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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
1章「冒険の始まりと冒険者登録」
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はじめての魔物討伐

「よし、ある程度買うものも揃ったし帰るか」


一通り回り終えたので入ってきた門から外に出るために門に到着。ミントさんは荷物をアークさんに預けていた。その光景を見た私は咄嗟にそんなことやっていいのかと聞いてみることにする。


「えっ、そんなことしてくれるんですか?」

「本当はできませんよ。まぁ彼女信頼とこれからのことを考えると仕方なくですね」


アークさんは苦笑を浮かべつつ受け取った荷物に預かり人お名前を入れて詰所内に置く。

そのあと私たちは草原に出て狩りの訓練を開始した。


「よしここで戦闘訓練をしよう。門の近くならホーンラビットも出てくるしな」

「わかりました」

「はーい、んっ?あそこにいるね」


そう言うとしずくが一直線に走っていき刀を抜いた。その結果振り抜く高さを見誤ったようでホーンラビットの上を空振りしている。

敵対行動をしてきたと判断しホーンラビットがしずくにいつものように突進してきた。


「あらっ。うわぁ~」

しずくが間一髪でホーンラビットの突進を躱した。

そして私たちにも気づいたようで突進して着地した位置からさらに私たちの方へ続けて突進してきた。

「前のようにはいかないよ。【ライトバインド】」


咄嗟に使ったライトバインドによりホーンラビットは「きゅ~」と可愛い鳴き声を上げて速度を失い地面に落ちる。

しずくは再度ホーンラビットに攻撃しようとしていた手が止まった。

そしてなかなか攻撃ができないしずくに業を煮やしたのかミントさんがホーンラビットの首をはねた。


「しずく、くるみこの際だからきちんと言っておくが、魔物や賊に情けをかけるな。情けをかけたことにより自分たちに不利益が出る。例えばさっきためらってライトバインドの効果が切れていた場合、私たちに危害が出ている可能性がある。他にも野盗や山賊、海賊を野放しにしたことにより村や行商人が被害に遭う可能性がある」

「まぁ、たしかにそうだけど。流石に罪悪感が」

「まぁそれはわかるがな。このままだと旅に出てもミラの足を引っ張るだけだぞ」

「ですよね、じゃちょっと頑張って魔物を倒せるようにしないとな」


「時間も少ないから今回も二手に分かれてやるとするか。組み分けは私とくるみ、ミラとしずくだ。ミラは極力バインド系を主体に使ってくれ」

「わかった」

『わかりました』

私としずくが返事したのを合図として今日の戦闘訓が始まる。


----------しずく視点-----------

ミントさんのいつもどおりの提案でぼくとミラでホーンラビットの相手をする。

買ったばかりの刀は鞘に戻して気配察知を行い近くにホーンラビットがいないか確認を始めている。


「しずく見つけたら教えて。動き止めるから」

「うん、わかった。そして早速見つかったよ。あそこの草むら」


僕の右手にある草むらからホーンラビットの気配があったのでミラに伝えた。

「わかった。【ウィンドバインド】」

ミラが魔法を打つと私が示した場所に小さな竜巻が発生してホーンラビットが私の目の前まで上がってくる。


「おぉ、すごい便利」

「そこまでじゃない。このぐらい簡単なこと。それより早くやっちゃって」


ミラに言われたようにバインドされたホーンラビットを攻撃しようとしたがどうしても攻撃が止まってしまう。

そうしていたらホーンラビットの動きを止めていたウィンドバインドが途切れてしまいホーンラビットが地面に落ちてくる。

地面に落ちてすぐに「キュイッ」と鳴いてホーンラビットがこっちに突撃してきた。

(本当に馬鹿の一つ覚えのように同じ行動ばっかり)

