Bブロック第2回戦第1試合_1
ぼくもパイモンと同じように闘技場に上るとパイモンがぼくの方に歩いてきて手を出してきた。ぼくはその手を掴み力いっぱい握る。パイモンもそれにこたえて力を入れてきた。そしてぼくとパイモンはそれぞれ笑った後に手を放して距離をとる。そこで銅鑼が鳴った。
銅鑼が鳴ったと同時にすぐに闇の槍を撃ってきた。
「【イービルランス】」
「もう慣れたよ【ダークブレード】」
ぼくはそう言いつつ横に躱す。そのイービルランスは方向を変えるために一度球体となるそのタイミングで闇剣ですべて斬った。それを見ていたパイモンも口元には笑みを浮かべている。
「さすがにこのままなら無理か」
「そうだね、海上でもほぼ互角だったし」
「はっ、戯け。会場の時も俺のほうが有利だったぞ」
「2対1で有利と言われてもね」
「それならここで俺のほうが強いということを示してやる。【魔装:悪魔の爪】」
「ぼくは影なり、すべてを飲み尽す者【魔装:影の衣】」
ぼくとパイモンがともに魔装を発動させた。その後ぼくとパイモンの二人はにらみ合う。そして最初に動いたのはパイモンだった。パイモンは足に力を入れてぼくとの距離を詰める。そして右手を振り下ろしてくる。ぼくはその腕を闇の衣を巻き付けることで防いだ。ただそれだけなのに闘技場にクレーターが出来上がる。
「ちっ」
「まだまだ」
ぼくはそういうとぼくの影の衣の色が黒から紫色に変わる。パイモンは左手の爪で影の衣を切り裂く。それによってぼくの魔力が一気に放出されたのがわかる。それと同時に膝をついた。
一方パイモンも顔色が若干悪くなっている。
「はぁはぁ・・・そういう能力なんだ」
「それは・・・お互い様だ・・・」
二人はそのまま距離をとって息を整える。ぼくの息が整うのが一歩遅かったことによって、防戦となる。パイモンは足の爪をそのままぼくに蹴りつける。ぼくはそれを腕で受け止める体制に入った。
「その腕もらったぞ」
「どうかな。ぼくの腕は影のように、すべてを防ぐ装甲となる【魔装:影の装甲】」
「!!」
ぼくは別な魔装を発動させる。それと同時に影の衣が消えてなくなる。そのまま腕に作られた装甲でパイモンの爪を受け止める。パイモンは再度爪を振り下ろしてくるがぼくは腕で受け止める。だがすぐ手甲にヒビが入る。なのでぼくはパイモンを蹴る。それに対しパイモンは一度後ろに下がること躱した。ぼくはその間に手甲に魔力を流し修復していく。
「はっ、そんな出来損ないの魔装で何とかなるのか」
「どうかな」
ぼくはそういうと闇剣を作り出す。そのまま闇剣にそそぐ魔力量を増やしイメージを鮮明化させると闇剣の鍔の中心に黒いクリスタルが生成された。それを見たパイモンの口元に笑みを浮かべる。それを見たぼくは自然と笑みが浮かぶ。
「ほう、しずくもそれを手に入れたか」
「魔装って言えるかわからないけどね」
「体に魔力を纏うのだけが魔装じゃねぇからな。でもこれでこっちも何とかなるだろう」
パイモンはそういうとぼくの前に一瞬で詰め寄ってきた。そして左から蹴りが飛んできたのでぼくは腕でその蹴りを受け止める。だが中途半端な魔装と完ぺきな魔装では結果が見えていた。そのまま蹴り飛ばされてしまった。そして観客席の壁に背中をぶつける。
「かはっ」
「おぉっとそれによってさっきの攻防でしずく選手が場外に飛んで行ってしまった」
ぼくはその言葉を聞いてぼくはその場で立ち上がる、そしてその場で魔力を体に纏わせる。今度は闇剣と影の衣の二つを発動させた。それによって少しふらつくが維持で立ち止まる。そしてよろよろと闘技場に上るそれを見たパイモンがぼくに向けて声を掛けてきた。
「おいおい、しずくどうした。大分ふらふらじゃねぇか」
「大丈夫だよ、これしきで倒れるつもりはないから」
「それでこそしずくだ!!」
パイモンがそう言うとぼくに向けて爪を大きくして振り下ろす。それを見た後にぼくは影の衣を伸ばし巻き付けることでパイモンの攻撃を受け止める。だが、すぐに切り裂かれてしまう。それを予想していたのでその一瞬の間で自身の影にもぐってパイモンの後ろに回る。
そしてそのまま闇剣を振りぬこうとするがパイモンの影から触手が伸びてきてぼくの右腕に巻き付いてきた。
「くっ」
「甘いぞしずく。お前が影を使いやすいというのは俺も同じということだ」
パイモンがそういうとぼくの方にふりかえりつつ爪を横に薙ぎってくる。それを躱そうとしたが腕を触手でつかまれているため躱しきれずにお腹が切れる。それに目を向けると闘技場の上に血が落ちてきている。
「これはちょっとまずいかな」
「おとなしく負けを認めればいい」
「残念ながらそれをすることはできないね」
ぼくはそう言って左手に水剣を生成し闇の魔力を纏わせて振りぬいた。それによってその途中にあった触手を切り捨てる。その際に体に無理がかかったことによって血が余計に流れる。それを見ていたミールが舞台に上がろうとしたところをカールが止めていた。
「ちょっとカールこのままだとしずくが死んじゃう」
「まぁそうなんだけど、残念なことにしずくが諦めてないからね。だけどすぐにリカバーは使えるようにしておいて」
カールがミールにそう指示を出しているのを聞いていた。だけどカールが言った通りぼくはまだあきらめるつもりはない。ぼくはすぐに影の衣をお腹に巻き付けて硬質化させることで応急処置を行う。それによってミールは少しほっとしていた。くーねぇの方を見てみると胸の前で手を組んでいて祈っている。
「くーねぇに心配かけちゃってるよね」
「よそ見とは余裕だな」
「そうでもないよ。これでも結構きつい」
ぼくがそう言うとパイモンは笑っていた。




