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双子姉妹の異世界旅行  作者: ライ
6章「武闘大会」
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番外編 エイプリルフール

ネタが浮かんだので季節ネタを書きました。

春。

4月1日は世間ではエイプリルフールという名前のちょっとした風習がある。実際私としずくの間にもこの季節になるとちょっとしたイベントが出来上がりつつあった。


「ぼく、くーねぇと結婚する!!!」


 朝、私が朝食を作り終わりしずくと一緒に食べるためにテーブルへ朝食を運び終わったところで、しずくが私の腰に抱きつながらがらそう言ってきた。


「今年も言ってくれてうれしいよ」

「ふふふ、今年はどうなるかわからないよ」


 しずくはそう言いながら腕を解き私の向かいの席に座った。

 何を隠そうこのやり取りは小学3年生のころから毎年やり続けていることだ。当時は私たちの親も子どもの言うこととして特に気にしていなかった。

 私はその時は妹としてしずくのことは好いていたので、子どもながらに嬉しくてしずくに抱き着いたりしていたものだ。

 だが、小学6年生にもなるとしずくのことを妹への好意ではなく、とある事情から愛情まで昇華していた。その時のエイプリルフールも同じようにしずくに「結婚する」宣言をされてしまい、あたふたしてしまった。今思えばこのころから両親も私たちの関係に疑問を持ち始めていたのかもしれない。


ーーーーーー小学6年生の時ーーーーーーー

「おねぇちゃん、私おねぇちゃんと結婚する!!!」

「えっ、どうしたのいきなり」

「おねぇちゃん、いきなりじゃないよ。毎年言ってるよ。今年の教科書と買いに行こう!」

「あっ、ちょ、ちょっとしずく。待ってぇ」

「「いってきま~す」」

「いってらっしゃい」


 私たちが家を出るとしずくは私の腕に抱き着いてきた。最近は外に出るとしずくはすぐに私の腕に抱き着いてくるようになった。そして、さっき言われたことを頭の中で反芻させながら学校の教科書を買うために歩いていった。そして午後になってからもしずくからの種明かしがなくその日は悶々としながら終わった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 今思い出すとこれも懐かしいな、あの時はエイプリルフールのルールみたいなものも知らなかったから、いつ嘘って言われるかわからずに悶々としていたもんだ。

中2のころに気になって調べたら午前中にあたりさわりのない嘘をついて、午後にネタ晴らしということを知ってから午前中はそこまでハラハラすることはなくなった。

まぁ今ではそもそも嘘じゃないということもわかっているので午後もそこまでハラハラすることはないんだけど。


そして今年は私のほうからもドッキリを仕掛けようと思う。そのための仕込みは午後からやるとして、食材の確認はすでに済ませている。


「ぼくは少し用あるから出かけるね。いってきます」

「行ってらっしゃい、とそうだしずく、今日の夕飯はしずくの嫌いなものでそろえるから」

「えっ!ぼく何か悪いことした?最近くーねぇに隠しごとしてるから」

「そうじゃないよ。ただ、しずくに好き嫌いなくしてほしいなって思ってるだけだよ」

「そんな、横暴だ」


しずくはそう言って外に出かけて行ってしまった。


「しずくには悪いけど、今日の夕飯は少し頑張りますか」


 私は一人でそう言ってから、準備にとりかかる。とはいっても午前中はいつも通り家の掃除や洗濯などをして終わり。15時頃までのんびりする。15時になると、順番に調理に取り掛かっていく。そしてある程度の準備が終わったところでしずくが帰ってきた。


「ただいまぁぁああ」

「おかえり~」


 しずくが変な発音で「ただいま」といってきたので私はしずくにおかえりと返した。そして当のしずくだが、走って食事をとっているところに入ってきた。そしてテーブルの上を見てしずくの顔が輝き始める。それを見て私は頑張った買いがあったなと思った。


「くーねぇ、今日ってぼくの嫌いなもので占めるんじゃ」

「そんなの嘘だよ。この時期はいつもしずくにドキドキさせられてるからね」

「なぁんだ。よかった~」

「それで、しずくはここ最近何やってたの?」

「それはもう少し後でね」


 しずくはそういうとかわいらしくウィンクした。それを見た私は顔が熱くなってしまった。そしてしずくと一緒に夕飯を食べることにした。

夕飯が終わり20時頃テレビを見ながら私は一度冷蔵庫に行くことにした。

今日作った最高傑作がいま冷蔵庫の中に入っている。それは小さいホールケーキだ。

私はホールケーキと包丁を手に持って居間へ移動した。するとしずくは私たちの寝室から小箱を二つ持って戻ってきた。そしてそのうちの一つを私に渡してきた。


「はい、くーねぇ。これ今日までぼくが頑張ってきた成果なんだけど受け取ってくれるかな」


 そう言ってしずくがおずおずと私へ小箱を一つ渡してくる。私はその小箱を開けてみるとその中には鎖を銀色のリングに通した、少しいびつな感じのネックレスが入っていた。私はそれを見て頬が濡れたのに気が付いた。それを見たしずくは驚いて私に聞いてきた。


「えっ、くーねぇ、なんで泣いてるの」

「いや、ちょっと嬉しすぎてなんでだろう涙が止まらないよ」


 私はそう言ってリングの裏を見てみると「S → K」と彫られていた。私はそれを見てもう何も言うことができなかった。

(これ完全に私のケーキがかすんじゃったなぁ)

 そう思っているとしずくはもう一つの小箱から私がもらったネックレスより作りがさらに荒いネックレスを取り出していた。そしてそれを確認するとしずくは自分の首にネックレスを付ける。そしてしずくは私の手からネックレスを受け取ると私の首に付けてくれた。


 翌日から私としずくは休日はネックレスを服の下に隠す形でつけて過ごすようにしている。

学校へもっていくと没収されることがあるので仕方なくもらった小箱に入れて寝室の小物入れの中に入れて保管している。だけどこれが功を奏したのかもしれない。

なぜならその年の夏、一生忘れることのできない思い出と友達に出会うことになるのだから。

日本ではないようですが場所によっては嘘を付けるのは午前中までと決まっています。

無駄な口論が発生しない様にしつつ楽しく嘘をつきあいましょう

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