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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
6章「武闘大会」
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トレミー観光(夕方)

 しずくがローズクイーン倒し終わった後も私たちはバラ園の中を歩いていた。何人かはさっきの戦いを見ていた人たちもいたのか私たちを見かけたときに声を掛けてくれる人たちもいる。しずくはそんな人たちに手を振りながら移動している。

そうしながらバラ園をぐるっと1周すると日が沈み始めてしまっていた。


「楽しかったね、くーねぇ」

「そうだね、でもローズクイーンとの戦闘はハラハラしたけど」

「それはごめんね」


 しずくと話しながらコロシアムまで付くと朝出たところの反対ということもあり柵が降りきっていて中に入ることができなくなっていた。それを確認した私たちは、コロシアムをぐるっと回ることにした。その際にしずくの提案で朝通った大通りで惣菜となるものを探してみることにした。



「くーねぇ、これおいしそう」

「どれどれ」


 しずくに呼ばれて私は一つの屋台の前に行くとそこでは3人の獣人が力を合わせて大きな肉の塊を回しながら焼いていた。


「こんばんは、すごいですね」

「おういらっしゃい。そうだろう。ここまで本格的ににやってる屋台はそんなに多くないんだぜ。なんだったら少し食べてみるかい」

「いいの?」

「あぁ、その代わり少しだけな」


そう言って優しい笑顔で熊の獣人の店主は手に包丁を持ち焼いている肉の塊を薄くスライスして皿に乗せてくれた。しずくはそれを受け取ると食べた後、残りを私に渡してくれた。


「これおいしい」

「そうだろう、ぜひ買って行ってくれよな」

「こういう試食って普段からやってるの?」

「いや今日が初だな。午前中に売り物を少し食べてもらうと買ってくれる人が増えるっていう話が出たんだ。それで俺たちもそれにあやかろうとと思ったってことよ」

「そ、そうだったんですね」


 しずくの何気ない質問に店主は午前中にどんなことがあったのかを簡単に話しながらそう言ってきた。それを聞いた私はそう答えるしかできなかった。このままこの話しをしているとなんか気まずいの話題を変えることにする。


「こんな大きな肉どうやって焼いているんですか」

「あぁ、それか、そこにいるキツネの獣人がいるだろ・・あたっ」


店主さんがそう言うと紹介されたキツネの耳を持った女性が足で店主さんを蹴っていた。手は忙しなく動かしているから何か別なことをやっているんだろう。


「いらっしゃい、そこの熊から紹介を受けたキツネのピスナだよ。よろしく」

「よろしく(お願いします)」


 少し手が空いたのかピスナさんが名前を教えてくれた。そして、どうやって焼いているのかを実践を踏まえて教えてもらうことになった。


「これの焼き方だっけ」

「はい、こんなに大きいのをどうやって焼いているのかなって」

「焼き方としては企業秘密ってわけじゃないから教えてもいいけど少し難しいよ」

「やってみたいとかじゃなくて純粋な興味からなので大丈夫です」


私がそう言うとピスナさんは

「そうかい、それなら見ているといいよ」

と言って再び肉の塊の横にある椅子に腰を下ろした。そしてその隣にいる犬の男性が私たちを一瞥した後にペコリと会釈をしてくれた。それを見て私たちも会釈で返す。


「こいつはゲイルだ。滅多にしゃべらないがいい奴だから気を悪くしないでくれ。それで焼き方だが」


 そう言ってピスナさんは自身の隣に大きめのキツネ火を召喚した。そしてそのキツネ火に風の魔法で熱風を作り出す。それをゲイルさんが手元にある取っ手を掴んでくるくると回すこと表面からじっくりと焼き上げているようだ。それを見て私は「ドネルケバブ」みたいだなと思いつつ眺めている。

そんな私たちのことを後ろから見ていた店主さんが声を掛けてきた。


「どうだい。勉強になっただろう」

「はい、魔法次第でこんな焼き方もできるんですね午前中いなかったのにはやっぱり買い手の問題ですか?」

「いや、俺たち獣人は朝だからって肉がダメなわけじゃねぇ。それにさっきも食べてみてわかったと思うがあの焼き方の関係で余計な脂が落ちるということもあってそこまで脂っこくならずに済んでるんだ。ただなこのサイズの肉を補完しておく場所もなければ入るマジックアイテムのない」

「えっ、ということは」

「そっちの娘は気づいたようだな。そう、俺たちは午前中に肉を調達して、ちょうどいい肉が手に入った時にここで店を開くようにしてるんだ」


 店主さんはそういうと屋台の内側から外に出るように言ってきたのおとなしくそれに従うことにする。そして外に出て、店主さんからお肉を買ってからコロシアムに向けて移動を再開した。コロシアムにつくことにはすでに夕方から夜に切り替わろうとしているところだった。

そういったこともあり今日の闘技大会受付はすでに終了している。そして、私たちはコロシアムの中に入るとそこにはエリックさんが来ていた。


「エリックさんこんばんは。デネボラさんは?」

「デネボラさんならくるみさんたちが月見の丘に行くと伝えたらお弁当作っておきますねと言って台所に入っていきました。ミントさんも一緒です」

「ミラたちは帰ってきてるの?」

「いいえ、ミラさんたちはまだ帰ってきていないですね」

「ただいま」

「いま帰ったのじゃ」


 エリックさんと話しているとちょうどよくミラたちも帰ってきた。そして元気のいいミュセルの声も聞こえてくる。それが聞こえたのかデネボラさんたちも台所から出てきた。


「よし、これから月見の丘に行くとするか。しずく、弁当頼めるか?」

「大丈夫です」


 しずくが敬礼しながら自身の影に人数分のお弁当をしまっていく。それに合わせてさっき買ったドネルケバブもしまった。

そうしてある程度の準備も終わったところでエリックさんに月見の丘に案内してもらおうと声を掛けようと振り返ったら、エリックさんは地面に座りミュセルへ頭を垂れていた。

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