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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
6章「武闘大会」
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トレミー観光(午前)

 翌日目を覚ました私たちは一様に目線を合わせて大きくため息をついた。そしてそのままコロシアムにある食堂に移動する。今日は昨日と違い神たちは帰っているようだった。


「お前たち、おはよう」

「おはようございます」

「ムニャムニャ」


 上から順にミントさん、デネボラさん、ミュセルちゃんの順になるんだけどミュセルちゃんは半分寝ているようで机に突っ伏して手をひらひらさせてくれているだけだった。私たちが全員揃ったところでデネボラさんは朝食を作りに台所へと移動して行った。それを見送ったミントさんは話を昨日の話に切り替えることにした。


「さて、昨日の夜の話だが、私とくるみ、しずくは直接聞いていたわけだが、ミラとミュセルは聞いているか」

「はい、夢という形で話は聞きました」

「わしも聞いたぞ、そのせいで眠いのじゃ~」

「ミュセル、お前が眠いのはいつものことだろ。ミラ、ミュセルが寝たらひっぱたいていいからな」

「わかった」


 ミラが短く返事をした後にさっそくミュセルの頭を叩いた。そして叩かれたミュセルはというと頭を抱えてプルプル震えていた。そしてがばっと体を起こしミラに対し睨みつけ、文句を言いたそうにしている。

そんな空気も気にせずにミントさんは話を進めていく。


「さて、ミュセルも起きたとこだし、早速だが今朝の話で気になるやつはいるか」

「そうじゃの、サビク様にも聞かれたがこれと言って気になるやつはいないんじゃよ。何せ、わしがオヒューカスを出たのは100年近く前の話じゃ。それ以降に現れたのかもしれん」

「そうか、まぁこの話はここら辺にしようそろそろ朝食も出来上がるころだ」


 そういうと扉の前で待っていたのかデネボラさんが入ってきた。手に持った朝食を机の上に置き朝食が始まった。

朝食は全員でわいわい騒ぎながら朝食が終わった。


「さて、今日のお仕事開始ね。じゃさっそくしずくさん、これに名前書いてね」


 デネボラさんはそういうと1枚の用紙をしずくに手渡してきた。渡された紙を見てみると武闘大会の参加登録書だった。しずくはその紙にさらさらと名前を書いてからデネボラさんに渡した。それを受け取ったデネボラさんは内容を確認した後に「問題なし」と言って用紙を受け取った。


「それじゃ、一通りやることも終わったし少し観光しようか」

「うん」

「私はギルドに言ってくる。ミュセル一緒に行くわよ」

「なんでじゃ、わしも観光したいのじゃ」

「はいはい、それは後でいくらでもできるからね」


そう言ってぶーぶー文句を言っているミュセルを引きづってミラは去っていった。それによって。今日はしずくと二人きりでトレミーを観光することになった。




「それじゃ、どこから周ろうか」

「そうだね、ここに来るの初めてだからどこか適当にぶらつこう」


 それだけ決まり私としずくはコロシアムを出て街に繰り出すことにした。街の大通りは活気に満ちており野菜も多少は売られているが肉の方が多く売られている。それを見たしずくはいろいろなお店を見て回り始めた。その際に少し興味深いものを見つける。


「しずく、ちょっとこっちに来て」

「ん?どうしたの?おぉ、これってベーコン?」

「おっ、お前らこれのことわかるのか?」

「はい、私たちの故郷に似たようなのがあって」

「なんだ、俺が初だと思ったんだがな」


 そう言ってベーコンを塊で売っている熊の獣人に声を掛けられた。それを私は普通に受け答えをする。そして、なぜかここのお店に人足が止まることがないので聞いてみることにした。


「ところで、ここに人の足が止まらないのって何かあるんですか?」

「あぁ、痛いところをついてくるな」

「あはは、ごめんなさい」

「まぁ、嬢ちゃんの疑問もわかるがな。ここら辺じゃこの食べ物が斬新すぎて人が寄り付かねえんだよ」

「そうですか、それならちょっと私たちが協力していいですか?」

「あぁ、構わないが何するんだ?」

「ちょっとした販売だよ。しずく、少し売り子お願いしていい?」

「いいよ、それで何するの?」

「ん?簡単に言うと試食かな」

「なるほど、実際に食べてもらうのが一番だもんね」

「それじゃおじさん、ベーコンひと塊ください」

「毎度あり。売ってくれるんだろ、安くしといてやるよ」

「本当!ありがとう」


 おじさんが値引きしてくれたので私はお礼を言った後に屋台の裏に回ることにした。そこでしずくを呼んでまな板と包丁、台を出してもらい軽くスライスする。そしてそれを半分に切ってからしずくと私で味見してみることにした。


「うん、おいしい」

「これはなかなか行けるね」

「しずく、適当に木を切って楊枝作ってくれる?」

「はーい」


しずくは返事してから自身の影から木の枝を適当に取り出し積水をカッター代わりにしてつまようじを作り始めた。それを見てから私はベーコンをさいころ上に切り分けてしずくに頼んで出してもらった大皿に切り分けたベーコンを乗っけていく。それにしずくの作ったつまようじを1本づつ刺していく。


「よし、これで一旦いいかな」

「お待たせしました」

「いや、どうせ今は客もいねぇんだし大丈夫だ」

「それいっててさみしくならない?」

「なるに決まってんじゃないか」


 しずくの言葉が突き刺さったのかおじさんが腕で目のあたりを覆っている。まぁ実際に泣いているわけじゃないからいいのかな。


「さて、しずく。それもって子ども優先に食べてもらって」

「はい」


しずくがそう言って大通りに移動して親子連れを中心に話しかけていく。


「こんにちは、これ新しい食べ物なんだけど食べてみる?」

「あら、いいの?でもこれって」

「あぁ、大丈夫大丈夫。これ私たちで買い取ってるからお金をとったりはしないよ


 そういうと母親はほっとしている。そして子どもは目を輝かせている。それを見ていた親が「食べてみる?」と聞くと「食べてみたい」と元気よく子どもが答えていた。それを見たしずくは皿を片手と影で作り出した触手で固定してつまようじを1本持ち子どもにあげる。


「先っぽとがってるから気を付けてね」

「うん」


 子どもが元気に返事をした後にベーコンを食べると気に入ったのかもう一つ欲しいと言ってきたが、しずくは再度渡すことはせずに親と話し始める。


「お子さんも気にいったみたいだしぜひ買ってね」

「そうね、私にも一つ食べさせてもらっても?」

「ぜひ」


 そう言ってしずくは親にもつまようじを1本渡して食べてもらった。それで親も気に入ったのかどこで売っているのかを聞いてきたので「ぼくの後ろの露店で売ってるよ」と言って次の客を探すために遠くなりすぎないように移動していく。

そうしていると午前中には商品がすべて売り切れてしまい店主のおじさんに大変感謝された。そしてお礼として売り上げの1割である小銀貨2枚を渡してくれた。

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