【ライトバインド】」

しずくと戦っている野盗をライトバインドで止めた。その時私の相手をしていた野盗のバインドが解けた。


「はっ、後ろががら空きだよ」

「えっ!?」

私は咄嗟に前に飛び込んだ。

「いった~」

躱しきることができずに背中を浅く切られてしまう。


「魔法を使えるのはお前だけじゃないんだよ。【アースバインド】」

そう野盗が唱えると地面がせり上がってきて私の腕と足を封じられた。


「しまっ」

「これで終わりだ!」

「くーねぇ、危ない!!」


ステラシオンに来た時と同じセリフだがしずくのとった行動は天と地ほどの差がある。男と私の間に立ったしずくは腰に指していた刀を抜き放っていた。

その結果こっちに迫ってきていた男の上半身と下半身は分かれていた。


「しずく!!」


その言葉で正気に戻ったようでしずくが崩れ落ちた。


「敵の前で崩れ落ちるなんて余裕だぜ」

「【ライトバインド】」


その一言で私たちに迫ってきていた3人全員に5重でバインドをかける。


「しずく、大丈夫?」


しずくの背中をさすってあげて落ち着くまで待ってあげていた。

最初の頃は嗚咽を吐いていたがしばらくするとしずくは気を失って倒れてしまう。


「二人に手は出させない」


ミラが弓を持って私がバインドで動きを封じた野党の頭に次々と矢をさしていったが1人だけ間に合わずにバインドを抜け出していた。


「あのバインドをこんなに早く抜けれるのは驚き。最低でも3分は持つと思ってた」

「悪いな、こう見えて俺は魔力の才能はある方なんだよ」


そう言葉を残して持っていた斧を振り上げてミラに対し振り下ろしくる。

それをミラは横に飛ぶことによって回避し矢を番えて射る。だが斧をそのまま斜め上に売り上げることによって矢の対処をしてしまった。そのまま近距離での戦いになだれ込んでしまう。


「流石に弓だと相性が悪いか。ならあまり使わないこれを使うしかないか」


ミラは弓を地面に落としてから腰から短剣を出した。

ミラは短剣で野党の斧を受け流し隙を見て攻撃を続けていく。


「斧のくせになかなか攻撃ができない」

「悪いな、そっちのサブ武器がその短剣のように俺も斧の大振りをカバーする手段はあるんだよ」

「やりにくいな」


ミラが野党に対し蹴り入れていた。


「ったく、嬢ちゃんもたいがいやりにくいぞ」

「なら私も手を貸そうじゃないか」


野盗の後ろからミントさんが斬りかかっていた。


「ちっ、向こうのやつらは全部やられたか。使えねぇ奴らだ」

「これでお前も終わりだな」


ミントさんが斧を弾き飛ばした。それに対し野党がお腹に蹴りを仕掛けてきたがそれがミントさんお腹に当たる前にとまった。


「何故、攻撃が当たらねぇ」

「悪いな風の風圧を利用してお前の体術は封じさせてもらった」


そうしてミントさんは斧を持つ腕を剣で切り飛ばして決着を付けた。


「うぎゃぁぁぁ!」

「よしこれで全員片がついたな」

「ミントさん!しずくが・・・!」

「わかっている。このあとは帰る予定だったが、一度カストルにもどるぞ。しずくも早くベットで休ませたほうがいいだろう」


私たちは再び門に戻ることにした。

門のところに交代の準備に入っていたアークさんに盗賊たちを引き渡して報酬と荷物を受け取ったあとに街に入った。

帰る途中だったこともあり他にやることもなかったためそのまま宿をとることにした。


「しずく、大丈夫かな?」

「仕方ないさ。お前たちの様子だと初めてだったのだろう。発狂する前に気絶したのは運が良かったぐらいだ。くるみも今日はもう休め。色々とあって疲れただろう」

「大丈夫です。しばらくしずくの近くにいます。目が覚めた時に一人だと寂しいだろうし」

「そうか、なら私たちは下でご飯を食べている。何かあったら呼べ」

「何か欲しいのあったら持ってくるよ。くるみとしずくもご飯まだでしょ」

「ごめん、今食欲ないんだ」

「そっか、私たちはご飯食べてくるね」

「いってらっしゃい」

私は二人を見送った。

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