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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
6章「武闘大会」
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トレミー観光(午後1)

 ベーコン屋のおじさんと別れてから食べ物の屋台で適当に昼食を買いベンチに腰掛けてこれからどうするかを相談することにした。


「しずくこの後どうしよう」

「う~んこのままぶらぶらしててもいいけど、ベーコン屋のおじさんが言ってた月見の丘って気になるな」

「あそこね。でも月見っていうぐらいだから夜じゃないかな」

「そうだよね。それじゃどうしよう」


そう話しているとどこからか見知った商人の格好をした男がこちらに歩いてきた。


「くるみ、しずくどうしたんだいこんなところで」

「エリックさん、こんにちは」

「こんにちは。ここら辺でいいところがないかなって思ってね」

「なるほど、そうだな。・・・・」


エリックさんはしばらく考えた後、いくつかの場所を提案してきた。


「・・・有名なところとしてはコロシアム、月見の丘の二つだけどもう行っているだろ?」

「月見の丘は行ってないけど今晩辺り行ってみようかなって思ってるよ。コロシアムは今泊めてもらってるし」

「なるほど、それなら君たちが冒険者ということもあってここはいけるかな」

「どこどこ?」


 しずくが興味深げに聞いたが私はなんだかいやな予感がしてきている。そしてこういう予感は大抵当たってしまうもの。


「捨てられた豪邸っていう街はずれにある屋敷だよ」

「ひうぅ!!」


 ほらこんな感じに。そして私の隣にいるしずくは興味はありそうだったけど私の反応を見て断りを入れてくれている。


「そうか、駄目か。それなら一般公開もされているバラ園なんてどうだろうか」

「バラ園か。そこならくーねぇ大丈夫だろうけどなぁ」


 確かにしずくの言う通り私はそう言った落ち着いた空気のところは好きだけど、しずくは植物とかより動物園とかのほうが好きなところだった。でも結局私のことを優先してくれてバラ園に行くことになった。


「エリックさん。今日の夕方ぐらいにコロシアムに来れる?」

「ん?構わないけど行けばいいのかい?わかったよ」


エリックさんはそれだけ言って人込みに消えていった。


「それじゃ、エリックさんに紹介されたバラ園に行ってみようか」

「うん」


 私たちはコロシアムを挟んで反対にあるバラ園に向かった。そこにはバラ園ではあったが普通のバラ園ではなかった。


「これが獣帝国のバラ園か」

「こ、これならしずくも楽しめるかな」


 私がそう言うと結界の向こうからいばらの鞭が結界に打ち付けられている。バラ園の入口に木の立て看板があり結界の向こう側にいる植物について書かれていた。


「なになに、ローズプラントって魔物か」

「そんな魔物いるんだ」

「みたいだね。それにここのバラ園って前皇帝がキツネ獣人でその人が自身の実力を示す意味も込めて作ったらしいよ」

「へぇ。中に入ってみよう」


 しずくが生返事をした後に私の腕を引っ張ってバラ園の奥に入って行く。バラ園の中は思いのほか人が多くおり奥に向けて歩いていっている。そしてバラ園の中央に結界に扉がついているところがあった。そこの中央にはほかの結界の中にいるローズプラントより一回り大きいローズプラントがいた。


「おぉ、あれと闘えるのかな」

「どうなんだろう」

「なんだ、闘いたいなら闘えるぞ」


 私としずくが話していると後ろから女性の声が聞こえてきた。その声に振り向いてみるとそこには30台ぐらいの9本の尻尾をはやしたキツネの獣人が立っていた。


「「誰?」」


私としずくが声を合わせて女性問いかけると女性は本気の溜息を吐いた。それを聞いて私たちは何か間違いを犯したのかと心配になった。だがこの後の女性の自己紹介でさっきの溜息の意味が分かった。


「私はここバラ園のオーナーの玉藻っていう」

「あぁ、そうだったんだ」


 それを聞いてしずくが返事をすると玉藻さんは「まぁ、気にしなくていいよ」と言ってくれたので話を結界の中央にあるローズプラントについて聞くことにした。


「それで、あのローズプラントって何なんですか?中に入れるみたいですけど」

「あぁ、あいつはなここのボスだよ。それに自分の腕試し目的で闘うやつもいる。あんな風にな」


 そういって結界の扉に手を掛けようとしているウルフの男がいた。その男が結界の中に足を一歩踏み入れたところでいばらの鞭が男の腹を打ち付けて外に弾き飛ばしてしまった。


「そしてだいたいは、実力に見合わず中に入った瞬間にあぁなるわけだ。それにあいつはローズクイーンっていう統率個体にまで成長している」

「なるほど。ならぼくもチャレンジしてみようかな」

「やめとけやめとけ。お前みたいな子どもが入ろうとしたすぐにツタで吹っ飛ばされて怪我するぞ」

「むぅ、ならあのローズクイーン倒していい?」

「あぁ、できるものならやってみるといいさ」


 玉藻さんがしずくを心配して言ったであろう言葉に対ししずくが噛みつく。そして売り言葉に買い言葉の原理でローズクイーンを倒していいかまで聞いてしまった。それを見ていた私はしずくの肩に手を置く。


「くーねぇ、大丈夫だよ。安心して」


しずくはそう一言残して扉へと足を向けていく。

それを見ていた玉藻さんの口がにやりと笑った。

それを確認した私は玉藻さんにしずくを煽った理由を聞いてみることにした。


「玉藻さん、なんでしずくを煽るようなことを言ったんですか?前回の皇帝なら実力を測ることもできると思うんですけど」

「おぉおぉ怖い怖い。あの子しずくっていうんだな。くーねぇさんでいいのかな?」

「くるみです」

「おっとそれは失礼。くるみさん確かにしずくはローズクイーンに負けることはないが勝てるかは、わかる範囲でいえば微妙なところだな。それに今年は武闘大会の開催年それで強いと言ったら実力を知っておくに越したことはない」

「戦力分析で煽ったわけですね。はぁ」


玉藻さんの発言に私はため息を零し、しずくが怪我無く戻ってくることを祈ることにした。

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