そう思っていると反応が遅れてしまう。


「いたッ。やったなぁ」

遅れたことによりホーンラビットの角が私の腕を擦めていった。それに対しぼくは刀を振るったが踏み込みが甘く軽々と躱されてしまう。


「キュッキュウ」

地面についたホーンラビットが反転してぼくの方に再度突進してきた。それを躱して攻撃しようとしたが既に射程範囲外にいた。

そのまま突進が繰り返し行われることになった。ホーンラビットの攻撃を完全に躱すことができず少しづつ傷が増えてきている。


「キュウ!」

「あっぶな~!うわわぁ」


ホーンラビットは今ままでと違いぼくのお腹めがけて鋭い突進が繰り出されてきた。

かろうじて躱すことができたがバランスを崩してしまい転んでしまう。

そしてホーンラビットが再度ぼくの方へ突進を仕掛けてきた。


「【ウィンドバインド】どう?ミントさんが言ってたこと理解できた?」

「ありがとう。ミラ。たしかにためらってたら危ないね」


ぼくはふらつきながら立ち上がる。

命を狙われ続けることにより予想以上に精神的疲労がたまっていたようだ。


「それじゃ、気持ちを引き締めてやるよ」

ぼくは刀を再度鞘に収め集中した。そしてウィンドバンドが切れたと同時にさやから刀を抜き放つ。

剣筋はホーンラビットの首を捉えて抵抗なくはねたことによりあたりに血が噴水のように降り注いだ。


「うわぁ、一瞬だったとはいえやっぱりいい気分じゃないな」

「それでいいんだよ。気分よくやってたらそれはもう人じゃないから。それと魔力を纏わせておけば傷の治り早くなるよ」

「あぁ、そうなんだ。教えてくれてありがとミラ」

疲れたぼくは草原に倒れ込んだ。


----------くるみ視点-----------

私はミントさんと一緒にホーンラビットを探している。魔力視を使ってみるとミントさんはあたりに薄い緑色魔力を流して気配察知をしているようだった。


「ミントさん。それどうやってるんですか?」

「やり方としては風魔法の応用だな。音を風に乗せて周りの様子見ている。土属性でも似たようなことができる。土属性だと地に足がついていないと察知できないのが難点だがな」

「う~んそれだと私じゃ難しそうですね」

「そうだな、でもほかの属性でも索敵はやり方次第だと思うぞ。おっと見つけた。無駄話はこのぐらいにしよう」


ミントさんが地面に落ちていた小石を拾い目の前の草むらへと投げた。

草むらに隠れて食事をしていたのかホーンラビットが驚いて飛び跳ねてからあたりをキョロキョロ見回す。


「キュイッ」


見回していたことによりミントさんに気づいたホーンラビットがこちらに向けて突進をしてきた。

ミントさんはその突進を剣で受け流しながら時間を稼いでいる。


「おい、くるみ当てなくてもいいから攻撃しろ」

「そう言ったって私攻撃手段考えてないよ」

「なにっ。即興でいいから何か考えろ」

そう言われたってそう簡単に思いつくものじゃない。何かないかな。考えていたらひとつのことを思い出した。


(そういえば草で手を切ることってあるんだよね。じゃぁこういうこともできるかな。)

「【グラスソード】」

そう唱えるとホーンラビットの足元の草が鋭く尖った。

「キュイ!?」


ホーンラビットが着地した場所に魔法をかけた場所だっためホーンラビットの足が

切れた。それによりホーンラビットの機動力が著しく低下した。


「くるみ、止めをさせ」

「わかり・・・ました・・・」

私は顔をしかめて再度魔法を唱える。

「【グラス・・・ソード】」

複数の草の刃でホーンラビットの足裏から背中まで貫いた。


「この感覚なれないとダメなんですか?」

「いや、なれる必要はない。というかこの感覚に慣れて同じのりで人間を殺されてはたまらん」

「あぁ、たしかにそうですね」

話していたところにしずくがやってくる。


「くーねぇ、お疲れ。この感覚なれないよ」

「あぁ・・。しずくもお疲れ。あとしずくせめて血落としてから来なよ。しずくなら楽でしょ」

「そうだね、このまま血が固まったら落としにくくなるしね。【魔力変換】うわっぷ」

しずくが魔力変換をし頭から出して水をかぶった。


「それにしてもくるみお前はもう少し綺麗に倒せないのか」

ミントさんにそう言われるのも仕方がない。私の殺し方は地面に生えている草を利用して足元から何本もの草の刺で串刺しにして倒している。


「しずくお前はくるみに対し正反対で綺麗すぎる」

一方しずくはホーンラビットを居合切りにより一撃で首をはねていた。その際に跳ねたホーンラビットの返り血で革鎧が汚れていたが、魔力変換で水をかぶった関係である程度血は落ちたようだ。


「しずくはきれいだけどくるみはえぐい。もう少し苦しめずに倒せないの?」

「う~ん今の所これ以上の攻撃力があるのは浮かばないな。足止めとかなら色々考えつくんだけど」

「なら仕方ないか」


今後の課題として攻撃方法が追加されたので地道に考えていくしかないかな。

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